色材協会誌
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53 巻, 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 甘利 武司, 熊野谿 従, 阿知和 宗男
    1980 年 53 巻 11 号 p. 629-634
    発行日: 1980/11/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    生漆および黒目漆液の動的粘弾性について検討した。生漆液では, 低周波領域でη′の角周波数依存性はかなり大きいが, G′の角周波数依存性は可聴周波域でのそれに比べ小さい。これらの粘弾性挙動は一種のエマルションとしての生漆液の特徴, すなわち分散媒であるウルシオール中に分散する多糖類水溶液の小さい水滴が相互に作用しあい, 一時的な網目構造を作ることに基づいているものと思われる。しかし, この網目構造の生成は黒目の操作が進むに従って消失する。
    黒目工程をへてつくられた黒目漆液は粘弾性挙動は低周波域では一般の高分子溶液と類似した挙動を示すが, 可聴周波域ではG′, η′とも角周波数に依存しなくなる。このような粘弾性挙動は剛体棒状分子と鎖状分子の中間の挙動に対応する。この現象は早い運動に抵抗する分子の内部粘性を考えることにより説明される。すなわち黒目の操作により, 生漆から水分が蒸発し, 分散している水滴中の多糖類が収縮した分子形態をとるためと思われる。このような多糖類の制限された分子運動が高周波領域での黒目漆液の粘弾性挙動を特徴づけるものと思われる。
  • 陶山 容子, 加藤 昭夫
    1980 年 53 巻 11 号 p. 635-643
    発行日: 1980/11/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    TiCl4-FeCl3 (あるいはFeCl2) -O2系, 800~1,050℃での気相反応によってTiO2-Fe2O3系微粉体を合成し, 反応条件が生成物の性状に及ぼす影響を調べ, 粒子の生成機構を考察した。
    生成相はアナタース型TiO2, Fe2TiO5, α-Fe2O3の3種で, 反応ガスのFe/Ti比の増大とともに主生成相は, TiO2からFe2TiO5, そしてα-Fe2O3へと変化する。Fe2TiO3相の生成率はFe/Ti比が1.2~1.6のとき, あるいは反応温度900~1,000℃で最大となる。反応温度800~1,000℃, Fe/Ti比が約O.8以上でのTiO2-Fe2O3系粉体は, 平均粒径が0.04~0.07μmの粒子から成る。粒径は, 反応温度の上昇, あるいは金属塩化物濃度の減少によって減少する。粒子は一般にFe2TiO5, Fe2O3, あるいはTiO2の単結晶である。粉体の色は, Fe/Ti比の増大とともに淡黄色から赤褐色へと変化する。
    本気相反応によるTiO2-Fe2O3系粒子の生成過程では, Fe2O3の優先的核発生とFe2TiO5相の組成比に相当する割合でのTio2とFe2O3両成分の共析による粒成長が起こると考えられる。
  • 坪田 実, 古川 誠一, 植木 憲二
    1980 年 53 巻 11 号 p. 644-649
    発行日: 1980/11/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    塗膜の諸物性, 特に付着強さに及ぼす顔料/ビヒクル間相互作用の影響を明らかにする目的で, 表面処理の異なる3種のルチル形チタン白 (S-1, S-2, S-5) を含むアルキド樹脂エナメルについて実験した。顔料の種類ならびにPVCの一連に異なる塗膜について, 各種類の付着強さおよび塗膜の諸物性を測定した。測定結果をまとめると次のとおりである。
    (1) 沈降体積・塗膜の光沢・粘弾性・吸水率測定結果から, アルキドビヒクルに対する顔料/ビヒクル間相互作用はS-2, S-1系の方がS-5系のそれより大きかった。
    (2) 付着強さ~PVC関係曲線は極大値を示し, 極大点に対応するPVC値は付着強さ評価方法の違いにより必ずしも一定値を示さなかった。また, 塗膜の拡張力の極大点に対応するPVC値とも一致しなかった。
    顔料/ビヒクル間相互作用の大きい系ほど, 付着強さ増加率 (エナメル塗膜の付着強さ/透明塗膜の付着強さ) が大きかった。
    (3) PVCの増大に伴い塗膜の内部応力は増大するが, S-5系はS-2, S-1系より明らかに大きな値を示した。そして, 塗膜の内部応力が大きいほど付着強さは小さかった。
    (4) 以上の結果について考察した。
  • 坂田 憲治
    1980 年 53 巻 11 号 p. 650-657
    発行日: 1980/11/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 海老沢 勝男
    1980 年 53 巻 11 号 p. 658-667
    発行日: 1980/11/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 須藤 敏雄
    1980 年 53 巻 11 号 p. 668-675
    発行日: 1980/11/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 長倉 稔
    1980 年 53 巻 11 号 p. 676-688
    発行日: 1980/11/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
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