色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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96 巻, 8 号
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解説
  • 飯島 道弘, 勝 悠奈, 𠮷原 栄理佳
    2023 年 96 巻 8 号 p. 255-260
    発行日: 2023/08/20
    公開日: 2023/08/25
    ジャーナル 認証あり

    水溶性のポリエチレングリコール(PEG)と,複数のイオン性ポリアミノ酸(PAA)からなるブロックポリマーを精密に合成し,PAA末端に重合性官能基を定量的に導入した。また,水中でミセルを形成させた後に,コア内部での重合により,安定なナノ微粒子の調製を行った。PAAとして,アニオン性のポリグルタミン酸,カチオン性のポリリシン,疎水性のポリアラニンを選択した。目的の形状を形成後にPAAの疎水性保護基の脱保護反応により,ゲル化を抑制できるイオン性の導入方法を検討した。会合状態での脱保護反応により,PEG鎖の分散安定性によりイオン性が安定し,複数のイオン性の導入が可能になると考えられる。ゼータ電位と分散性の変動の結果から,微粒子に複数のイオン性を導入できることが示された。このように,PEG-PAAにより,ナノ粒子や材料にイオン性が導入できる可能性が示唆された。これらのポリマーやナノ粒子は,医療,化粧品,インクや塗料などの材料として有望である。

総説
塗装技術講座 自動車業界の生産技術(第6講)
太陽電池講座(第2講)
  • 菅谷 武芳
    2023 年 96 巻 8 号 p. 275-279
    発行日: 2023/08/20
    公開日: 2023/08/25
    ジャーナル 認証あり

    現在,世界で最も高性能な太陽電池はⅢ-Ⅴ族化合物半導体多接合太陽電池である。その高性能性からとくに宇宙用として利用されているが,高性能・高機能である代わりに製造コストが大変高いという問題があり,市場規模は小さいものとなっている。本稿では,Ⅲ-Ⅴ化合物多接合太陽電池の開発状況やその問題点と,われわれが現在進めている低コスト製造技術について述べる。Siなどの汎用の太陽電池とⅢ-Ⅴ族を簡便に接合できるスマートスタック技術と,低コストでⅢ-Ⅴ化合物半導体を結晶成長できるハイドライド気相成長法について述べ,Ⅲ-Ⅴ化合物多接合太陽電池の今後の応用展開などについても言及する。

太陽電池講座(第3講)
  • 久保 貴哉, 玉木 浩一, 瀬川 浩司
    2023 年 96 巻 8 号 p. 280-285
    発行日: 2023/08/20
    公開日: 2023/08/25
    ジャーナル 認証あり

    量子閉じ込め効果など量子ドットが示す物性の多様性は,基礎研究の対象としても,機能性材料やデバイス応用などの点からも興味深く,適応領域が多岐にわたる。本稿では,コロイド量子ドットを光電子デバイス材料として用いることを念頭におき,その有用性や高機能化に向けた課題を解説する。また,太陽光フルスペクトル利用に資する広帯域光電変換の可能性など,コロイド量子ドットの特徴を活用した太陽電池応用の現状と今後の展望を紹介する。

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