色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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88 巻, 7 号
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研究論文
  • 増井 敏行, 白石 敦則, 中土 洋輝, 竹内 直輝, 温 都蘇, 今中 信人
    2015 年 88 巻 7 号 p. 203-207
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/10/20
    ジャーナル フリー
    新規な環境調和型の(Y1-xRx2BaCuO5(0 ≤ x ≤ 0.3; R=Sm3+,Gd3+,Yb3+,Lu3+)顔料を固相反応法により合成し,それらの色彩を評価した。添加元素種および組成の最適化を行った結果,Lu3+を添加した(Y0.9Lu0.12BaCuO5試料の緑色度(-a=48.6)が最大となることが明らかになった。この値は,市販の緑色無機顔料であるクロムグリーン(Cr2O3)(-a=18.2)およびコバルトグリーン(ZnO・CoO)(-a=25.3)を大きく凌いだ。さらに,合成したY2BaCuO5および(Y0.9Lu0.12BaCuO5顔料を陶磁器用の上絵具に用いたところ,今までの有田焼にない鮮明な緑色が得られたことから,新しい有田焼の上絵用顔料として有望であることがわかった。
  • 前田 壮志, 垣尾 大輔, 八木 繁幸, 中澄 博行
    2015 年 88 巻 7 号 p. 208-217
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/10/20
    ジャーナル フリー
    可視光から近赤外光領域における色素増感太陽電池の分光感度向上を期待して,4,4-difluoro-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacene (BODIPY)骨格およびスクアリリウム色素骨格からなる新規複合型色素SQB-aSQB-bを設計した。それらは四角酸スズ誘導体を用いたクロスカップリングに続く縮合反応により合成した。SQB-aは可視光領域に(582 nm)に極大吸収を示し,ドナー性置換基をBODIPY骨格にもつSQB-bは長波長領域に2つの極大吸収(745 nm,612 nm)を示した。それらは各成分単独のスペクトルとは異なっており,光吸収に際して両成分が互いに影響することが明らかとなった。SQB-aSQB-bおよび四角酸残基をもつ前駆体SSQB-bは色素増感太陽電池の増感色素として機能した。とくにSQB-bSSQB-bは近赤外光から可視光領域に分光感度が見られた。
総説
最新接着講座(第18講)
  • 岩田 立男
    2015 年 88 巻 7 号 p. 227-231
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/10/20
    ジャーナル フリー
    近年,ますます拡大しているビジネスのグローバル化にともない,環境問題は地球レベルでの共生の対応が求められている。このような中で国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)は,市場性重視,価値ある規格,Optimum Globalization に努めている。接着関連の国際標準化は,ISO高分子接着剤委員会であるISO/TC 61/SC 11/WG5(Plastics/Products/Polymeric adhesives)およびポリマーディスパージョンISO/TC 61/SC 9/WG 14(Plastics/Thermo-Plastic materials/Polymer dispersions)において審議&決議されている。接着関連国際規格ISOの歴史と活動状況(JIS含む)について,この約15年の変遷~昨年ISOTC61(プラスチック)中国/蘇州会議などを述べる。
耐久・防食講座(第10講)
  • 篠田 吉央
    2015 年 88 巻 7 号 p. 232-237
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/10/20
    ジャーナル フリー
    電気防食と塗装の併用は技術的・経済的に有効である。電気防食の防食電流密度は,全塗膜欠陥面積が同じであっても集中型と分散型で異なる。前者のほうが防食されにくいので,陽極配置には工夫を要する。また,塗装系によっては,塗膜劣化が進むので,電位または電流密度を制御した電気防食が望ましい。流電陽極方式でも小型で単純な回路構成をもつ電圧制御ユニットを使用すれば電位制御が可能である。
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