液液界面張力が分子論的観点から検討された。次の仮定が接着に関するFree Energyを求めるのに用いられた。 (i) 分子間が働くポテンシャルは分散力, 双極子間引力及び分極による引力成分その他に分けられ, いずれもγ
-6で表わされる (ii) 分子分布は均一である。これからa, b相の界面張力γ
abはγ
ab=γ
a+γ
b-2k
ab2ξ
ab√γ
adγ
bd (I) で表わされる。γ
a, γ
b, k
ab2及びξ
abはそれぞれa, bの表面張力, k
ab2=4d
d/d
a (1+d
b/d
a)
-2, ξ
ab=1+ (α
aμ
b2+α
bμ
a2) /
Aab+2μ
a2μ
b2/3k
TAabである。ここにd
a, d
bはa-a分子間あるいはb-b分子間の最近接距離, α, μ,
Aはそれぞれ分極率, 双極子能率及び引力定数である。これは従来提出されたγ
abに関する式の一般形と認められる。種々なアルカン等の無極性液体に対する有極性液体の界面張力が測定され, 水の場合も含めてこられ有極性液体表面張力の分散力成分が (I) 式から求められた。これらの値は多種類の無極性液体を対称液として求められている。これらは接触角法で求められたものと合理的な一致を示し, かつ標準偏差値が後者より小さいことからより合理的な値と認められた。γ
bd既知の極性液体との界面張力γ
ab及びγ
a, γ
bを (I) 式に適応して求められたγ
adと, 分極による項は他に比し無視し得るとして (I) 式を変形した式γ
ab=γ
a+γ
b-2k
ab2√γ
adγ
bd-2k
ab2√ (γ
a-γ
ad) (γ
b-γ
bd) (II) とから求められたγ
adとを比較した。 (II) 式で求められるγ
adはより妥当な値を与えると認められた。
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