リン酸触媒存在下でグリシジルメタクリレートとアルキルケトン類との反応によって, (2, 2′-ジアルキル-1, 3-ジオキソラン-4-イル) メチルメタクリレート類を合成した。これらの化合物の構造は元素分析, IR, NMRおよびMS分析によって決定した。また, これらの単量体のラジカル重合を行ない, UV照射下におけるポリマーの橋かけ機構を検討した。その結果, ペンダントの形で2, 2′-ジアルキル-1, 3-ジオキソラン基を含むこれらのポリマーはUV照射により容易に橋かけすることがわかった。さらに, 触媒としてベンゾインまたはナフテン酸コバルトを添加した試料では, 橋かけが著しく促進された。空気中で照射した橋かけポリマーのIRスペクトルは1,160cm
-1のジオキソラン基の減少と3,500cm
-1のヒドロキシル基の出現を示した。このことから, UV照射のもとでの橋かけはオキソラン環の開環と同時に自動酸化によって起こるものと推察される。
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