日常色合わせ作業, または色の検査に従事している者とそうでない者との2群に分けて, 各群10人ずつに淡彩ラッカーエナメル塗板と白ラッカーエナメル塗板との問の色差を肉眼判定させた結果とNBS単位値との関係について調べた。
色の取扱いをしている者はそうでない者に比べて色差の肉眼判定の個人差はかなり少ない。赤系統の淡彩色は他の色相の淡彩色に比べて, 肉眼の方がNBS単位値よりも色差を大きく感じる傾向がある。この実験の範囲では肉眼判定による色差はNBS単位値の平方根に比例するという結果を得た。
11NBS単位以内の色差では3段階程度に分けて判別すると個人差の少ない判別ができ, その色差段階とNBS単位値の範囲は次のとおりである。
1.ほとんど同じ~0.7NBS単位
2.わずか違う0.7~4NBS単位
3.かなり違う4~11NBS単位
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