ガラス製円筒形反応器 (1l) を用いてCa (OH)
2-SO
2系およびCaCO
3-SO
2系の連続式不均一反応を行い, 生成する亜硫酸カルシウムの結晶あるいは結晶集合体の形状, 粒径, 化学組成などを半回分式不均一反応により得られるものと比較した。生成物の粒子形状は, 大別して80℃以上および40~80℃でそれぞれ出発物質にかかわらず非凝集性板状結晶および無定形集合体が, 40℃以下で水酸化物からの場合は球状集合体が, 炭酸塩からの場合は花弁状集合体が得られ, 半回分式不均-系反応による場合と同傾向であることが明らかとなった。粒径は花弁状集合体を除いて大差があり, 連続式の場合は半回分式による場合の2~3倍となった。半回分式反応では水酸化物および炭酸塩のいずれを出発物質にした場合も, 生成物のSO
2量には温度依存性があり反応温度の低下にともなって減少したが, 連続式では水酸化物からの場合は依存性がほとんど認められず, 常に約48.0wt%であった。さらに, 反応物濃度, pH, かきまぜ機周速および反応器内平均滞留時間が生成する結晶あるいは結晶集合体に与える影響についても明らかにした。また, 連続式反応 (5℃) においても, クエン酸ナトリウムの添加 (1.0×10
-2mol/l) により半回分式反応の場合と同様に亜硫酸カルシウム四水和物結晶が得られた。
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