健康男子6名について,ECGとVCGを深呼気,深吸気において同時記録し,深吸気におけるR
v5とR
x,R
avFとR
yの高さ,S
v2とS
zの深さの変動を誘導法の観点から比較し,ついで胸蔀X線(正面像)を深呼気,深吸気で撮影し,以下の結果を得た.
1.深吸気においては,深呼気に比し.R
v5,R
xは,ほぼ平行して有意に高さを減じ,"superinflate"した肺容積増大と,心臓の回転(立位)の関与を示唆した.
2.同じ条件下で,R
avFとR
yはその高さを増したが,R
yのそれは相対的に小さく,誘導法による差を思わしめた.両誘導におけるR波変動の因子として,心臓の下降と回転(立位),心臓と横隔膜との接触の租度が考えられた.
3.同じ条件下で,S
v2は有意に減少,S
zは有意に増大し誘導法による差を示した.その解釈として,電極の位澱の差(第4と第5肋間)以外に,心中心とV
2電極またはフランク法E点までの距離の増大と短縮が考えられた.
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