心臓
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8 巻, 2 号
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  • 中川 敬之助, 奥田 国彦
    1976 年 8 巻 2 号 p. 121-129
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    方向指示性C.W. Doppler血流計を用いて正常若年者20例を対象に内頸静脈の血流速パターンを, また心房細動6例,2~3度房室ブロック2例を対象に, 右心房拡張, 右心室牧縮過程によるその血流速パターンを検討し次の結果をえた.
    1)血流速パターンは主に4峰性(a, X, S, D)波からなり, 心房拡張波の上に, 右心室等容性収縮期が加わり"X"波(仮称)が, 駆出期波が加わりS波が, 拡張期波が加わりD波が, 夫々合成される. (仮説)
    2)呼吸の影響による血流速パターンの変形(その高速成分の変動や各波形の隔合)に関し上記の仮説にもとずいて若干論じた.
    3)また, 血流速パターンは右心系えの流出とこれと左心室脳循環を経て内頸静脈に向う流入の両者バランスから生じる局所のnet flowらにより影響をうける.
  • 松川 哲之助, 横沢 忠夫, 佐藤 良智, 宮村 治男, 浅野 献一, 佐藤 淳
    1976 年 8 巻 2 号 p. 130-136
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    チアノーゼ,・Cheyne-Stokes呼吸発作を呈する総肺静脈還流異常症門脈型を合併する錯位症複雑心奇型を有する生後58日乳児例に対し,表面冷却・耀流加温併用超低体温法下に総肺静脈幹一左側心房側々吻合のみを施行し姑息的にしろ劇的な症状改善をみた1例を経験した.
    複雑心奇型を合併する総肺静脈還流異常症に対する外科治療につき検討した.合併型とくに錯位症では中隔欠損,大血管転位など総肺静脈還流異常血行動態としてはむしろ有利な例も多いことから手術適応決定上心内奇型相互の関連性を十分検討する必要がある.すなわち肺静脈還流障害例では姑息的にしろ第一にその解除が優先されるべきで,幼若乳児例の多いことからも短絡手術,一期的根治手術にこだわらぬことが救命上重要である.
  • 長井 靖夫, 厚地 良彦, 小松 行雄, 宮沢 要一朗, 中村 憲司, 高尾 篤良, 広沢 弘七郎
    1976 年 8 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    14例の修正大血管転換症に6方向のM-modescanをおこない,形態異常の解析と心区分の内的つながりを検討した.なかでも,左側半月弁(大動脈弁)方向から左側房室弁(三尖弁方向へM-modescanして得られるUCGは修正大血管転換症に特徴的な所見であった.
  • 小松 行雄, 向野 いづみ, 渡辺 佐知子, 井上 康夫, 関口 守衛, 橋本 明政, 広沢 弘七郎
    1976 年 8 巻 2 号 p. 143-152
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈造影または剖験によって確認された急性解離性大動脈瘤26例について,その予後と臨床像について検討を行った.生存率は発病後12時間で91%,24時間で82%48時間で64%,7日で55%,30日で50%となっており,発病早期の死亡率が高い.入院時にシ滋ヅクは8例,血圧の左右差は2例に,意識障害は5例に認められた.大動脈弁閉鎖不全症は2例に認められた.心電図では2例に下壁硬塞を認め,解離性大動脈瘤の圧迫による右冠状動脈の閉塞が原因であった.WBCは発病第1日から上昇し,1~2週間で正常に復す.CRPと血沈は発病からやや遅れて上昇し,低下するのが非常に遅い.GOT,GPT及びLDHは殆んどの症例で経過中に上昇を示めすときがあった.10例の剖検例中8例に破裂が認められ,最も主要な死因となっていた.
    急性解離大動脈瘤では早期診断,早期治療開始が非常に大切であると考えられる.
  • 幸治 隆一, 小寺 崇, 井阪 直樹, 塩崎 久称, 伊東 早苗, 浜田 正行, 竹沢 英郎
    1976 年 8 巻 2 号 p. 153-159
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    三重大学第1内科で経験した特発性心筋症60例(肥大型38例,うつ血型22例)の心音心機図所見を総括検討した.心音図所見として肥大型では38例中37例にS4を認め,うつ血型では22例全例にS3を記録出来た.又肥大型で有意な収縮期雑音を示すものは,造影上左室流出路の狭窄及び僧帽弁逆流所見を認めたが,雑音の種類はEjection typeがほとんどであった.一方うつ血型で有意の雑音を示すものには僧帽弁逆流を認め雑音もpansystollcであった.心機図所見ではPEP/LVETはうつ血型で有意に高値を示した.又頸動脈波所見として,肥大閉塞型では約半i数にBifid pulseを認めた.重複波は,うつ血型の中4例に存在した.これは低拍出を示す症例に関係はあつても単に低拍出のみでは説明出来ない.心尖拍動図所見ではa波高の増高を,うつ血型,肥大型ともに認めた.又その収縮期波は肥大閉塞型全例に収縮期Bulgeを認めた.
  • 心腔内心音図による検討
    露口 直彦, 仁木 敏晴, 三河 浩一, 松久 茂久雄, 由井 靖子, 上田 征人, 相原 令, 佐藤 浩充, 岩城 正輝, 森 博愛
    1976 年 8 巻 2 号 p. 160-165
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Ebstein 病は,比較的稀な疾患であるが,心血管造影法や心腔内心電図法の普及により,臨床的に診断される例が多くなってきている.私どもは,心血管造影および心腔内心電図で診断できたB型WPW症候群を合併した非チアノーゼ性Ebste沁病の1例を経験した.
    ヒス束心電図および心房ペーシング法により,本例はKent束伝導のB型WPW症候群であると考えられた.
    心腔内心音図では,右室内で強大な駆出性収縮期雑音およびクリック様過剰心音が記録され,右房内で軽度の逆流性収縮期雑音およびかすかな拡張期雑音が記録され,これらの心雑音および過剰心音の成因について若干の考察を加えた.
  • 池江 喜信, 尾崎 正治, 松崎 益徳, 前田 準也, 野元 域弘, 三瀬 淳一, 小田 達郎, 角 隆一, 藤野 巌
    1976 年 8 巻 2 号 p. 166-175
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    鏡像的右胸心を伴った,有意な心内奇型を伴わない修正大血管転位の1例を経験した.胸部レ線で,右等H弓の欠如,右心カテーテル走行異常を呈し,左右短絡の存在は否定された.左右心室造影検査で,動脈側心室内腔は右側にあり,粗大な肉柱で被われ,かつ,大動脈弁下部円錐の存在を認め,一方,静脈側心室内腔は左側にあり肉柱が少く,肺動脈弁下部円錐は欠如し,大動脈弁は肺動脈弁に比べ,その右側前上方に転位しているのが確認された.
    心音図で,充進した単一な音が記録され,UCGで,肺動脈弁部後壁と僧帽弁との間に,線維性移行が認められた.
    心電図では,Cardell-B3型に特有な所見の鏡像を呈していた.以上の所見から,本例がCardel1-B4型であると診断した.
    ヒス束心電図で第1度A-H及び,H-Vブロックの存在を認め,房室結節,ヒス束を含む刺激伝導系の解剖学的異常の存在を示唆した.
  • 島田 宗洋, 常本 実, 太田 喜義, 進藤 剛毅, 高松 幹夫, 村主 千明, 藤生 文平, 松尾 準雄, 永沼 万寿喜, 山本 勇, 吉 ...
    1976 年 8 巻 2 号 p. 176-182
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    漏斗部狭窄を伴う両大血管右室起始症の1手術治験例を報告する.本症例はLevらのDoubleOutletRig短Ventricle with Doubly Committed VSD, NeufeldらのType II Bで稀な型である.肺血流量増加症例として生後まもなく心不全を呈し,ジギタリス剤を投与きれたが,1歳頃よりチアノーゼが出現し無酸素発作を伴うようになり,二次的漏斗部狭窄の進展が考えられた。1歳3ヵ月で完全体外循環下に根治手術に成功したがDo慧blyComrnittedVSDTypeの根治例の報告は本例が第1例であろう.手術は,漏斗部狭窄及び1stparietalb認dを切除し,左室より大動脈へ心室内トンネルを形成した.術後,50日で心カテーテル,心血管造影を施行し心室内修復は完全である事を確認した.完全房室ブロックを生じたが,プロタノール服用で現在無症状である.
  • 重見 運平, 加藤 允義, 山本 広史, 縄田 義夫, 鳥井 紳一郎, 松本 八州人, 正木 秀人
    1976 年 8 巻 2 号 p. 183-189
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    40歳の女性で鏡像型右心症および内臓逆位症に伴うFallot四徴症の根治手術に成功したので報告した,患者は2歳頃からチアノーゼ,露居があり,1,2年前より運動制限が増強したため来院.心電図,心音図,右心カテーテル,心血管造影などより,上記診断を行った.体外循環下に胸骨正中切開で入り,漏斗部狭窄の切除,弁性狭窄の切開,室上稜下部の心室中隔欠損(1.5×1.5cm)を閉鎖し,さらに右室流出路の形成を行った.鏡像型右心症に伴う心奇型は複雑なものもあるが,本症例のごとく手術可能なものも多い.先天性右心症に伴うFallot四徴症の本邦報告例について検討したが,本症例が最年長者であった.併せて年長者Fallot四徴症についても文献的考察を加えた.
  • 小泉 誠二, 佐治 公明, 岡田 嘉之, 大内 将弘, 鈴木 康之, 羽根田 潔, 伊藤 孝, 柴生 田豊, 堀内 藤吾, 高宮 誠
    1976 年 8 巻 2 号 p. 190-195
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    純型肺動脈分枝狭窄症の2手術例を報告した.
    1例は左肺動脈起始部の禰漫性狭窄と右上葉枝の単発性狭窄をもった14歳女性であり,肺動脈幹圧は70/1030mmHgであった.他の1例は両側主肺動脈の限局性狭窄と右上葉枝の多発性狭窄をもった18歳男性で,肺動脈幹圧は135/860mmHgであった.2例とも息切れ,動悸等の症状を有しており,心電図上右室負荷を呈していた.
    上葉枝の狭窄については血行動態的に重要な意義をもっていないと判断し2例ともこれを放置し,左右主肺動脈の狭窄に対してのみ自家心膜パッチによる血管形成術を行った.術後,肺動脈幹圧はそれぞれ60/10 30,50/1026mmHgに下降し,肺動脈造影により血管形成術施行部の拡張が確認され,臨床症状の改善あるいは消失が認められた.
    本症の形態学的特徴と外科治療上の問題点について考察を加えた.
  • 原田 昌範, 大沢 幹夫, 小助川 克次, 臼田 多佳夫, 中谷 雄三, 山添 信幸, 中村 憲司, 堀江 俊伸, 前島 一郎, 鹿内 健吉
    1976 年 8 巻 2 号 p. 196-203
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    胸部外傷とくに心臓外傷における非穿通性心臓外傷は,複雑化する交通事情によりsteering wheel injuryとして次第に増加する傾向にある,なかでも左心系に損傷を受けた場合は重篤かつ致命的である.しかもほかに外傷を併発すると,とかくその初期症状を見失ない治療も誤る危険がある.心臓外傷のうち,単独僧帽弁損傷はきわめて少なく,その報告例もわずか7例で手術生存例は3例にすぎない.今回の症例報告は,交通事故に起因した非穿通性心臓外傷による急性僧帽弁閉鎖不全症例で,手術によって根治生存させたものである.閉鎖不全の原因は,弁輪部における繕帽弁後尖の断裂であり,腱索,乳頭筋の損傷がないきわめて稀な症例であった.なお,心音図,心尖拍動図および超音波心エコー図などのnoninvasive methodsで診断と病態把握に有用な所見がえられたので,あわせて報告する.この症例は,単独の外傷性僧帽弁損傷の手術成功例としては,第4例目に相当する.
  • 山科 秀機, 松浦 雄一郎
    1976 年 8 巻 2 号 p. 204-207
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Demand型pacemakerはrate固定型のものに比し非常に大きな利点を備えているが,心室抑制によらないでその他の筋肉の電位によりpacmaker機能が抑制されると云われている.このことは,
    心拍出量の増加が必要な体動時に筋電位が強力に出現し,demand型pacemaker機能が抑制されるということでもあり,筋電位によるpacemaker機能の抑制は非常に大きな問題と云わなけれはならない.
    自験例において,これまで諸家により報告された出現頻度に比し非常に低い率においてではあるが,胸筋筋電位によるpacemaker機能抑制が認められた.
    こうした現象に対する私共のとっている対策について報告した.
  • 鈴木 与志和, 水谷 浩也, 柿沢 紀夫, 山本 楯, 小川 宏一, 山崎 昇
    1976 年 8 巻 2 号 p. 208-213
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 山上 徹, 柴田 宣彦, 戸山 靖一, Karl Folkers
    1976 年 8 巻 2 号 p. 214-218
    発行日: 1976/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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