複素環系顔料の窒素中 (N
2中) および空気中 (Air中) における耐熱性を示差熱天びん法により測定し, Air中における熱分解反応機構をIRおよび元素分析により検討した。両ふん囲気下で, これらの顔料は第1減量域で変色した。
ローダミン6GはN
2中で2段階 (210~260℃, 260~400℃), Air中では3段階 (210~520℃) で熱分解を生じた。Air中での第1減量域 (210~265℃) では, エチルエステル基および塩化水素の開裂が生じた。
ジオキサジンバイオレットはN
2中で2段階 (320~440℃, 460~740℃), Air中では3段階 (280~505℃) で熱分解を生じた。Ari中での第1減量域 (280~390℃) では, エチル基および塩素の開裂が生じた。
インヂゴは両ふん囲気下で2段階 (260~380℃, 420~495℃) で減量し, 第1減量域では昇華と分解が併行した。Air中における分解初期では>N-Hの水素が開裂し, 320℃付近からベンゼン環の水素の開裂および環構造の分解が併行した。
2, 3-キナクリドンは両ふん囲気下で1段階 (N
2中390~575℃, Air中400~520℃) で熱分解を生じた。Air中における分解初期では>N-Hの水素が開裂し, 複素環の>C=Oおよび窒素の開裂は分解後期で急激に生じた。
Cu-フタロシアニンはN
2中では2段階で減量し, 第1減量域 (460~630℃) では昇華と分解が併行した。Air中では405~420℃で急激に酸化分解を起こし, CuOが生成した。
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