厚膜型チタン陽極酸化皮膜の光触媒活性をより一層向上させることを目的として, 従来までのH
3PO
4-H
2SO
4-H
2O
2の三成分系溶液にさらにSnO
2およびTiO
2微粉体を添加した浴を用いて一次陽極酸化したのち, これをNH
4HF
2-H
2O
2の混合浴中で再 (二次) 陽極酸化する方法について検討するとともに, 得られた皮膜の光触媒活性を評価した。
その結果, SnO
2およびTiO
2微粉体の添加によってアセトアルデヒドの気相光酸化分解反応における見かけの分解速度定数が大幅に増大することがわかった。この原因は, 皮膜表面に固着したTiO
2微粉体の有する光触媒活性に加えて, SnO
2の添加により, 電解挙動が大きく変化し, 皮膜中のアナタース結晶が成長すること, および, 光照射によってTiO
2中に生成した電子の一部が皮膜中に取り込まれたSnO
2側に移動し, 電荷分離が促進されることなどにあると考えた。
抄録全体を表示