粒径の異なる板状粉体(マイカ)と球状粉体(ポリメタクリル酸メチル : PMMA)を混合し, おのおのの粒径と組成比が粉体物性に与える影響について解析した。その結果, 粒径比の大きい組合わせ(板状≫球状) で, かつ球状粉体の粒径が十分に小さい場合 (1μm以下), 球状粉体の少量混合によって, 勇断に対する摩擦抵抗が特異的に低下する傾向がみられた。この組成領域では球状微粒子が均一に板状粒子表面に単層付着することで, 粒子間の接触形態が平面一球面接触になること, すなわち, 接触点における付着力が大幅に低下することによって, 急激に粉体層の流動性が高くなるものと考えられる。また, 混合による粒子の均一付着によって, マイカは凝集性の低い一次粒子として挙動するため, 圧密に対しては均一に充填されやすく, 引張り破断に対しては比較的強い応力を示すことがわかった。
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