積層電子部品は,誘電体材料(粉末)を主成分とするセラミックグリーンシート上に,金属紛末ペーストのスクリーン印刷により内部配線パターンが形成され,積層,焼成等を経て作製される。スクリーン印刷に関係するセラミックグリーンシート,金属粉末ペースト,およびスクリーン(マスク)や印刷機は,相互関係性が強く,製品の品質や信頼性に大きく影響する。これらの仕様や製造条件を総合的に検討し,適正化することで高信頼性製品の量産が可能となる。
アクリル樹脂はその優れた耐候性,透明性および表面光沢等の特性により,車両部材,光学部材,土木建築部材,塗料などの分野で幅広く使用されている。またその原料となるモノマーの種類は多様であり,その組み合わせによる共重合反応によりさまざまな機能をもったポリマーを設計できる。塗料用途に用いられるアクリル樹脂においても,ラジカル重合によるさまざまな製造法,モノマーの多様性などから他樹脂に比べ樹脂設計の自由度が大きいという強みを有する。
本稿では,塗料用アクリル樹脂を設計するためのラジカル重合の基礎および重合制御方法を概説し,塗料への応用例の一部を紹介する。
近年,コーティング剤はさらなる高付加価値化を達成すべく,盛んに開発が進められている。とくに高硬度および耐久性の観点から,シロキサン結合からなるシリコーンレジンを用いた無機系バインダーが注目されている。本稿では,シリコーンレジンの構造および特徴について言及し,新たなレジン製品を紹介する。