充テン剤添加ポリマーの物性に関しては, カーボンブラックなどゴムの補強効果が著しい充テン剤添加の場合は, 実用上も重要な問題なので, 多くの構造と物性に関する研究が行なわれてきている。しかしながら, 顔料添加ポリマーの物性に関しては, 系統的, 組織的研究がまだ少なく, われわれは, 結晶性ポリマー (ここではポリプロピレン) への添加顔料の影響に関して, 系統的結果の一部を得たので, その一端をここに述べる。使用顔料は数種類を選び, 常温, 並びに高温における物性の影響を応力緩和, 振り緩和装置を通して観察した。その結果, ポリマーに添加した顔料は充テン剤効果, 二次的な橋カケの変化およびポリマーの安定性の増減に影響を与えることが明らかとなった。また, その挙動は無機系顔料と有機系顔料との間で著しく異なっており, 顔料の構造や表面性質, 粒子径などがポリマーの結晶生成に微妙に影響しているためと考えられる。
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