色材協会誌
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74 巻, 9 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 山本 隆
    2001 年 74 巻 9 号 p. 430-436
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 出口 武典, 宮崎 大輔, 増原 憲一, 岩崎 光伸, 多田 弘明, 伊藤 征司郎
    2001 年 74 巻 9 号 p. 437-443
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    TiO2微粒子を含むZnSO4-NiSO4混合浴からの複合電気めっきにより, 鋼板上にZn-Ni-TiO2糸複合めっき反膜を形成させた。めっき浴中にNH4NO3を添加しておくと, TiO2共析量 (W) がいちじるしく増加することを見いだした。 W値が浴中のTiO2濃度 (X) の増加にともなって単調に増加する (0≦X≦200gL-1) にもかかわらず, アセトアルデヒドの気相光酸化分解反応に対する光触媒活性は x=150gL-1で最大になった。皮膜断面の組成分析の結果から, W値だけでなく, めっき皮膜の深さ方向におけるTiO2分布プロフィールが, その光触媒活性に大きな影響をおよぼすことを明らかにした。さらに, 最適組成における複合めっき皮膜中のZn-Ni金属相は, 優れた耐食性を有するγ相からなることを確認した。
  • 江角 邦男, 坂上 賢太郎, 鳥越 幹二郎
    2001 年 74 巻 9 号 p. 444-449
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    pH 5.2でアルミナ粒子へのポリアクリル酸 (PAA) とドデシル硫酸ナトリウム (SDS) の動的吸着挙動を吸着量ならびに分散安定性の時間変化から調べた。PAAとSDSの単独系からの吸着量は短時間で急激に増加し飽和に達した。一方, 単分子層吸着ならびに二層吸着に対応する2つの初期濃度を用いたSDSとPAAの同時吸着において, PAAの吸着量は短時間でいちじるしく増加してから減少し, 一定値に達し, またSDSの吸着量は単独の場合と同じ挙動を示した。さらに, アルミナ粒子の分散安定性もPAAならびにSDSの吸着時間に対して影響を受けた。アルミナ粒子へのPAAとSDSとの動的な吸着挙動の機構について議論した。
  • 坪田 実, 長沼 桂, 渡邊 幸人, 馬場 則弘
    2001 年 74 巻 9 号 p. 450-455
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    導電性塗料の性能向上に及ぼす顔料効果に知見を得る目的で, Ag粒子の表面改質効果を検討した。すなわち, 塗膜中で粒子同士の連結による緻密な網目構造を形成させることと顔料/ビヒクル間相互作用を高めることを目的として, 表面被覆率が一連に異なる安息香酸吸着Ag粒子を調製した。塗膜中で粒子の未処理部分が連結し, 表面処理部分でビヒクルポリマーとの親和性を向上させるという考えが妥当かどうかを検討したところ, 表面被覆率が50%程度で塗膜の電気伝導度およびゴム域における動的弾性率は極大を示し, 顔料補強効果も顕著であった。よって, 導電性塗料の性能向上に及ぼす表面改質の設計が効果的であったことを確認できた。
  • 武田 真一, 田里 伊佐雄
    2001 年 74 巻 9 号 p. 456-459
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    顔料分散プロセスにおける凝集粒子の解砕・分散挙動を評価する目的で粒度分布測定を試みた。採用した手法は最近開発された超音波減衰分光法で, この手法により有効なデータが得られるかどうかを調べた。その結果, 解砕時間ならびにpHにともなう粒度分布変化が検出され, また緩慢凝集過程における粒度分布の変化を検出できた。これらの結果から, 従来間接的にしか評価できなかった濃厚スラリー中の粒度分布を直接評価でき, 解砕, 分散安定化のそれぞれのプロセスでの粒度変化を別々に追跡できることが明らかとなった。
  • 冨田 理会, 浦野 哲, 古曵 重美
    2001 年 74 巻 9 号 p. 460-465
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    ケイ酸エステル(アルキルシリケート)は塗膜表面の親水化剤である。そのメカニズムはいまだに解明されていない。ケイ酸エステルは疎水性を有するため塗膜表面に移行後, 加水分解すると推定できるため, 移行性と加水分解性を個々に評価できればメカニズム解明に有用な情報となる。これまでケイ酸エステルの挙動はSi元素濃度でのみ評価されてきたが, この値は移行性と加水分解性の両方を因子として含んでおり, これらを分離することはできなかった。我々は, XPS測定により塗膜に非単色化Mg Kα線を照射すると, ケイ酸エステルのOR基だけが選択的に分解することを見いだした。この現象を利用して表面存在率と加水分解率を個々に求める手法を開発した。すなわち, 非単色化Mg Kα線照射によるC-O結合の減少量から加水分解率を, さらに照射後の元素構成比率から表面存在率を定量することができた。この手法を上市されている低汚染性塗料に適用した結果, 本パラメーターはいずれも塗膜表面の親水性を示す水接触角とよい相関を示した。
  • 冨田 理会, 浦野 哲, 古曵 重美
    2001 年 74 巻 9 号 p. 466-471
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    近年, 塗膜表面を親水化し付着した汚れを降雨により除去するように設計された低汚染性塗料が注目されている。親水化剤にはケイ酸エステル (アルキルシリケート) が用いられるが, 親水化機構が明らかでないため, 市販の材料のなかから試行錯誤により選択せざるを得ない。親水化機構が明らかになれば効率的にかつ科学的に高機能なケイ酸エステルが設計できる。そこで著者らは, さきに開発したXPSを用いたケイ酸エステルの塗膜表面存在率と加水分解率の定量方法およびTEM観察により親水化機構を解明した。その結果, ケイ酸エステルは塗膜表面に数十nmの濃縮層を形成し, 空気中の水分により徐じょに加水分解することがわかった。また, 表面移行性と加水分解性の両方を併せもつケイ酸エステルが, より高い機能を有することがわかった。検討の結果, 表面移行性には分子量を高める設計, 加水分解性にはアルコキシ基への-I効果置換基の導入が有効であることがわかり, より高い機能を有するケイ酸エステルを設計することができた。
  • 寺田 剛, 小林 敏勝
    2001 年 74 巻 9 号 p. 472-475
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    水性塗料での顔料分散において, 分散ペースト中に含有する共存有機溶剤の分散性に及ぼす影響について検討した。共存有機溶剤が顔料/分散用樹脂間の吸着安定化を阻害するとの考え方から, とくに, 水系における顔料分散の安定化の主要因である疎水性相互作用への影響に着目した。まず, 一般の水性塗料に使用されている有機溶剤は顔料の分散性を低下させることを見いだした。ここで, 共存有機溶剤の影響を示すと考えられるパラメーターとして, 有機溶剤共存下における [水/ヘキサン] 間の界面張力の値γhsw, を測定し, これと分散性との関係をしらべた。この結果, 対応するγhswの値が大きいほど, 分散安定性の低下度合いが大きくなることがわかった。さらに, 表面張力の大きい顔料ほど, この影響を受けやすいことがわかった。
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