色材協会誌
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69 巻, 2 号
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  • 工藤 益男, 長崎 徳雄, 増子 徹
    1996 年 69 巻 2 号 p. 83-89
    発行日: 1996/02/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    六角板状のバリウムフェライト微粒子を含む磁性塗料について, 塗料中における粒子分散状態を直接評価することを目的として定圧濾過測定を行った。塗料作製時の分散処理時間が異なる塗料について測定した結果, 一定時間濾過後の塗料総流出量は, 分散時間の増加に伴い増加する傾向を示し, 粒子分散状態が改善されていることが確認された。さらに, 得られた濾過データを定量化するためこの系における濾過機構を検討したところ, 標準閉塞型と一致することが判明した。標準閉塞型を表す理論式からそれぞれの塗料について閉塞定数および最大濾液流出量が算出され, これらのパラメーターは他の測定法から得られる塗料および塗膜物性と良好な相関を示し, 塗料内粒子分散状態の指標として有用であることが確認された。
  • 坪川 紀夫, 車田 順子
    1996 年 69 巻 2 号 p. 90-96
    発行日: 1996/02/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    塩化チオニル/N-メチル-2-ピロリドン系縮合剤, 及び塩化チオニル/ピリジン系縮合剤の存在下で, カーボンブラックに末端水酸基, あるいは末端アミノ基のポリマーを反応させると, 粒子表面のカルボキシル基とポリマー末端の水酸基, あるいはアミノ基との直接縮合反応が進行し, 粒子表面へ対応するポリマーがエステル結合, 及びアミド結合を介してグラフトすることが分かった。また, このようなグラフト反応は, ポリマーの分子量の影響を顕著に受け, ポリマーの分子量が大きくなるほどグラフト鎖の数が減少することが分かった。さらに, ポリマーをグラフトしたカーボンブラックはグラフト鎖の良溶媒中へ安定に分散することも明らかとなった。
  • 江角 邦男, 的場 美佳, 山中 陽子
    1996 年 69 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 1996/02/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    シリカ上の第四級アンモニウム陽イオン性界面活性剤吸着層への2-ナフトールの吸着可溶化挙動を三種類の界面活性剤を用いて調べた。用いた界面活性剤は一鎖のドデシルトリメチルアンモニウムクロライド (DTAC), 二鎖のジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド (DDAB), および三鎖のトリデシルメチルアンモニウムクロライド (TMAC) である。2-ナフトールの一定の仕込み濃度において, DTACとDDABの場合の2-ナフトールの吸着可溶化量は界面活性剤の濃度の増加に伴い増加し, 最大値を示した後減少する。しかし, TMACの場合にはほんの僅かな吸着可溶化量の減少しか見られない。また, 2-ナフトールの最大吸着可溶化量はTMAC>DDAB>DTACの順に減少する。さらに, 界面活性剤吸着量に対する吸着可溶化量の比を求めるとDDABとTMACの場合はそれほど違わないが, その比の値はDTACに比べてかなり大きくなる。
  • 松山 朝夫
    1996 年 69 巻 2 号 p. 102-113
    発行日: 1996/02/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    これまでの内容をまとめると次のようになる。
    配合物の個々の品質は配合組成のみによって決まるという仮定をおく
    配合物の個々の品質の数値 (特性値) は配合組成の関数で表すことができる。この関数を品質関数とよぶ
    品質関数が解析関数であると仮定する。品質関数をテーラー級数展開し, 品質関数の近似多項式を求める
    変数 (n成分) の品質関数を, m次までテーラー展開した式を {n, m} 近似多項式という
    配合成分の比率の間には非負・和は1という制約条件がある
    この制約条件は位相幾何学の単体の構成条件と同一である
    {n, m} 近似多項式に, この制約条件を加えると, {n, m} 正準多項式 (単体上の近似多項式) が得られる
    正準多項式 (品質関数) は, 単体を定義域とする関数すなわち単体上の関数である
    正準多項式は単体の上で直線や曲線又は曲面を描く
    単体に格子を導入する
    {n, m} 単体格子の点と {n, m} 正準多項式の項 (係数) は1対1に対応し, その個数は (m+n-1m) である
    {n, m} 正準多項式の係数は, {n, m} 単体格子点で測定される配合物の特性値の1次式で表される
    {n, m} 単体格子点での特性値を測定することにより {n, m} 正準多項式の係数の値をすべて求めることができる
    この操作を品質項目毎に実行することにより配合物の個々の品質関数の正準多項式が得られる
    この正準多項式は, 配合物の任意の配合組成の特性値を予測する
    配合物は, 多数の多様な原料が, 相互作用により形成する統一体として定義することができる。この定義は複雑系というものの定義でもある。従って配合物は, まさに複雑系の格好の例であるが, 配合を, これまで述べたように, 数学的にモデル化し, そこに形成される数学的構造を理解すると, 配合には意外な明快さが存在することがわかる。この明快さは, いくら配合成分が多くなっても変ることはない。あたかも, 地上の風景を山上から見るかの様である。従って配合物は複雑系ではあるが, 手に負えないカオスではない。配合及び配合物を単体に基づいて考察したので, この様な結果が得られたのである。
    しかし, これまで述べたことは, 配合の数学的構造のごく一部にすぎない。引き続いてn単体上の関数の解明が行われないとその実体が明らかになったとは言えない。そのような研究は “配合論” とも言うべき分野の出現に今後結びつくかもしれない。
  • 金属および無機質素地では
    木下 啓吾, 坪田 実
    1996 年 69 巻 2 号 p. 114-120
    発行日: 1996/02/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 高速気流中衝撃法
    本田 宏隆, 本田 二葉
    1996 年 69 巻 2 号 p. 121-126
    発行日: 1996/02/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
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