発光ダイオードの青色光による励起で発光する蛍光体を調製し, その発光特性を検討した。また, それをシリコーンゴム中に混合し, 白色発光シリコーンキャップ用蛍光体として評価した。470nmの青色光で励起される蛍光体としてY
3Al
5O
12 : Ce
3+およびLiEuW
2O
8を選び, これらを固相反応法によって調製した。得られた蛍光体の発光は, Y
3Al
5O
12 : Ce
3+は4f-5d遷移による529nmの黄緑色, LiEuW
2O
8は4f-4f遷移による614nmのシャープなスペクトルをもつ赤色であった。またY
3Al
5O
12 : Ce
3+にGd
3+イオンを添加することによって発光波長をシフトさせることができた。さらにY
1.2Gd
1.8Al
5O12 : Ce
3+とLiEuW
2O
8とをシリコーンゴムに混合し, これをキャップ形状に成形して青色LEDに被覆した。キャップを通して得られた発光色は540nmから780nmにY
1.2Gd
1.8Al
5O
12 : Ce
3+によると考えられる幅広い発光ピークを得たが, さらに616nmにLiEuW
2O, による発光も確認され, Y
1.2, Gd
1.8Al
5O
12 : Ce
3+の発光スペクトルにLiEuW
2O
8の発光による赤色成分のスペクトルが補われていることがわかった。LiEuW
2O
8添加量の増加にともない平均演色評価数は向上し, 青色発光ダイオードを用いた白色照明において演色性の向上が期待できることがわかった。
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