ヨウ素分子(I
2)を制御剤として用いる制御ラジカル重合法である,逆ヨウ素移動重合(RITP)を水媒体不均一重合系へ適用した際に,分子量制御性を悪化させる原因となる“I
2加水分解反応”を抑制するための二つの方法,水媒体接触前にI
2をヨウ素化合物へ変換する方法(方法i),および,ヨウ化物イオンを水媒体中に含有させる方法(方法ii)を懸濁重合系へ導入してその効果を検証した。その結果,方法iおよびiiの導入によって,両者の場合ともに分子量制御性の顕著な改善が観られることがわかった。方法iに関しては,I
2からヨウ素化合物への変換率が高くなるほど,また方法iiに関しては,ヨウ化物イオンの含有量が多くなるほど,それぞれ分子量制御性が改善される傾向が観られた。
抄録全体を表示