ダイヤモンド粉体の表面性状および有機シリル塩化物およびアルコールによる表面処理が, 赤外線吸収スペクトル, X線回折, 走査型電子顕微鏡, 分散嗜好性および熱分解により検討された。次の事柄が認められた。 (1) 基体表面は含酸素官能基からなる。 (2) 表面処理により基体の構造, 粒子径, 集合状態は変化しない。 (3) 熱分解生成物の検討から表面処理は可能なことが認められ, 付着基は基体表面水酸基と脱塩化水素または脱水縮合して形成された〓COSi(OH)
2R又は〓C(OR) からなる。 (4) 分散嗜好性の検討から付着基の重合したものを除いては処理効果は顕著でないが, これは表面水酸基の少ないことによると考えられる。 (5) ヒドラジンと反応しないことから表面にはカルボニル型官能基は存在しない。
抄録全体を表示