印刷インキの混合によって, 色数を最少にして, その混合から, 他の多くの色を得ようとする場合, 赤, 黄, 青を三原色として用いることが, 都合のよい効果を得られることは明らかであるが, 飽和度が低く暗くなるために, 印刷インキの混合色としては, その発色数, すなわち, 色度図上の発色範囲が, 印刷インキの色として使用に堪えるものについては縮少させるので, なんらかの方法でできる限り, 色のさえを向上させる必要が生ずるのである。
ここにおいて, 最近, 顔料をピヒクル中に分散させる方法について, いろいろな研究が行なわれているが, 著者は, これをブラッシュド・カラー法によって, その目的を達せんとした。しかし, 顔料の分散が良好となる一方において, 果して, これがその印刷イソキとしての使用に堪えるだけの耐光度を有するものであるか否かが問題となる。そこで, フラッシュド・カラー法によって得られたこれらの顔料についてその堅牢度を確かめた。その結果ほとんど'ドライ・カラー法によった場合と同様の耐光度を有し, なんらこれを使用する上において危惧する必要のないことを確かめ得た。
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