暴露試験による塗膜の鏡面光沢の変化はロジスチック曲線によくしたがう。光沢の上限の値をA, 下限の値をB, 光沢 (y) の関数をf (y) =1n {(A-y) (y-B)} と仮定すると, f (y) を暴露期間に対してプロットすると直線になる。そのプロットの回帰線の決定係数は0.9以上にもなる。回帰方程式の係数を用いて推定した光沢と観測値は非常によく一致した。使用したデータは常乾ウレタン樹脂エナメルを銚子と宮古島で暴露したときの光沢のデータである。
暴露後の残留光沢値の高い少数の試料を除けばA=100, B=0という仮定でかなりよい (光沢の) 近似が得られた。
暴露地が異なるか, 暴露条件が異なったとき, 同じ光沢になるまでの暴露時間の比は, 光沢のレベルによって異なる。劣化速度の比は塗料の種類, 成分の相溶性あるいは親和性, 劣化した性質, 劣化の度合いによって異なるということに注意すべきである。ロジスチック曲線は対称性であるから, 前半をこまかく観察すれば後半を正確に推定することができる。
抄録全体を表示