色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
96 巻, 10 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
技術論文
  • 川上 淳, 原田 瑞樹, 赤城 裕太郎, 髙橋 正寛, 太田 俊, 伊東 俊司
    原稿種別: 技術論文
    2023 年 96 巻 10 号 p. 333-337
    発行日: 2023/10/20
    公開日: 2023/10/27
    ジャーナル フリー

    2-(4-(N,N-ジフェニルアミノ)フェニル)トリプタンスリン(T2PhNPh2)を合成し,光物理的性質を調べた。T2PhNPh2は極性の異なる七種類の溶媒のうち,無極性のトルエンと1,4-ジオキサン中で弱い赤色蛍光を示し,その他の溶媒では蛍光が観測されなかった。その理由は,密度汎関数理論(DFT)計算の結果から,トリフェニルアミン部位のフェニル基の回転運動による熱放出をともなう無放射失活の促進に起因するものと考えられた。T2PhNPh2はテトラヒドロフラン(THF)中では無蛍光であるが,含水率65 vol%以上の水/THF混合溶液中で,凝集誘起発光(AIE)が観測された。さらに,固体状態では約650 nmで蛍光が観測され,すりつぶすと蛍光強度の低下と,発光極大波長の長波長シフトが観測され,メカノクロミック発光(MCL)を示唆する挙動を示した。

解説
  • 小松 周平, 菊池 明彦
    2023 年 96 巻 10 号 p. 338-343
    発行日: 2023/10/20
    公開日: 2023/10/27
    ジャーナル 認証あり

    温度刺激に応じて物性を変化する高分子微粒子は , バイオマテリアル工学において , 診断材料やドラッグデリバリーシステム (DDS) など幅広く応用されている 。 高分子微粒子を精密に設計することで , 表面と粒子コアそれぞれに異なる機能をもたせることができる 。 とくに DDS においては , これらの機能を通じて , 高分子微粒子の細胞への取り込み促進や , 取り込みの抑制などの制御が近年報告さ れつつある 。 本稿では , 温度刺激に応じて表面物性と粒子コア形状を変化する機能をもつ温度応答性微粒子を用いた生体材料への展 開を概観する 。

塗装技術講座 自動車業界の生産技術(第8講)
  • 鈴木 善貴
    原稿種別: 塗装技術講座 自動車業界の生産技術(第9講)
    2023 年 96 巻 10 号 p. 344-347
    発行日: 2023/10/20
    公開日: 2023/10/27
    ジャーナル 認証あり

    主剤塗料と硬化剤を混合させる二液塗料は焼付乾燥を簡略化でき高性能な塗膜を形成することが可能なため,多くの分野で採用されている。塗装機器メーカーである当社開発の二液塗装機(以下,ACWシリーズ)では,その二液塗料を高い精度で自動混合することに加え,主剤を水性とし,溶剤系の硬化剤との混合が困難となる水性二液塗料に対応するために,機械的に撹拌可能なパワーミキサを開発した。また,洗浄性を向上し廃棄される塗料と洗浄シンナを削減するために接液部を分離可能なダイアフラムシールを使用した小型バルブを開発した。これらの技術について紹介する。

太陽電池講座(第5講)
  • 石川 亮佑
    原稿種別: 太陽電池講座(第6講)
    2023 年 96 巻 10 号 p. 348-353
    発行日: 2023/10/20
    公開日: 2023/10/27
    ジャーナル 認証あり

    カーボンニュートラル社会の実現に向けて,塗布製膜が可能な次世代太陽電池としてペロブスカイト太陽電池への期待が高まる。1)耐久性の向上を目指した正孔輸送層フリーペロブスカイト太陽電池や2)フィルム型モジュールのためのスルーホール集電技術,3)軽量・フレキシブルなペロブスカイト/シリコンタンデム型太陽電池,さらには4)ワイドギャップペロブスカイト太陽電池の光無線給電応用について著者らが取り組むペロブスカイト太陽電池研究について紹介する。

feedback
Top