表面処理剤, 粒径, 粒度分布が異なり, 耐候性に差があるとされる5種類のチタン白を使用し, 顔料濃度の異なるメラミンアルキド白色塗料を作り, 促進暴露試験機器の種類, 運転条件を変えて暴露を行ない, その結果を自然暴露試験の結果と比較し, 相関性を調べた。
なお, 自然暴露は四日市, 紀州, フロリダ, 銚子の4カ所でおこなった。試験に用いた促進暴露機器とその運転条件は次の通りである。
デューサイクルウェザーメーター (以下Dew-WOMと略記する) 点灯/消灯=60min/60min
サンシャインウェザーメーター (以下Sun-WOMと略記する) 降雨条件 : 120min中18minおよび60min中12min.なお, ブラックパネル温度はすべて63℃±3℃とした。暴露試験の判定はチョーキングの発生状況と60°鏡面光沢についておこなった。
四日市, フロリダの暴露結果では, 光化学的活性度が低く, しかも粒度分布のシャープなチタン白が良かった。紀州, 銚子の暴露では光化学的活性度の低いチタン白が良い結果を示した。
一方, Dew-WOMおよびSun-WOM (降雨条件 : 120min中18min) の結果では, 光化学的活性度と関係なく, 粒径の小さいチタン白および粒度分布のシャープなチタン白が良い結果を示した。しかし, Sun-WOMで降雨条件を60min中12minにすると, 光沢保持性の面では, 四日市, フロリダの自然暴露に近い結果となった。白亜化性については, 銚子と紀州に近い結果となった。
自然暴露では, チタン白の濃度の低いほど光沢保持性の点で良い結果を示したが, Dew-WOMおよびSun-WOM (降雨条件 : 120min中18min) では顔料濃度の高いほど良い結果を示した。しかしSun-WOMの降雨条件を60min中12minにすれば, 顔料濃度が低いほど良い結果が得られた。
この実験で用いたチタン白を含むメラミンアルキド白色塗膜に関しては, Sun-WOMの降雨条件を60min中12minにすれば, チタン白の種類, チタン白濃度について自然暴露の結果と相関があり, この条件による促進暴露試験を行なうことにより, 迅速に自然暴露結果を推定し得ると考える。
抄録全体を表示