色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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84 巻, 9 号
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研究論文
  • 武内 貴和, 川野 裕太, 竹内 泰宏, 河野 芳海, 高木 克彦, 柴田 雅史
    2011 年84 巻9 号 p. 308-312
    発行日: 2011/09/20
    公開日: 2011/12/20
    ジャーナル フリー
    合成アントシアニン色素である2-ヒドロキシ-4'-メトキシカルコン(HMC)は植物色素と同様の骨格を有しており,安全で環境負荷の少ないフォトクロミック材料として期待されている。本論文ではHMCをドライ条件で活用することを目的に,Al含有メソポーラスシリカ(MPS)とHMCの複合体を調製してそのフォトクロミック特性を検討した。
    Alを含まないMPSの複合体では,313 K,95%RHの遮光条件に7日間保管することで鮮やかな黄色が消色した。またUV-A光の照射によって初期の50%の着色度まで回復した。一方,MPSにAlを含有させることによってHMCの吸着量を増加させることが可能であった。しかしながら,Alの含有は色素のFV+型(黄色)からt-C型(無色)への変換を起きにくくすることが明らかになった。
解説
  • 前田 重義
    2011 年84 巻9 号 p. 313-320
    発行日: 2011/09/20
    公開日: 2011/12/20
    ジャーナル フリー
    自動車工業において,スポット溶接に代わって採用される構造接着は通常ミルオイルや打ち抜き,絞り加工などの各種油で汚染された基板に適用される。この報告は接着結合におけるエポキシ接着剤の組成ならびに塗油亜鉛めっき鋼板の表面構造の影響について述べたものである。XPSやFTIRによる界面分析によってアミン系硬化剤(架橋剤)の界面への優先的な吸着が重要な役割を果たすこと,ならびに溶融亜鉛めっき鋼板の接着耐久性は亜鉛の中のAlとPbの表面偏析とそれに起因した熱水浸漬中の粒界腐食によって低下することがわかった。
最新塗料講座(第12講)
最新化粧品・ヘルスケア講座(第2講)
  • 坂井 章人
    2011 年84 巻9 号 p. 329-334
    発行日: 2011/09/20
    公開日: 2011/12/20
    ジャーナル フリー
    日焼け止め化粧品には,有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線遮蔽材が多く用いられているが,後者としては微粒子酸化物粉体である酸化チタン,酸化亜鉛を利用することが多い。サンバーンを生じさせるUV-B遮蔽目的には微粒子酸化チタンを,サンタンを引き起こすUV-A遮蔽には微粒子酸化亜鉛を使用することが既知となっているが,本報では,両微粒子酸化物の光学特性の違いを述べることで,このような使い分けがされている根拠について解説を行った。また,基本物性,製造フロー,光触媒活性についても言及し,顔料用目的の製品とは異なる微粒子独特の特徴や設計思想についても述べる。すでに両者ともに相当年数にわたる使用実績があり,今や基礎原料として完全に定着していると言える。
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