顔料・樹脂および溶剤問の相互作用の形式を知るため, 顔料に対する溶剤の付着張力を測定して, 付着張力と溶解度助変数との関連性について検討した。その結果, 以下の事実が明らかとなった。
1.付着張力とHansenの水素結合性溶解度助変数δ
んとの間には, 明確な関連性が存在し, その関係は顔料の種類により異なった。
2.顔料は, 溶剤の付着張力とδ
んとの関係により, 3種類に分類されることが明らかとなった。すなわち, 付着張力とδ
んとの関係において,
a) Aタイプ : 1個の最大付着張力値を持ち, その値が大きく, δ
んにより急激に変動する顔料。
b) Bタイプ : 1個の最大付着張力値を持ち, その値が小さく, δ
んにより急激には変動しない顔料
c) Cタイプ : 2個の極大付着張力値を持ち, その値が大きく, δ
んにより急激に変動する顔料。
3.Aタイプに属し, 小さいδ
んの溶剤で, 付着張力が最大となる顔料はマレイン酸樹脂溶液中で容易に分散し, δ
Hが大きい溶剤で, 付着張力が最大となる顔料はブチル化メラミン樹脂溶液中で容易に分散した。Cタイプに属する顔料はいずれの樹脂溶液中でも容易に分散した。また, Bタイプの顔料は, いずれの樹脂溶液中でも分散しにくかった。
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