硫酸イオンの存在下, アセチルアセトナト錯体溶液を100℃で熟成することによって, 平均サイズ0.52μm, 相対標準偏差0.08の無定形アルミニウム (III) 含水酸化物の均一な球状粒子を合成した。また, 含水酸化物を異なる温度でか焼して酸化アルミニウム (III) を調整した。はじめの粒子は, DTAで脱水にもとつく吸熱ピークとともに, 925と1185℃に無定形からγ-および/あるいはθ-アルミナへ, およびα-アルミナへの転移にもとつく二つの発熱ピークを与えた。はじめの粒子の形態はか焼によって本質的には変化しなかったが, 表面はやや粗面になった。粒子の電荷零点 (PZC) は電位差法で, それぞれ, 含水酸化物でpH7.6, 酸化物でpH7.3と7.1と決定された!pH6.3, 25℃での銀 (1) イオンの吸着平衡で, 選択定数K
m ([≡S-OAg]
s, / [Ag
+]) は, 含水酸化物の3.2dm
3g
-1から酸化物の0.21dm
3g
-1へとか焼温度の上昇とともに順に減少した。か焼温度600℃で比表面積140m
2g
-1の極大があるにもかかわらず, このようなK
mの一連の減少から判断されるように, 銀 (1) イオンの吸着は単なる物理吸着ではなく, あきらかに, OH基位置での化学的置換によって起こる。
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