日本醸造協会誌
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116 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 大倉 治彦
    2021 年 116 巻 5 号 p. 303
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
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  • 島﨑 眞人
    2021 年 116 巻 5 号 p. 304-310
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
    ジャーナル フリー

    JAS(日本農林規格)は,日本農林規格等に関する法律(JAS法)に基づき,酒類,医薬品等を除く農林水産物について品質や生産方法などを定めた規格で,JASマークによって消費者にもなじみの深いものとなっている。もともとは,農林水産物の品質向上をめざして制定されたものであるが,その後,有機食品のように生産方法に関する規格も取り入れられている。近年,日本産農林水産物の輸出が注目されているが,輸出農林水産物の品質や生産方法を保証するために,JASの積極的な活用が図られている。長年にわたってJASに携わってきた筆者に,JASの歴史と今後の方向性について解説していただいた。

  • 一色 美孝, 渡邊 健太郎, 鰐川 彰
    2021 年 116 巻 5 号 p. 311-321
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
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    モルトウイスキーの製造工程は,製麦と仕込み,発酵,蒸留,樽貯蔵といった多段階のプロセスで構成されており,その中で多彩な香気組成が作り上げられます。そのため,評価用語とフレーバー成分,そして原料や製造工程との紐付けは複雑なものとなり,数多くの研究がなされてきました。本稿では,官能評価と微量成分との関係性に加えて,製造工程ごとに関連するフレーバー成分について,非常に分かりやすく解説いただいており,大変貴重なものとなっております。ウイスキーのみならず,醸造に携わる皆様に是非ご一読をお勧めいたします。

  • 品田 敦子
    2021 年 116 巻 5 号 p. 322-330
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
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    食品の加工や製造に微生物や酵素を利用することは,伝統的に醸造や発酵産業に用いられてきた。新しい微生物や酵素の機能を醸造,発酵食品に利用することで新たなる製品の開発が進展する。本解説では,既存の酵素剤からこれまで注目されていなかった新規の酵素(ADMIL®)を見出し,本酵素の機能とそれを新たなヨーグルト製品の開発にまで展開した経緯についてわかりやすく解説していただいた。醸造,発酵産業の研究開発に大変参考になる有用な解説である。

  • 大森 大陸
    2021 年 116 巻 5 号 p. 333-335
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
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  • 玉田 佳大, 窪寺 隆文, 広畑 修二, 山崎 将紀
    2021 年 116 巻 5 号 p. 339-346
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
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    「白鶴錦」は種子親に「山田穂」,花粉親に「渡船2号」を用いて育成された酒米品種であり,「山田錦」の兄弟品種に相当する。本研究では,両品種とこれらの両親品種に相当する「新山田穂1号」,「渡船2号」の全ゲノム情報を比較することで,「白鶴錦」の遺伝的特性を明らかにすることを試みた。その結果,「白鶴錦」と「山田錦」では両親品種からのゲノム領域の継承に違いがあることを見出した。また,複数の澱粉生合成酵素遺伝子や心白発現に関わる量的形質遺伝子座において,両品種でDNA配列が異なることを明らかにした。

  • 向井 伸彦, 武藤 彰宣, 芳村 俊広, 小野寺 かおり, 利田 賢次, 韓 錦順, 長船 行雄
    2021 年 116 巻 5 号 p. 347-351
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
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    日本の食品衛生法では,アルコール飲料中のメタノール含量の規制値は1 mg/ ml(1000 mg/l)未満と定められていたが,令和2年3月25日付の改定により規制値は1.2 mg/ ml(1200 mg/l)以内へと引き上げられた。焼酎の中でイモ類焼酎のメタノール含量は比較的多いとされており,我々は市販イモ類焼酎試料(甘藷焼酎137点,ジャガイモ焼酎6点及び長芋焼酎3点)中のメタノール含量を調査し,甘藷焼酎の原料甘藷の系統,品種の違いや原料麹の違いがメタノール含量に及ぼす影響について調べた。

    甘藷焼酎中のメタノール含量の平均値は290.7 mg/l,最大値は549.0 mg/lであり,食品衛生法上の規制値を超過したものは無かった。コガネセンガン製の甘藷焼酎の中で,甘藷麹を使用したものは米麹を使用したものに比べメタノール含量が有意に多かった。原料甘藷系統別では,米麹製の甘藷焼酎の中で,コガネセンガン製に比べ紫芋系製ではメタノール含量が有意に多く,白芋系製では有意に少なかったが,紅芋系製及びカロチン芋系製では多い傾向があったが有意な差は見られなかった。さらに,原料甘藷品種別では,米麹製の甘藷焼酎の中で,コガネセンガン製に比べベニサツマ製,エイムラサキ製及びアヤムラサキ製ではメタノール含量が有意に多く,ベニアズマ製では有意に少なかった。原料甘藷の系統,品種によるメタノール含量の差は,水溶性食物繊維含量及びデンプン価(デンプン含量)からおおむね推察することができた。

    ジャガイモ焼酎のメタノール含量の平均値は118.6 mg/l,最大値は185.8 mg/l,長芋焼酎のメタノール含量の平均値は60.2 mg/l,最大値は77.4 mg/lであり,いずれも食品衛生法上の規制値を超過したものは無かった。

  • 向井 伸彦, 韓 錦順, 長船 行雄
    2021 年 116 巻 5 号 p. 352-361
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/05/22
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    麦焼酎24点,甘藷焼酎24点を用いて,評価者9名で,濃淡,甘味,苦味,後味・きれ,総合評価の5項目に関する定量的尺度評価を行った。麦焼酎で総合評価と有意な相関がみられたのは甘味と後味・きれであった。甘藷焼酎で総合評価と有意な相関がみられたのは甘味であった。総合評価を目的変数とする重回帰分析を行った結果,甘味及び後味・きれの2項目が総合評価の判断に重要であることがわかった。

    また,尺度評価項目と成分分析値との相関を調べたところ,麦焼酎,甘藷焼酎ともに,紫外部吸収,TBA価及びフルフラールは,苦味及び後味・きれとの間で有意に相関がみられた。さらに,イソバレルアルデヒド,ジアセチル及びDMTSは,後味・きれとの間で有意な相関がみられた。

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