塗料用アルキッド樹脂の特性とその溶液の粘弾性特性との関係を明らかにするために, 樹脂溶液の動的粘弾性特性を周期的ひずみ付加振動法により測定し, 樹脂の分子量分布, 溶解状態との関連性を評価した結果, 以下の結論を得た。
1) 樹脂組成の化学構造 (油長, 脂肪酸種, 二塩基酸種, アルコール種) を変化させることにより, 任意に樹脂の分子量分布が調整できた。
2) 樹脂溶液の動的粘弾性特性は, 樹脂の種類, 希釈溶媒によって変化した。
3) 溶液の動的 (貯蔵) 弾性率は, 粘度を一定とした場合, 樹脂の分子量分布, 特に高分子量成分の量に依存した。樹脂の平均分子量が高いほど, また高分子量成分の量が多いほど, その樹脂溶液の動的弾性率は高くなる。
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