心臓
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36 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 遺伝子治療の試み
    牧野 寛史, 荻原 俊男, 森下 竜一, 金田 安史
    2004 年 36 巻 4 号 p. 269-274
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 最近の話題から
    作間 忠道
    2004 年 36 巻 4 号 p. 275-284
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    再灌流後のno-reflow領域は,心筋壊死を反映したものと考えられているが,その周囲に存在する,充血反応あるいはlow-reflow領域も,心筋壊死を意味しているかどうかは定説がない.心筋コントラストエコー法によって同定されたno-reflowを含めた微小循環障害領域と,心筋壊死領域との関係は,その実験設定によって大きく変化する.我々がイヌを用い,冠動脈内血栓形成後再疎通を行った場合は,微小循環障害領域は必ずしも心筋壊死を示さなかった.一方,急性心筋梗塞患者において,心筋コントラストエコー法によって同定された微小循環障害領域と,心筋梗塞サイズの関係も,その評価時期によって変化する.心筋コントラストエコー法を用いた微小循環評価により,梗塞サイズを精度高く同定するための最適時期が,再疎通後いつなのかはまだ確定されていない.また,最近,動物実験段階では,標的化したマイクロバブルを用いることで,微小血管壁上に接着した白血球やインテグリンなどを,リアルタイムに同定することが可能になった.これらの手法を用いた,再灌流後の梗塞サイズ縮小を目的とした薬物治療効果の評価方法は,将来的には人体で用いることを前提としてその研究が進められており,有用な検査方法になると期待される.
  • 肺CT所見を検討した5症例の報告
    池本 裕実子, 河 相吉, 寺口 正之, 荻野 廣太郎, 小林 陽之助
    2004 年 36 巻 4 号 p. 285-289
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    先天性心疾患を伴うDown症候群の5症例について,肺CT検査により肺実質の状態を検討した.部分的な肺気腫性変化,小葉間隔壁の肥厚による間質性陰影,肺実質内の微小嚢胞が特徴的であった.これまでの病理学的な検討によると,Down症候群では先天的な肺胞形成不全と末梢気道の生後の発達不全とがあることが明らかにされている.我々の経験した5症例では,いずれも左右短絡があり肺血流が増加していた.Down症候群に特有な素因に加えて,肺水腫による二次的な線維化,呼吸器感染の反復による炎症性変化と肺実質の破壊とがこのような異常陰影をきたす要因になったのではないかと考えられた.Down症候群で肺高血圧の進行が早い要因として上気道の閉塞や肺血管の形態異常がよく知られているが,このような肺実質の変化も考慮に入れる必要があると思われる.
  • 浅野 毅弘, 白井 徹郎, 天谷 和貴, 椎原 大介, 土田 健治, 笠尾 昌史, 井上 清
    2004 年 36 巻 4 号 p. 291-296
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は38歳,男性.5年前より覚醒剤を常用しており,平成14年9月14日20時30分突然胸痛が出現し,改善しないため近医を受診.心電図上II,III,aVF誘導でST上昇を認め,急性心筋梗塞の診断にて当院転送.検査所見では心筋トロポニンTO.78ng/ml,max CPK 1311 IU/l,心臓超音波検査にて下壁領域の壁運動異常を認め,急性下壁梗塞と診断.直ちに,緊急冠動脈造影が行われたが,左右冠動脈に狭窄,攣縮あるいは血栓を示唆する所見を全く認めなかった.しかし,左室造影ではseg.3,5,7にhypokinesisを認め,最終的に正常冠動脈急性下後壁梗塞と考えられた.
    正常冠動脈像を呈する心筋梗塞の報告はまれではなく,1-10%の頻度で認められる.臨床背景として,発症年齢が若年であること,梗塞前狭心症を有する者が少ないこと,血栓形成の危険因子を持つ例が多いことなどがあげられている.発症機序としては以前より冠攣縮,冠塞栓,心筋内小動脈病変などが考えられており,最近ではpositive remodelingしている部分の不安定プラークが破綻し,血栓形成から自然再疎通するのではないかとも考えられている.
    本症例は従来の正常冠動脈心筋梗塞の症例と特徴など類似しているが,冠動脈造影上全く異常所見を認めず,発症時覚醒剤中止後のフラッシュバックの時期にあったことより,梗塞発症の誘因として覚醒剤の関与があったものと推測された.覚醒剤との関連による心筋梗塞発症例は極めてまれであり報告した.
  • 河合 祥雄
    2004 年 36 巻 4 号 p. 297-300
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 矢野 幸平, 田中 茂博, 清水 寛, 加藤 純大, 斎藤 哲也, 定 利勝, 吉良 有二
    2004 年 36 巻 4 号 p. 301-306
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例-1は71歳,男性.平成14年12月5日胸痛を自覚.入院時心電図上II,III,aVFにST上昇を認め,急性下壁心筋梗塞と診断した.冠動脈造影で右冠動脈(RCA)入口部に血栓様陰影を認め,血流は遅延していた.血栓吸引カテーテルを用いた血栓吸引術後,RCAは末梢まで良好な血流を得た.血栓吸引後RCAに有意狭窄は認めなかった.第12病日のRCAの血管内エコー図では明らかなプラークは認めなかった.
    症例-2は51歳,男性.平成15年1月14日胸痛を自覚.入院時心電図上完全房室ブロックを示し,II,III,aVFにST上昇を認め,急性下壁心筋梗塞と診断した.経静脈的血栓溶解療法後の冠動脈造影でRCA#1が完全閉塞していた.経皮的冠動脈形成術目的に7FガイディングカテーテルをRCAに挿入した直後にRCAは末梢まで造影され,入口部に血栓様陰影を認めた.血栓吸引カテーテルを用いて血栓吸引術後,RCAは末梢まで良好な血流を得た.血栓吸引後RCAに有意狭窄は認めず,血管内エコー図でも明らかなプラークは認めなかった.吸引した血栓の病理所見は,血小板を主体にした新鮮血栓であった.
    本2症例は血栓吸引術後の冠動脈造影で梗塞責任病変部位に有意狭窄を認めず,正常冠動脈を呈した.血管内エコー図で探知できない程度の冠動脈壁内のプラークが血栓形成の原因であった可能性は否定できないが,冠動脈塞栓症が急性心筋梗塞の発症原因のひとつとして疑われた.血栓吸引カテーテルを使用し,冠動脈内血栓吸引術を施行することにより治療し得たので報告する.
  • 血栓除去後正常冠動脈造影像を呈する急性心筋梗塞
    日浅 芳一
    2004 年 36 巻 4 号 p. 307-308
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 高谷 具史, 井上 信孝, 張 鐘頴, 高橋 明広, 川合 宏哉, 川嶋 成乃亮, 田中 裕史, 松田 均, 佐藤 朝臣, 杉本 幸司, 大 ...
    2004 年 36 巻 4 号 p. 309-313
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は47歳女性.以前より子宮筋腫を指摘されていたが放置していた.半年前からの咳漱および全身倦怠感の増悪を訴え前医受診,精査にて肺高血圧症を伴う慢性肺血栓塞栓症と診断された.原因としては,巨大な子宮筋腫が総腸骨静脈を圧迫することで静脈うっ滞をきたし,慢性的に血栓を形成し塞栓症を繰り返していたものと考えられた.肺動脈圧と全肺血管抵抗は著明に高値であったが明らかな血栓像は中枢側には認められず,当初は抗凝固療法にて経過観察されていた.しかし,子宮筋腫より不正性器出血をきたし,輸血が必要な程度まで貧血が進行したために,内科的治療の継続のみでは対応困難と判断され当院に紹介となった.慢性肺血栓塞栓症に対しては肺動脈血栓内膜摘除術施行を選択,その術中および術後の出血のコントロールとしてまず子宮動脈塞栓症を施行,同日に引き続いて肺動脈血栓内膜摘除術を行った.血栓および内膜肥厚を主に認めた右肺動脈下葉枝については,血栓性内膜は充分に摘除された.術直後より肺動脈圧は著明に低下し,人工呼吸器よりの離脱に時間を要したものの徐々に症状は改善した.
    子宮筋腫の静脈圧迫によるうっ滞が急性肺血栓塞栓症の原因となりうることはこれまでにも報告されているが,本症例のように子宮筋腫を加療せず経過をみている過程において,慢性肺血栓塞栓症を合併する場合があるので注意が必要であると考えられた.
  • 佐藤 暢一, 大久保 信司, 釘抜 康明, 福田 昭宏, 北山 道彦, 金光 政右, 津川 博一, 竹越 襄
    2004 年 36 巻 4 号 p. 314-318
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    総肺静脈還流異常症は予後不良な先天性心疾患の一つであり,生後1歳未満で死亡する例が多い.今回成人まで比較的無症状な経過を辿った症例を経験し,その診断にmultidetector CT(MDCT)が有用であったので報告する.
    症例は41歳女性で,労作性呼吸困難で当科に入院した.聴診上胸骨左縁第2肋間にLevine4度の収縮期駆出性雑音を認めた.胸部X線像では,典型的な8の字型を示した.MDCTでは,左右の肺静脈は合流して左上方の太い垂直静脈を形成し,更に右方へ向かう太い無名静脈となり上大静脈に合流しているのが観察された.
  • 丹羽 公一郎
    2004 年 36 巻 4 号 p. 319-321
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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