心臓
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43 巻 , 2 号
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Open HEART
HEART’s Selection (生体リズムの変調と心疾患)
HEART’s Original
臨床研究
  • 花田 晃一, 中村 明浩, 高田 剛史, 福井 重文, 遠藤 秀晃, 高橋 徹, 野崎 英二, 田巻 健治
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 159-165
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    目的: リアルワールドにおけるシロリムス溶出性ステント(sirolimus-eluting stents; SES)とベアメタルステント(bare-metal stents; BMS)のステント血栓症発症1年後の予後の比較を行った.
    方法: 1997年6月から2009年5月までの間に発生したSESまたはBMSのステント血栓症に対して, 当院において経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)を行った患者を対象とし, 後ろ向きに解析を行った.
    結果: SES血栓症(8名)はBMS血栓症(17名)に比べ, 初回PCIから血栓症発症までの期間が長く〔107(15~480)日vs 5(1~6)日, p<0.01〕, 安定狭心症にも発生した(75% vs 11.8%, p<0.01). 血栓症発症後からの再疎通までの時間が長く〔3.8(3.0~8.3)時間vs 2(2.0~3.0)時間, p<0.01〕, LMT equivalentやLAD近位部の血栓症が多い傾向にあった(62.5% vs 23.5%, p=0.08) . 血栓症発症1年後までの累積生存率は, SES血栓症がBMS血栓症に比べ有意に低かった(50.0% vs 88.2%, p<0.05).
    結語: リアルワールドにおけるSES血栓症は, off-label使用例であり, 安定狭心症患者でも発生し, 晩期にも発生した. 血栓症発症後の短期生命予後はステント閉塞部位に大きく影響されると思われ, SES血栓症の1年生存率はBMS血栓症と比べ不良であった.
Editorial Comment
臨床研究
  • 棟近 麻衣, 白石 裕一, 山端 志保, 増田 有希, 土井 潔, 夜久 均, 長谷 斉
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 167-173
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    はじめに: 冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting; CABG)を施行する症例の高齢化が進んでいるが, 術後リハビリテーション(リハ)の遅延に年齢が関与するかは報告により異なる. 今回, CABG症例のリハ経過を年代別に比較し, 80歳以上の高齢者の臨床的特徴を検討したので報告する.
    対象と方法: 対象は, 2007年1月~2008年6月に当院でCABGを施行した症例97名で, 70歳未満: 54名(男/女49/5), 70歳代: 35名(男/女28/7), 80歳以上: 8名(男/女6/2)の3群に分類した. 術前から歩行が自立していない症例は除外した. 患者背景, リハプログラムの進行状況, 退院時運動負荷試験, 退院時運動指導, 転帰について比較検討した. 統計学的処理は, クラスカル・ワーリス検定, マン・ホイットニ検定, L×m分割表検定を行い, 危険率5%未満を有意とした.
    結果: 左室収縮力は年代間で有意な差はなく, 腎機能は年齢とともに低下を認めた. 病棟リハプログラムの進行は, 年代間で有意な差を認めなかった. 80歳以上では, 歩行練習を必要とした症例が50%と多く, 退院時の歩行自立度も低いため, 日常生活における運動の取り組みについての指導が中心であった. リハ継続目的の転院は, 80歳以上で多かった.
    考察: 80歳以上の高齢者では, 歩行能力の回復に時間を要するため, 術後早期から歩行能力および活動性の向上につながるプログラムを導入する必要があると考えた.
臨床研究
  • 加藤 倫卓, 松永 篤彦, 内藤 裕治, 町田 ゆり子, 緒方 陽子, 山本 周平, 木村 雅彦, 増田 卓, 小鹿野 道雄, 真鍋 宏美, ...
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 174-180
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    背景: 禁煙は虚血性心疾患を含むさまざまな疾患に対して効果的な予防方法となる一方で, 禁煙後の体重増加により, 冠危険因子の悪化が生じることが健常者で報告されている. 本研究は, 急性心筋梗塞(acute myocardial infarction; AMI)後患者に対する禁煙後の体重増加が血圧, 脂質代謝および糖代謝に与える影響を検討することを目的とした.
    方法: AMI発症後に禁煙指導を施行した患者のうち, 退院後4カ月間の禁煙継続を認めた42例を対象とした. 対象を, 退院後4カ月の間に3%以上の体重増加を認めた体重増加群(21例)と3%未満の体重維持群(21例)に分類し, 退院時と退院後4カ月時の血圧, 脂質代謝および糖代謝の経時的変化, さらに内服治療薬の増量について比較検討した.
    結果: 体重増加群の拡張期血圧と総コレステロールは退院後4カ月で有意に増加したのに対して(それぞれp<0.05), 体重維持群は変化を認めなかった. さらに体重増加群における退院後4カ月時の総コレステロール, LDLコレステロールおよびNon-HDLコレステロールは, 体重維持群と比較して有意に高値となることが認められた(それぞれp<0.05). 脂質異常症治療薬が新規に処方された割合と同処方薬の増量を認めた割合は, 体重増加群のほうが体重維持群に比べて有意に高い割合を示した(p<0.05).
    結論: 禁煙指導後に体重が増加すると短期間に血圧の上昇と脂質代謝の悪化を認めたことから, AMI患者に対して禁煙指導を実施する際には, 禁煙後の体重をあわせて管理することが重要と考えられた.
症例
  • 中川 貴文, 日浅 芳一, 弓場 健一郎, 陳 博敏, 宮崎 晋一郎, 馬原 啓太郎, 小倉 理代, 宮島 等, 高橋 健文, 岸 宏一, ...
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 181-187
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    進行した慢性腎臓病(chronic kidney disease; CKD)患者に対する造影剤の使用は, 腎機能の悪化を助長し, 透析導入の時期を早める可能性がある. 一方, 高度の間歇性跛行は患者の日常生活動作(activities of daily livings; ADL)の低下につながり, 高齢者であっても治療を行う必要がある.
    症例は80歳代, 男性. 右腎動脈および右総腸骨動脈に対して経皮的血管形成術の施行歴がある. 2009年1月ごろより両下肢間歇性跛行が増悪したため, 下肢閉塞性動脈硬化症の精査を目的にて入院した. 足関節上腕血圧比と下肢動脈エコーで右総腸骨動脈のステント内閉塞性病変と左外腸骨動脈の高度狭窄病変を診断した. 進行したCKDの患者であったため, 造影剤の使用による腎機能障害の進行が懸念された. そのため血管内超音波法を使用することでごく少量の造影剤で血管内治療を施行し, その後の腎機能障害の進行を回避し得た症例を経験したので報告する.
症例
  • 中村 牧子, 砂川 長彦, 前野 大志, 宮良 高史, 田場 洋二, 新城 治, 當真 隆
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 188-193
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    症例は54歳, 女性, 高血圧の既往なし. 2008年3月嘔吐, 呼吸困難にて救急搬送された. 著明な低酸素血症を認め, 気管挿管施行, 胸部X線で心拡大と肺水腫を認めた. 来院時血圧160/110mmHgであったが挿管後82/60 mmHgに低下, 心エコーにて左室壁肥厚(15mm)と壁運動低下(左室駆出率ejection fraction; EF 25%)を認め, ドパミンを開始した. その後ドブタミン, カルペリチド, フロセミドを開始し肺うっ血は改善, 第3病日抜管した. しかし経過中に発作性の血圧, 脈拍上昇があり, 血中・尿中ノルアドレナリンの上昇を認め, 腹部CTとシンチグラムで右副腎褐色細胞腫と診断した. 眼底はScheie分類H1S0と高血圧性変化に乏しく, 非発作時は低血圧, 徐脈で, 非持続性心室頻拍(nonsustained ventricular tachycardia; NSVT)を認めた. 冠動脈に有意狭窄は認めず, そのほかの2次性心筋疾患を示唆する所見はなくカテコラミン心筋症と診断, ドキサゾシンを開始するもNYHA III~IV°の心不全が持続した. 第43病日, 右副腎腫瘍摘出術施行, 術後カテコラミン濃度は正常化したが心機能は改善せず, 左室造影では, 左室の拡大と局所的な瘤状変化を伴う壁運動低下(EF 30%)を認めた. 本例は発作型の褐色細胞腫で, 高血圧による血管障害は軽度だが心筋障害が不可逆的変化にいたったカテコラミン心筋症と考えられた.
Editorial Comment
症例
  • 下窪 徹, 迫田 耕一朗
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 196-202
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    57歳, 男性. 頸髄損傷のため施設に入所していた. 肺炎のため, 夜間急病センターを経由し当院に入院したが, 呼吸状態が悪化し, 人工呼吸管理を開始した. 抗菌薬の投与により肺炎が軽快したにもかかわらず高熱が続いた. 以前より内服していたダントロレンを中止したことで悪性症候群を発症したと判断し, ダントロレンを再開したところ解熱した(ここまでは他誌1)にて報告済み) . この症例において, 呼吸状態の悪化時, 心電図上, 前胸部誘導の低電位化を認めたが, 全身状態の改善とともに徐々にR波の回復を認めた. 心エコー図上, 観察されたび漫性壁運動低下の所見も消失した. 悪性症候群では, 心筋梗塞様の心電図変化やたこつぼ心筋症様の左室壁運動異常が報告されているが, それらを伴わない可逆性左心機能低下の形態もとり得ることが示された.
症例
  • 山里 将一朗, 北村 哲也, 渡邉 雄介, 加藤 崇明, 岩崎 仁史, 森 拓也, 濱田 正行, 伊藤 正明
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 203-209
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    症例は72歳, 男性. 2006年に労作時狭心症に対して第2対角枝にシロリムス溶出性ステント(CYPHER)が留置されている. 1年後の確認造影にて左前下行枝中間部に新規病変を認め, また第2対角枝のステント近位側に再狭窄を認めた. 両病変に対してパクリタキセル溶出性ステント(TAXUS)が留置され, 第2対角枝分岐部にステントが留置された際に, ステントがone strut左前下行枝に突出しているのが血管内超音波にて確認された. 半年後に労作時狭心症を認めたことから, 冠動脈造影をしたところ, 左前下行枝の第2対角枝分岐部付近に90%の再狭窄を認めた. 複雑分岐部病変であり, 左前下行枝にステント留置した場合には, 第2対角枝のステントのクラッシュが必要で, 第2対角枝の血流に影響を及ぼす可能性があったことから, ステント留置が困難と判断した. 今回, われわれは, 同病変に対してSafecutTMを用いてKBT(kissing balloon technique)を用いた経皮的古典的バルーン形成術(plain old balloon angioplasty; POBA)を行った. 術直後の冠動脈造影では標的病変部に限局性の冠動脈解離を認めたが, 慢性期の確認造影では修復されており, 再狭窄も認められず, 複雑分岐部病変に対してSafecutTMが有効であると考えられた.
症例
症例
  • 山田 朋幸, 田中 茂博, 小坂 明仁, 石原 有希子, 鴨井 祥郎, 吉良 有二
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 216-222
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    喫煙・糖尿病・高血圧症・脂質異常症を有する72歳, 男性. 2008年5月初旬胸痛にて来院, 急性心筋梗塞と診断し冠動脈造影検査を施行した. 左前下行枝(left anterior descending artery; LAD)および左回旋枝・右冠動脈末梢に高度狭窄を認め, 責任病変LADに対して経皮的冠動脈ステント留置術を施行した. 術後もST上昇は持続し, 翌日に認めたCK最高値は6,400 IU/Lであった. 第6病日に心不全をきたし, 人工呼吸器管理を要した. 第8病日に心室中隔穿孔(ventricular septal perforation; VSP)を合併した. その前後において血行動態や酸素化は大きく変化せず, Qp/Qs 1.6であることや呼吸器関連肺炎を認めたことから保存的に加療した. 全身状態改善後も静注カテコラミンの離脱が困難であり穿孔部閉鎖・左室形成術も再度検討したが, 手術リスクを考え体外限外濾過法(extracorporeal ultrafiltration method; ECUM)を用いて心不全コントロールを試みた. ECUM導入後静注薬を離脱し, NYHAクラスIで現在外来にて経過観察中である. 手術リスクが高く, VSPを合併した急性心筋梗塞後の心不全コントロール困難であった本症例では, 薬物療法に加えてECUM併用療法は有用であった.
Editorial Comment
症例
  • 福本 梨沙, 松坂 憲, 鈴木 健一朗, 山田 崇之, 弓野 邦彦, 富永 光敏, 井上 康憲, 中江 佐八郎, 上原 良樹, 蓮田 聡雄, ...
    原稿種別: HEART’s Original
    2011 年 43 巻 2 号 p. 225-230
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/09/20
    ジャーナル フリー
    症例は70歳. 女性. 2009年4月. うつ病性昏迷状態にて他院精神科に入院となった. 入院時の心電図にてV1~6のST上昇を認めるも. 自覚症状なく経過観察されていた. 第3病日になってもST上昇が持続するため. 当院転院となった. 転院後. 虚血性心疾患を疑い心臓カテーテル検査を施行した. 冠動脈に有意狭窄は認めず. 左室造影検査にて基部の過収縮と心尖部の無収縮を認め. たこつぼ心筋症と診断した. 心臓超音波検査. 左室造影検査で心尖部に7×14mm大の血栓を認めた. 心腔内血栓に対してヘパリンとワルファリンにて抗凝固療法を行い. 血栓は第21病日に消失した. たこつぼ心筋症において心腔内血栓形成は稀な合併であるが. 塞栓症抑制のためにも左室内の詳細な検索が必要と考えられた.
Editorial Comment
研究会(第44回 河口湖心臓討論会)
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