いかなる印刷も版の品質が向上し,その後インク,ペーストの印刷性能が向上し技術が進歩してきた。スクリーン印刷の版の品質は,スクリーンメッシュにより決定される。
50年以上前からエレクトロニクス分野で使用されてきたステンレスメッシュは,より線径が細くより高メッシュ,そしてより強度が高くなることでスクリーン版の品質を向上させてきた。
従来の3倍の強度を有するステンレス線材を40%という開口率で稠密に製網し,高いテンションで紗張りすることでファインライン印刷に適した「無変形スクリーン版」が実現した。「無変形スクリーン版」は,これまでのスクリーン印刷の課題であった「版離れ」と版伸びの問題を解決できた。
今後,「無変形スクリーン版」に対応した高粘弾性ペーストが数多く開発されることで,高品質なスクリーン印刷を誰でもがエレクトロニクス分野の汎用プロセスとして利用できる環境が整ってくると期待される。
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