第2報においては溶剤の流動による静電気の発生を測定し, 固有抵抗が10
9ohm・cm以下の極性基を有する溶剤では静電気帯電を起さないが, ベンゾール, トルオール, キシロール, 石油ベンジン, ミネラルスピリットおよびSBP等の炭化水素に属する溶剤 (固有抵抗10
11~10
13ohm・cm) では流動による帯電現象が認められ, 条件によってはこれが数1GkVにも達し, その放電によって溶剤蒸気に引火して火災, 爆発の原因になることを論じた。
前報における実験装置は小規模であり, 発生した帯電電圧は比較的小さく, また実験に用いたパイプはガラス管のみを用いたが, 本実験においてはミネラルスビリット (蓄電器放電法により実測した固有抵抗は1.1×10
13ohm・cm) を試料として各種のパイプを通して流動させたときおよびロ過したときの帯電を大規模な装置について行った。
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