昭和医学会雑誌
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56 巻 , 1 号
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  • 菱田 豊彦
    1996 年 56 巻 1 号 p. 1-31
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    学生以外の方も沢山お集りですが, 最終講義ですので学生さんを対象として行いたいと思います.いつも講義のプリントを作っておりましたので, 今日も作ることにしました.私の考えていたことを総まとめとして書いたつもりです.相当長くなり31頁になりましたが, 保存してお読みいただければ幸いです.
    1961年に昭和医大に勤務して以来, 34年間放射線医学の講義をさせてもらいました.はじめの頃は, 放射線は有用であるが生体に対しては危険だという話をしました.だんだん時代が進むにつれて放射線は少量の場合は有害ではないことがわかり, それを強調した講義を行ってきました.今日の結論もそのようになっております.「放射線を好きになって下さい」ということです.1989年に青森放送で行った「みんなで考えよう, 放射線」のビデオがありますので, 5分間だけ見ていただくことにします.
    宇宙の初めは放射線であった, というところから話を進めます.宇宙の中で銀河ができ, 太陽が作られ, 地球が誕生します.すべて放射線が関係しています.40億年前に生命が生まれ, 進化して400万年前に人類が出現してきました.その間, 放射線と生物がどのようにかかわったかを見ていきます.1895年, 今からちょうど100年前に人工的放射線が発見され, それによって, はかり知れない利益を得てきました.害も受けてきました.まず放射線の生物学的影響につて, 次いで放射線の診断的利用, さらに放射線による癌の治療の話を歴史的に鳥観していきたいと思います.
  • 川内 章裕
    1996 年 56 巻 1 号 p. 32-45
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 後藤 昇, 山田 庄司
    1996 年 56 巻 1 号 p. 46-50
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 中野 憲一
    1996 年 56 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    唇顎口蓋裂患者における鼻腔抵抗の増大や鼻閉感が高頻度に認められる要因の一つとして鼻中隔彎曲に代表される鼻腔内形態の異常が考えられている.しかし鼻腔内形態について詳細に調査した報告は少なく, 鼻腔容積に関しては正常人を対象とした報告は見受けられるものの, 唇顎口蓋裂患者を対象とした報告は見当たらなかった.今回, 生後3カ月~4カ月の唇顎口蓋裂患者11名を研究対象とし, MRIを用いて鼻腔領域の撮影を行い, 健側と裂側の鼻腔容積を求め, 初回口唇裂手術の術前と術後におけるそれぞれの鼻腔容積の変化について調査, 検討を加えた.使用したMRIは, シーメンス (Siemens) 社製マグネトームインパクト (MAGNETOM IMPACT) で, スライス幅は, 4mmから5mmのギャップレスとし, 断層面は水平断面を撮影した.研究上の便宜のため片側鼻腔としては, 前方は梨状口まで, 後方は後鼻孔まで, 外側は上・中・下鼻道, 総鼻道, 鼻咽道を含み, 前頭洞・上顎洞などの開口部まで, 内側は鼻中隔まで, 上方は篩骨篩板まで, 下方は口蓋の上面までとした.水平断面の基準線としては, 正中矢状断面像で鼻根部最陥凹点と橋延髄移行部を結んだ線を選んだ.鼻腔容積の算出法は, 水平断面の断面積を画像解析ソフトにて測定し, スライス幅を掛けて板状の体積を求め, これらを積み重ねて鼻腔容積とした.術前の状態では裂側に比べて健側の鼻腔容積が大であったが, 術後の状態では健側と裂側の鼻腔容積に有意な差は認められなかった.
  • 武藤 芳樹, 村上 香, 島村 忠勝
    1996 年 56 巻 1 号 p. 57-64
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    インスリン依存型糖尿病 (IDDM) は, 自己反応性T細胞による膵β細胞の破壊によって発症する疾患であり, その発症前後の血中自己抗体の出現および遺伝子異常が注目されている.我々は, IDDMのモデル動物であるNOD (non-obese diabetic) マウスにおいて, 膵由来α-アミラーゼ自己抗体量の上昇に伴ない糖尿病発症が起こること, 糖尿病発症群のα-アミラーゼ自己抗体量は未発症群に比べ有意に高値を示すことを報告した.そこで, NODマウスの実験成積に基づいて, IDDM患者におけるα-アミラーゼ自己抗体の臨床的意義について検討するため, 血中のa-アミラーゼ自己抗体の検索を行った.IDDM患者28名健常者218名において, ELISA法を用いα-アミラーゼ自己抗体量 (IgG) を測定した.その結果, IDDM患者のα-アミラーゼ自己抗体量は健常者に比べて有意に高値を示した.また, IDDM患者を発症年齢20歳未満群と20歳以上群に分け, 健常者と比較したところ有意差が認められた.以上, IDDM患者の血中にはα-アミラーゼ自己抗体が存在し, 糖尿病との関係が示唆された.
  • 佐藤 哲夫
    1996 年 56 巻 1 号 p. 65-76
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    大腿骨頚部内側骨折60例60関節に大腿内側回旋動脈の選択的動脈造影を術前, 術後に行い, 骨頭栄養動脈の障害を明らかとし, 受傷時の骨頭内虚血とそれに対する骨接合術後の修復血行の進入様式について脈管学的に検討を行った.術前の動脈造影を行った症例は22関節あり, このうち20関節 (91%) にSRAの途絶像が観察され, 大腿骨頚部内側骨折では, 骨頭栄養動脈の障害が高率に発生していることが明らかとなった.また, その障害部位は骨折部8関節, SRA起始部8関節, Posterior Column Artery 1関節, 大腿内側回旋動脈の起始部3関節であり, 血行途絶部は骨折部のみならず, 骨外部でも高頻度に生じているのが明らかとなった.また, 転位のないstage Iの症例にも大腿内側回旋動脈起始部での途絶像が観察されており, その障害はより血管中枢まで波及していた.血行障害部位とGraden分類のstageとの問, すなわち, 血行障害の程度と転位の度合いとの間には, 明らかな関連はなく, 転位のない症例にも骨頭栄養動脈の障害が高率におこっていることを示した.経過を追って術前後に動脈造影を施行した18関節のうち, 術前造影でSRAの途絶像が観察された16関節の術後造影像では, Garden分類stage I, IIの5関節中3関節に正常化したSRAを, 2関節に骨頭内の小血管像を認め, 全例に修復血行が確認された.また, stage III, IVの11関節中6関節 (55%) でも修復血行が観察された.術前造影で骨頭栄養動脈の破綻を認めても, 転位の少ない症例では高率に, 転位を伴う症例でも過半数で, 術後修復血行がみられた.これより, 骨頭栄養動脈の障害がより血管中枢にまで波及していても, 修復血行の進入がおこることを示唆するものと考えられた.術後造影が施行された56関節では, stage I, IIの20関節のうち18関節 (90%) に修復血行の進入が観察され, 残り2関節で骨頭内のSRA像を認めなかった.一方, stage III, IVの36関節では, 22関節に骨頭内に進入する修復血行が観察されたが, 14関節 (36%) で骨頭内のSRAを認めておらず, 本研究対象60症例中, その後の経過においてLate Segmental Collapseの発症を認めた5関節はいずれもこの14関節に含まれていた.このことにより, 転位を伴う症例では, 転位の少ない症例に比べ, 骨頭栄養動脈の再開がおこりがたく, 術後の修復血行の進入障害が壊死発症に関与しているものと推測された.
  • 佐藤 俊介
    1996 年 56 巻 1 号 p. 77-86
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    金属骨頭にくらべ, 低摩耗・低摩擦という特性を有するセラミックスの人工関節への臨床応用において, その評価はまだ確立されていない.今回セラミック骨頭対高密度ポリエチレンソケット (以下セラミック型) 人工股関節を含む人工股関節再置換例54例55関節の周囲組織 (再生関節包, セメント・骨間組織, コンポーネント・骨間組織) に対し, 組織学的検討を加え, 臨床的評価を行うとともに, ゆるみ (100sening) 発生の要因をさぐってみた.全例に再生関節包およびセメント・骨間またはコンポーネント・骨間膜様組織を認めた・膜様組織は10μm~10mmまでさまざまであった.Loosening例を再置換までの期間が2年以内の早期のゆるみ (early loosening) 群と4年以上の遅発性のゆるみ (1ateloosening) 群に分けると, early loosening群においてセラミック型, 金属骨頭対高密度ポリエチレンソケット (以下金属型) ともに周囲組織の反応はきわめて穏やかで, 壊死領域も認められず両者間に著明な差はなかった.したがって, early looseningの発生要因としては, 骨髄内のremodeling遅延と機械的要因の関係, 生体材料に対するアレルギー反応などの存在が十分考慮された.Late loosening群において, セラミック型の周囲組織は, 金属型に比べ, 進行した100seningにおいても組織内に存在する高密度ポリエチレン (HDP) 摩耗粉は非常に少なく, 壊死化傾向も軽微であった.HDP摩耗粉を多数認める組織の変性度はきわめて高く, 組織反応の重篤性はその量と最も密接な関係があった.今回の検索で, 同じセメント使用の金属型に対し, セラミック型の場合HDP摩耗粉の少なさ, 組織反応の穏やかさが明らかとなり, 従来シミュレーターの実験や動物実験でのみ報告されてきたセラミック対HDPの組合せの低摩耗性について, 人体内でもほぼ同様の結果が得られることが示された.
  • 東郷 泰久
    1996 年 56 巻 1 号 p. 87-97
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    人工股関節置換術における大腿骨骨幹部のリーミングおよびステム挿入により引き起こされる大腿骨骨幹部の血行障害と修復血行の状態を研究するために, 成熟家兎の大腿骨骨幹部にリーミングおよびステンレス鋼線の挿入を行い, その血行の変化をmicroangiographyを用いて観察した.更に髄内血行の障害が, 鋼線周囲の骨組織に及ぼす影響を検討するために, 経時的に病理組織を作成し観察を行った.また, 髄腔占拠率の違いが血行障害と修復血行の進入過程に及ぼす影響を検討する目的で, 各症例の大腿骨骨幹部の峡部で髄腔占拠率を計測し, 髄腔占拠率低値群 (以下A群) , 高値群 (以下B群) の2群に分類し, 両群を比較観察した.
    大腿骨骨幹部に対するリーミングおよび鋼線挿入により大腿骨骨幹部の栄養血管は損傷され, 鋼線周囲の骨髄および皮質骨に壊死域が観察された.その後, 修復反応として鋼線周囲に貫通動脈進入部および末梢からの新生血管が進入した.A群では術後6週において, 鋼線全体を覆うように修復血管がネットワークを形成していたが, B群ではネットワーク形成には16週を要しており, A群に比べ修復血行の進入に長期間を要した.病理組織学的には, 骨髄組織は8週でほぼ正常な状態に修復されたが, 皮質骨では32週においても依然壊死域が残存していた.このことにより, リーミングおよびステム挿入によって引き起こされる組織障害の修復には, 長期間を要することが示唆された.
  • 原口 彰
    1996 年 56 巻 1 号 p. 98-104
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    両側唇顎口蓋裂患者では, 中間顎部分の口腔前庭がきわめて浅く, 口腔前庭を拡大する処置を要する場合が多い.この方法として, 前庭部を切開し, 生じた創面上に頬粘膜または皮膚を移植するなどの手術が行われているが, より簡便な方法として, 生じた創面はそのまま開放創として自然の上皮化を待つという方法がある.この方法は手術法が簡便である反面, 再癒合や新生上皮の収縮による後戻りなど成績が安定していない.そこでこの簡便な方法で, より安定した成績をだせるよう実験を試みた.ラットの前歯のすぐ側方部で横2cm, 縦1cmの露出面を作成した.実験I. (1) 切開のみ, (2) 粘膜断端を上顎骨膜に縫合固定, (3) 露出面に滅菌凍結乾燥豚真皮を縫合固定, (4) シリコンゲルシートを縫合固定, (5) テルダーミス真皮欠損用グラフトを縫合固定, の5種類で1週後, 2週後, 3週後の固定状態を観察した.その結果, (4) と (5) で良好な上皮化があり, 上顎骨上方の固定と表面の被覆が重要と考え, さらに次の実験を追加した.実験II. (1) 実験Iの (4) と同様の操作を行い, 上顎のもっとも深部にあたる部分の縫合糸を, 頬部を通し, つりあげ固定した. (2) 実験IIの (1) と同様の操作を行った後, ガーゼを挿入して, シリコンゲルシートで包み込んだ.この結果は, (1) , (2) とも3週後まで固定されており, 新生上皮化した創面の縦の長さは, (1) が, 5.4±0.49 (Mean±SD) mm, (2) が, 6.6±0.49mmであった.このことから実験IIの (2) の方法がより確実な方法であり, 上方へ引き上げる力と被覆物の圧迫固定が重要な要因であると考えられた.つぎに新生上皮の収縮による上皮化創面の縮小について調べた.実験III.実験IIの (2) の方法で処置したものを4・7・10日目, 2・3週目, 1・2カ月目に固定をはずし, その後の経過を観察した.この結果は3週間以上経過したものは, ある程度, 縮小するが, 一定以上の縮小はしない.また固定期間は長いほうが安定するということができた.結論: 自然の上皮化を利用した口腔前庭拡大術の成績を安定させるために, 以下の条件が重要である.1.上皮化するまでの間, 癒合をおこさせないように, 強度の保てる介在物が必要である.2.上皮化するまでの間, 創面が縮小しないように, 上方への固定と介在物の硬さが必要である.3.使用する介在物は上皮化を妨げないものである必要がある.4.新生上皮化面の縮小を少なくするために, 新生上皮が成熟するまで, 最低でも3週間以上の固定が必要である.この結果を反映させれば, 安定した臨床成績を得られると考えられる.
  • 毛利 祐三, 小堀 正雄, 根岸 秀, 細山田 明義
    1996 年 56 巻 1 号 p. 105-111
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    全身麻酔下の雑種成犬15頭に, サリンヘス (R) を用いた等量血液希釈を行い, ドパミン (DOA) 群およびドブタミン (DOB) 群の2群に分け, それぞれ5μg/kg/min (S5) , 10μg/kg/min (S10) 投与したときの, 循環呼吸動態および臓器血流の変化を検討した.臓器血流の測定は水素ガスクリァランス法を用い, 測定部位は腎臓皮質 (RCBF) , 腎臓髄質 (RMBF) , 肝臓 (LBF) とし各臓器血流分布率 (%RCBF, %RMBF, %LBF) も求めた.等量血液希釈により, 両群とも左室内圧最大変化率 (LVdp/dtmax) 上昇, 心係数増加, 体血管抵抗低下を認め, 通常認められる血液希釈の代償作用を示した.臓器血流は, 血液希釈によりRMBF, LBFで有意な上昇を認めたが, RCBFでは有意な変化は無く, %RCBFの有意な低下を認めた.次に血液希釈状態下, DOA, DOBの効果を検討した.DOA群はS5, S10でLVdp/dtmaxが有意に上昇し, DOB群はS5, S10で心拍数, LVdp/dtmaxの有意な上昇を認めた.血液希釈状態で心拍出量を維持するため, 両薬物が, 心収縮力の増強に有利に働くと思われた.腎臓血流では, DOA群はRMBFがS5で有意に増加し, %RMBFで増加傾向を認めた.DOB群はRCBF, RMBFとも変化がなかったが, %RCBFで有意な低下を示した, 肝臓では, 両群とも血流の増加は認められず, 分布率は低下傾向を示した, 以上の結果より, 血液希釈状態でのDOAは, RMBFの増加を来すが, 腎臓内血流分布の改善には有効でなく, DOBでは, 心拍出量増加を示すものの, それに伴う腎臓肝臓血流増加は認められないことが示唆された.
  • 成田 和広, 鈴木 和雄, 李 雨元, 相田 貞継, 普光江 嘉広, 村上 雅彦, 草野 満夫
    1996 年 56 巻 1 号 p. 112-115
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は68歳, 男性, 上腹部痛による急性腹症にて入院.上部消化管内視鏡検査にて, 胃体部から前庭部に浅いびらんが多発しており, 急性胃粘膜病変と診断された.絶飲食のもと, ファモチジン20mgを12時間毎に投与開始したところ, 翌日より幻覚, 見当識障害, 夜間徘徊等の異常行動出現した.精神障害症状が持続するため4日目にファモチジンを中止したところ, 24時間以内に速やかに同症状が消失した, H2受容体拮抗剤の副作用に, 可逆性の錯乱状態があるが報告例は少ない.本剤の使用頻度は増加傾向にあり, 日常容易に処方され, その副作用は忘れがちである.状況によっては本例のような副作用の出現もあり, 注意深い使用が必要と思われた.
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