含フッ素アゾレーキ顔料における各種金属によるレーキ化およびレーキ化金属の顔料適性におよぼす影響を検討するため, 3種の含フッ素アゾ色素と10種の金属 (Mg, Al, Cr, Mn, Fe, Ni, Zn, Sr, Cd, Pb) 塩化物との反応により対応するレーキ顔料を合成した。
レーキ化は金属の種類により反応液のpHが2.1-8.0の条件下で行なった。合成した顔料の主波長は595-625mμであり, Mg, Al, Cdレーキは鮮明な赤色の色調を示した。耐光性はMn, Mgレーキが良好であったがAl, Cr, Feレーキはいずれも劣っていた。耐熱性はMg, Sr, Pbが良好であるが, Cr, Fe, Niレーキは比較的低温から徐々に分解する傾向を示した。その他耐水, 耐酸, 耐アルカリ, 耐油および塩化ビニルシートにおける耐熱耐移行性を検討したがこれらの堅ロウ性はSr, Cr,,Alレーキが良好であったがNi, Fe, Mnレーキは劣っていた。
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