ハケ塗りに際して, ハケを動かすのに要する力, ハケに加える圧力と塗料の流動性の関係について考察した。
ニュートン流体では, ハケ速度, 塗液厚などが変わると, ハケを動かすのに要する力も, ハケに加えるべき圧力も大きく変動するが, Casson流体では, その変動が少ない。また従来, 非ニュートン流体であるような塗料のハケ塗り作業性についてはresidual viscosityη∞が比較の目安になるとされている。この点について任意の塗液厚, ハケ運行速度でのハケにかかる力, 圧力などの偏微分値で比較して, 降伏値項の寄与は小さく, residual viscosity項のみで比較してもほとんど結果には変わりがないことを明らかにし, 前記の比較法に根拠を与えた。
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