TiCl
4-FeCl
3 (あるいはFeCl
2) -O
2系, 800~1,050℃での気相反応によってTiO
2-Fe
2O
3系微粉体を合成し, 反応条件が生成物の性状に及ぼす影響を調べ, 粒子の生成機構を考察した。
生成相はアナタース型TiO
2, Fe
2TiO
5, α-Fe
2O
3の3種で, 反応ガスのFe/Ti比の増大とともに主生成相は, TiO
2からFe
2TiO
5, そしてα-Fe
2O
3へと変化する。Fe
2TiO
3相の生成率はFe/Ti比が1.2~1.6のとき, あるいは反応温度900~1,000℃で最大となる。反応温度800~1,000℃, Fe/Ti比が約O.8以上でのTiO
2-Fe
2O
3系粉体は, 平均粒径が0.04~0.07μmの粒子から成る。粒径は, 反応温度の上昇, あるいは金属塩化物濃度の減少によって減少する。粒子は一般にFe
2TiO
5, Fe
2O
3, あるいはTiO
2の単結晶である。粉体の色は, Fe/Ti比の増大とともに淡黄色から赤褐色へと変化する。
本気相反応によるTiO
2-Fe
2O
3系粒子の生成過程では, Fe
2O
3の優先的核発生とFe
2TiO
5相の組成比に相当する割合でのTio
2とFe
2O
3両成分の共析による粒成長が起こると考えられる。
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