昭和医学会雑誌
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40 巻, 4 号
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  • 吉田 英機, 斉藤 豊彦
    1980 年 40 巻 4 号 p. 401-405
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 山本 龍二
    1980 年 40 巻 4 号 p. 407-413
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 博紀
    1980 年 40 巻 4 号 p. 415-422
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年臓器中のMonoamine Oxidase (MAO) の複数性については数多くの報告がある.性質の異なったこれらMAOの生体内分布は一様ではなく種々臓器によりそれらの含有率も相違しているといわれており, またそれぞれの臓器においてそれぞれ特有の生理機能を持っているとも考えられている.今回, 小腸中に含まれるMAOについてその基本的性質を検討した.実験材料としては犬の小腸を0.25M sucroseを含むpH7.4, 10mM phosphate bufferで1: 4のhomogenateとし, これを酵素材料とした.MAO活性はワールブルグ検圧計を用い60分間または180分間における反応中の酸素消費量をもって測定した.
    空腸および回腸中に含まれるMAO活性の基質特異性を検討したところ, このMAOはtyramine, serotonin (5-HT) を強く酸化したがbenzylamine, β-phenylethylamine (PEA) はほとんど酸化しなかった.一方十二指腸中のMAO活性は動物の個体差により異なり一定した基質特異性は得られなかつた.さらに胃における基質特異性を検討したが, 十二指腸の場合と異なり個体差は認められず空腸, 回腸と同様にtyramine, 5-HTを強く酸化した.さらに空腸MAOに対する各種阻害剤の影響を検討した.Tyramine, 5-HT, PEAの3種の基質を用いてそれぞれのMAO活性に対するcatron, KCN, clorgyline, harmine, depreny1, pargylineなどの影響を検討した.3mM KCNは3基質に対しほとんど影響を示さなかった.これに対し10μMのcatronは強い阻害作用を示した.従って腸管MAOは血清MAOと異なりいわゆる臓器MAOの部類に属するものと思われる.Type A MAOの特異的阻害剤であるclorgylineは5-HTを基質にして使用した時もっとも強い阻害を示し, その際のpI50は0.04μMであった.PEAの場合には最も弱く, tyramineの場合は前2者の中間であり, その阻害曲線はシングルシゲモイド型でpI50は0.5μMであった.Harlnineの場合においても基質として5-HTを使用した時最も強い阻害作用を示し, その際のpI50は0.3μMであった.PEAの場合はもっとも弱く, tyramineの場合は中間の阻害作用が認められpI50は1μMであった.次にtype B MAOの特異的阻害剤であるdeprenyl, pargylineを使用して同様の実験を行った.その結果いずれの基質を用いた場合でもpIカーブはほぼ同様で, その阻害作用はclorgylineおよびharmineのそれと比較すると弱く1mMのdeprenylを使用してもMAO活性は基質5-HT, tyramine, PEAではそれぞれ45%, 50%, 20%阻害されたに過ぎなかった.100μMのpargylineを使用した場合においても基質5-HT, tyramineではそれぞれ90%, 80%阻害されたのに対し, PEAを基質とした時は35%しか阻害されなかった.次に犬腸管MAOに対する酸素濃度の影響を5%から10096まで変化させ, 各酸素濃度におけるMAO活性値を比較検討した.いずれの基質を用いた場合でも酸素濃度20%まで急激な活性の増加を認めたが20%から100%の濃度範囲では活性増加は緩慢で3基質問には全く差が認められなかった.
    以上の結果から犬腸管中にはtype A MAOが優位に存在することが示唆された.
  • 長谷川 洋, 友安 茂
    1980 年 40 巻 4 号 p. 423-432
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Ceruloplasmin (以下CP) は, 鉄代謝に関与しており, また, CPの生合成は, 鉄, 銅, 各種ホルモン等により調節されていることが推定される.これらの関係を, 鉄欠乏ラット, 銅欠乏ラットを用いて検討した.銅欠乏飼料にてラットを養ない血清CP値が著減すると, 十二指腸, 脾臓等に鉄が沈着し血清鉄値も低下した.この場合銅を投与すると肝臓におけるCP合成が高まり血清CP値の上昇とともに十二指腸粘膜より血漿への鉄の移行が促進され血清鉄値も正常化した.鉄欠乏飼料で養ったラットは, 銅代謝異常をきたし, 肝臓におけるapo-CPの合成は増加したがCP合成が旨く行なわれず鉄投与によりCPの合成が促進され鉄代謝の正常化がみられた.また, estrogen, testosteroneは正常ラット肝臓におけるCP合成を促進したが, 鉄欠乏および銅欠乏ラットでは合成に対し影響を与えなかった.CP自体の投与はラット肝臓におけるapo-CP合成を抑制した.以上のことより, CPと鉄代謝との問には密接な関係があることが推論された.
  • 高尾 健
    1980 年 40 巻 4 号 p. 433-447
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    笑気麻酔下の器械的換気雑種成犬に大腸菌由来エンドトキシン3mg/kgを静注し, トロンボェラストグラム (T.E.G) を中心とした血液凝固能や循環動態の変化を経時的に検索し, 更に, ステロイドの前処置や後処置, 輸液が及ぼす影響について比較検討した.
    T.E.G上ではいずれの群に於てもエンドトキシン投与後には反応時間及び凝固速度の延長, 最大振幅の縮小が著明であり, 血液が全く非凝固性状態に陥っている時期さえ認められた.またステロイド前処置群では他の群より凝固障害の改善が早く出現し, しかも血液凝固までの時間延長が他の群に比べて非常に軽度に止まった.心拍出量, 平均動脈圧, 及び中心静脈圧はエンドトキシンにより減少低下し, これらを増加上昇せしめる為には, 低分子デキストラン液の輸液が最も有効であり, 次いでメチルプレドニゾロン前処置であった.しかしpHaの低下度も考慮に入れると, 後者の方が望ましいように思われた.
  • 加々美 建一
    1980 年 40 巻 4 号 p. 449-459
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    ペントバルビタール麻酔犬33頭を用い, ATP, trimetaphan (TM) , およびsodium nitroprusside (SNP) を点滴静注し, 投与前, 投与中, 投与中止後の肺機能の変化について比較検討し, 以下の結果を得た.ATPでは, 投与中, 平均肺動脈圧は軽度に低下し, 心拍出量が増加した.又, 生理的死腔率, および肺シャント率には有意の変化を来さず, Pao2, およびPvo2は上昇した.TMでは, 投与中, 平均肺動脈圧, 心拍出量がともに減少し, 肺シャント率や生理的死腔率が増加した.又, Pao2の低下とPaco2の上昇がみられた.SNPでは, 投与中, 心拍出量増加はATPと同程度であるが, 平均肺動脈圧の下降が強く, 特に投与中止後に顕著であり, この時点で生理的死腔率が増加した.又, Pvo2, Pao2は上昇し, 肺シャント率は不変であった.
  • 持丸 賢二
    1980 年 40 巻 4 号 p. 461-469
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    犬にエンドトキシン3mg/kgを投与してエンドトキシンショックを誘発し, 血小板機能, 血小板数, 心拍出量などの変化について検索し, 更にmethylprednisolone 30mg/kgの前処置や後処置, 低分子量dextran液や乳酸加リンゲル液20ml/kgの輸液, あるいはアスピリンリジン塩50mg/kgの後処置が及ぼす影響について追求し, 以下の結果を得た.1) エンドトキシン投与後3分には, 血小板数の減少に起因すると思われる血小板凝集能の低下が認められたが, それ以後には反対に血小板凝集能は亢進し, この亢進はアスピリンリジン塩の後処置によって軽度に, methylpredn-isoloneの前処置によって僅かに抑制された.2) エンドトキシン投与後3分に認められた血小板数の減少は肺における捕捉のためといわれているが, 肺でのガス交換能の障害は認められなかった.3) 循環面の改善上, 検討した治療法はすべて有効ではあるが, 特に低分子量dextran輸液の効果が優れていた.
  • 武田 昭平
    1980 年 40 巻 4 号 p. 471-481
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    一定換気量で調節呼吸を行い, ペントバルビタール麻酔犬に, 大腸菌エンドトキシン3mg/kgを静注した場合, 肺胞気-動脈血酸素分圧較差, 動脈血-肺胞気窒素分圧較差, およびclosing volumeが増加し, 動脈血酸素分圧は低下するが, これらの変化はすべて低分子量デキストラン20ml/kg輸液による後処置を行なうことによりよく抑制されるのに対し, アスピリンリジン塩後処置の効果はデキストランに比して劣り, 更にデキストランには機能的残気量も増加させる効果もあった.他方, エンドトキシンによる心拍出量, 中心静脈圧, 平均動脈圧, 動脈血pHおよびbase excessの減少低下に対してはアスピリンリジン塩後処置, 低分子量デキストラン後処置共に有効であった.以上によりエンドトキシンによる循環系の変化はアスピリンリジン塩, 低分子量デキストラン共に有効に作用するのに対し, 肺機能の変化に対しては低分子量デキストランの方がより有効であると結論された.
  • 桜山 拓雄
    1980 年 40 巻 4 号 p. 483-492
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    エンドトキシンショックによって発生する生体の変化については色々研究されているが, 血液粘度の変化についての研究は数少ない.本論文は, 一定換気量で調節呼吸を行っているペントバルビタール麻酔科の犬に大腸菌エンドトキシン3mg/kgを静注した場合, 低分子デキストラン液20m1/kgを輪液した群においては, 無処置の対照群, 乳酸加リンゲル液20ml/kg輪液群, メチルプレドニゾロン30mg/kg前処置群およびメチルプレドニゾロン30mg/kg後処置群とは全く異なり, エンドトキシンを投与しても血液粘度は上昇せず, むしろエンドトキシン投与前置に比し低下することさえあることを示したものである.しかし, 低分子デキストラン液輸液群ではショックの進行に伴うヘマトクリット上昇の抑制の程度はメチルプレドニゾロン前処置群に比しかなり劣っており, ヘマトクリットと血液粘度との間には正の相関関係が認められないことも明らかにしている.
  • 千坂 正毅
    1980 年 40 巻 4 号 p. 493-500
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ペントバルビタール麻酔犬に於いて, 脱血と同時にゲラチン修飾液を輸液し, 平均動脈圧を一定に保った.心搏出量, 動脈血pH血中乳酸, 焦性葡萄酸, およびL/P比, base excess, ならびに死亡率からみて, ヘマトクリット値25%までの血液希釈は生体にとって安全であるが, ヘマトクリット値10%の高度希釈は, 有害に作用し, 危険であることを示した.またヘマトクリット値20%前後の血液希釈を1時間維持した後, 還血した場合, 循環動態は正常化されるが, 血清総蛋白量, ヘモグロビン量, ヘマトクリット値, 血中乳酸値base excessなどの回復は十分でないことを認め, 還血だけでは十分ではなく, 赤血球, アルブミンなどの成分輸血の併用の必要性を示唆している.
  • 鈴木 宗司, 木村 賀津子, 小松 信彦
    1980 年 40 巻 4 号 p. 501-506
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    好中球遊走能試験 (Boyden法) とNBT還元能試験を用いて, 好中球の食作用におよぼすSchizophyllan (SPG) の影響について調べた.
    正常マウスの好中球の遊走能試験で, SPGの濃度が10μg/mlの場合に最も強い遊走能促進効果が見られた.1または10mg/kg量のSPGを筋注したマウスの白血球の遊走能を調べた場合は, 注射16時間後から30日間以上にわたって遊走能の亢進が認められた.
    NBT還元能試験では, SPG10μg/mlの濃度で最高の促進効果が得られた.次に1または10mg/kg量のSPGを筋注したマウスの白血球について検討したところ, 注射1時間後から還元能が上昇しはじめ, 10日後に最高に達し, 20日後には正常に復した.
    したがってSPGはin vitroでもin vivoでも好中球の走化性とNBT還元能を刺激する.
  • 加々美 建一, 世良田 和幸, 渋谷 正直, 八代 亮, 松崎 史朗, 増田 豊, 目時 隆
    1980 年 40 巻 4 号 p. 507-510
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    耳鳴, 耳閉感は, 突発難聴の随伴症状として聴力とともに治療上の大きな問題と思われる.今回, われわれは, 耳鳴, 耳閉感に対するSGB治療の効果をアンケート調査により検討したので, その結果を報告する.対象は, 年齢11~76歳の男22例, 女18例, 計40例である.初診時, 耳鳴, 耳閉感を訴える症例は非常に多い.SGB治療後, 耳鳴については, 新鮮例では消失, 軽快を合わせると77%ときわめてよい成績であり, 陳旧例でも54%に改善がみられた.一方, 耳閉感も同様によい結果であった.突発難聴の際の耳鳴, 耳閉感に対しSGB治療は有効と考えられる.
  • 武田 重三, 松崎 浩, 石井 千勝, 山岡 成章, 田島 政人, 橋本 英昭, 斉田 豊彦
    1980 年 40 巻 4 号 p. 511-516
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    分娩を先行妊娠とする絨毛癌の頻度は7.3~37.1%で欧米においてやや高い.奇胎の管理が徹底し, 奇胎からの悪性化が減少傾向にあるのに比べ, 分娩あるいは流産後の絨毛癌続発は管理が困難で増加傾向にある.分娩後の発生は1) 遺残胎盤絨毛から続発, 2) 満期に近い正常胎盤に原発性に絨毛癌が発生していた, が考えられる.その発見は今のところ分娩時胎盤の検索, 産後の異常出血に注意する以外ない.今回比較的早期に発見した非転移性の分娩後の絨毛癌2例を経験, 術前にMTX, ACTD併用の化学療法を行ない子宮剔除した.現在術後1年3カ月と10カ月であるが2例とも異常ない.この機会に分娩を先行妊娠とする絨毛癌について文献的考察を加え私見を述べた.
  • 九島 巳樹, 塩川 章, 篠原 文雄, 岡田 拓郎, 杉山 喜彦, 田代 浩二, 幕内 精一, 篠原 文雄, 河村 正敏, 九島 巳樹, 塩 ...
    1980 年 40 巻 4 号 p. 517-524
    発行日: 1980/08/28
    公開日: 2010/09/09
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