従来のメイクアップ化粧品, とくにファンデーション類は, シミやソバカス等の欠点を隠蔽し, 素肌の上に素肌を理想的な色や質感とするための化粧膜を創出することを目的としている。本研究では, 紫外線などを含むさまざまなダメージを受けることにより変色した肌に関して, 分光反射率曲線による評価結果に基づいてダメージを受ける前の状態に近づける方法の開発を試みた。ダメージを受けることにより全体的な明度が低下し, 分光反射率曲線の波形が平坦になることを確認した。ダメージを受ける前の状態に近づけるため, 干渉光を有する133種類の顔料の分光反射率測定を行った。カルミン酸色素で染色した干渉性顔料が, 肌の全体的な明度を高めると同時に, 平坦になった分光反射率曲線に凹凸を与える効果があることを見出した。また, その有効性は, 一般女性消費者による製品使用調査で確認された。
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