昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
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57 巻, 4 号
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  • 野村 恭也
    1997 年 57 巻 4 号 p. 315-323
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 温, 栗原 稔, 松川 正明
    1997 年 57 巻 4 号 p. 324-340
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 笠原 敏男, 門脇 昭一, 冨士 幸蔵, 斉藤 豊彦, 吉田 英機
    1997 年 57 巻 4 号 p. 341-348
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症における排尿障害は, 静的機構である解剖学的閉塞機構, 前立腺自体の収縮による動的機構, および排尿筋の変化により生じるといわれている.前立腺肥大症における前立腺体積の増大は, 静的機構として排尿障害の一因と考えられるが排尿状態とは必ずしも相関しないという報告もみられる.一方, 肥大症前立腺の組織学的特徴は間質成分の増加であるが, 症例により間質の占める割合は様々であり, その違いが排尿状態に影響を及ぼしている可能性も考えられる.そこで今回我々は, morphometryにより得られた組織成分比率を前立腺体積に加味し, 尿流量測定により得られた各種パラメーターを用い排尿状態との関係について検討した.前立腺体積, 間質体積はいずれも排尿状態とは相関関係は認められなかった.前立腺体積が50cm3未満の比較的小さい前立腺群では, その間質成分volume density (vol.%) の平均により2群に分けてみても排尿状態には差がなかったが, 前立腺体積が50cm3以上の比較的大きい前立腺群ではその間質成分vol.%の平均により2群に分けたところ, 間質成分vol.%の多い方が最大尿流率, 平均加尿流率が有意に低値であった.すなわち, 体積の大きな前立腺では間質増生が著明なものの方が排尿障害が強いという結果が得られた.また, 前立腺平滑筋の収縮は主にα1アドレナリン作用によりなされ, その受容体は主に間質に存在し, 間質の増生によりα1アドレナリン受容体も増加して前立腺の収縮が強くなるとされている.以上のことから, 前立腺体積の大きいものほど間質成分の割合の差が間質体積に影響を与え, 静的機構のみならず動的機構にまで反映している可能性が示唆された.
  • 島田 和幸, 柴田 昌和, 田中 淳司, 瀬戸山 諒, 鈴木 雅隆, 伊藤 純治
    1997 年 57 巻 4 号 p. 349-353
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    平成6年度昭和大学医学部解剖実習で60歳男性 (肝癌で死亡) に大動脈弓最終枝としての右鎖骨下動脈と, 右椎骨動脈が右総頚動脈から分かれている起始破格を同時にともなった破格例に遭遇した.本例はAdachi-Williams-中川のG型に, またHolzapfelの第4図にそれぞれ相当し, 竹村らの分類のG'型である.昭和大学医学部解剖実習体での本型の出現頻度は489例中1体 (0.2%) であり, 右鎖骨下動脈を大動脈弓最終枝とし, 椎骨動脈の起始異常を伴った例は, 本邦で6例目に相当し, 竹村らの分類によるG'型では5例目である.
  • 深貝 隆志, 内藤 善文, 丸山 邦夫, 北村 朋之, 石原 理裕, 吉田 英機
    1997 年 57 巻 4 号 p. 354-359
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    肺転移を有する進行腎癌に対するインターフェロン-α (以後IFN) の有効性を検討するため, 都立広尾病院における腎癌の治療成績について検討を行った.対象は1982年1月より1995年12月までの14年間に都立広尾病院泌尿器科で治療した腎癌患者74例中, 診断時に肺転移の存在した12例と経過観察中に肺転移をきたした10例, 計22例を対象とした.これらの患者のうちIFN使用例についてその治療効果を検討し, さらに未使用例と比較し生存期間に対する有効性についても検討した.この結果, 診断時に肺転移が存在しIFNを使用した6例の治療効果判定は全例がPDであった.生存期間の比較ではIFN使用例は平均25.8週, 未使用例は平均14.7週と使用例の方が長い傾向が見られ, 生存曲線でもIFN使用例の方が良好な傾向が見られた.また経過観察中に肺転移をきたしIFNを使用した6例の治療効果判定はPR1例, NC3例, PD2例であった.未使用例4例と生存期間を比較した場合, IFN使用例の再発後平均生存期間は139週, 未使用例は64週と使用例の方が長い傾向が見られた.生存曲線でもIFN使用例のほうが有意に高い生存率が得られた.この結果, IFNを使用した全12例の奏功率はPR1例 (8%) と不良の結果であったが, 生存率, 生存期間は未使用例と比較して良好な傾向が見られ, NC症例でも延命効果が得られている可能性が考えられた.
  • 谷 雅秀, 後藤 善昭, 後藤 善和, 稲垣 昌博, 木内 祐二, 小口 勝司
    1997 年 57 巻 4 号 p. 360-365
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    透析患者の脂質代謝異常を改善することは, 長期予後のうえで重要である.そこで我々は, 高コレステロール血症併発慢性透析患者20名に, HMG-CoA還元酵素阻害薬であるプラバスタチン (メバロチン) 低用量 (5mg/day) の3カ月投与による血清総コレステロール (TC) などの脂質代謝改善作用について検討を行った.これらの患者のうち3名には3カ月目よりプラバスタチン10mg/dayを投与したが, トランスアミナーゼ上昇のために1名の患者の投与を中止した.TCは投与1カ月後より持続して22~24%低下し, 同様にApo Bの減少も認めた.低比重リボ蛋白 (LDL) と超低比重リボ蛋白 (VLDL) の減少傾向を認めた.血清トリグリセリドも1カ月後より有意に減少した.これらの結果は, 非腎障害者での結果とほぼ一致していた.血中のプラバスタチンとその代謝物濃度測定より, 3カ月間の低用量適用では蓄積は認められないことが示された.以上より, 高コレステロール血症併発慢性透析患者におけるプラバスタチン低用量投与は, 臨床的に有用と思われた.
  • 樋口 敬和, 大庭 礼美, 北詰 浩一, 藤原 光, 高橋 直樹, 多田 淳一, 原田 浩史, 森 啓, 新倉 春男, 小峰 光博, 岡田 ...
    1997 年 57 巻 4 号 p. 366-372
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    低悪性度非Hodgkinリンパ腫自験43例 (follicular medium28例, follicular mixed5例, diffuse small 10例) についてretrospectiveに検討した。初回治療は, 経過観察1例, 切除3例, 切除後化学療法2例, 放射線療法4例, 放射線療法と化学療法併用3例, 化学療法30例で, 切除群, 放射線療法群は全例CRに, 化学療法群は8例がCRに, 15例がPRに達したが, 第一世代化学療法群と第三世代化学療法群でCR率, 奏効率に有意差はなかった.全例の5年生存率は70%で, follicular mediumに比しdiffuse smallの生存は劣っていた.年齢, 臨床病期, IPI別では生存に差はなかったが, PSO, 1群は2以上の群と比べて良好な生存であった.CR症例の生存はPR以下の症例より良好であった.しかし, CR19例中7例が53カ月後までに再発し, 5年無病生存率は51%であった.維持療法の意義を支持する結果は得られなかった.
  • 山崎 武志
    1997 年 57 巻 4 号 p. 373-378
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    胃, 大腸癌組織のmdr-1遺伝子 (Multi Drug Resistant gene: mdr-1) , bcl-2, p53遺伝子の発現を免疫組織学的染色法により検索し, 抗腫瘍剤の治療効果との関連を検討した.対象は, 手術不適の進行胃癌14例, 進行大腸癌6例の20例であり, 抗腫瘍剤療法前後の組織を採取して検討した.その結果, 対象として検索した早期胃癌での発現率はMDR, Bcl-2ともに0%でP53が22.2%であるのに対して, 進行胃大腸癌化学療法症例は, 胃癌ではMDR, Bcl-2, p53の陽性率はともに, Well50%, Poor55.6%だった.大腸癌ではMDRとBcl-2発現陽性率は100%, p53は81.8%であった.これらの結果より胃大腸癌において, MDRおよびBcl-2, p53の発現は組織学上, 分化の程度とは関係なく, 癌の進行度に比例して頻度が高くなったと考える.化学療法による奏効率との関係では, 胃癌partial response症例ではMDR, Bcl-2, p53の発現頻度が0%であり, 胃癌progressive disease症例ではMDR, Bcl-2が100%, p53が88.9%の発現であった.このことより抗癌剤耐性機構の獲得によるMDRの発現とアポトーシス抑制遺伝子であるBcl-2発現が抗癌剤治療の有効性に深く関わっていることが示唆された.さらにbcl-2遺伝子の発現が胃癌, 大腸癌の予後判定因子として化学療法の適応を含めた新しい腫瘍マーカーになる可能性が示唆された.
  • 赤木 祐子
    1997 年 57 巻 4 号 p. 379-384
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    輸血後移植片対宿主病 (PT-GVHD: post-transfusion graft versus host disease) の予防の目的で, 血液製剤に対しX線あるいはγ線照射が行われている.我々は, γ線照射がMAP (mannitol-adenine-phosphate) 保存血中の免疫担当細胞に与える影響を検討した.健常人末梢血の血液細胞をテストチューブ中でMAP液に浮遊させ, 直ちにγ線15Gyを照射した.照射直後 (day 0) , および4℃で4日保存後 (day4) に, 白血球, リンパ球カウントと単核球サブセット解析をフローサイトメーターを使用して行なった.γ線照射によりday4に, 白血球総数は22.2±6.7%, リンパ球は21.3±5.0%, CD3陽性細胞は29.6±7.2%, CD19陽性細胞は31.4±5.8%, CD4陽性細胞は30.3±4.1%, CD8陽性細胞は20.7±4.6%, CD16陽性細胞は27.5±8.6%減少した.さらに, CD4/CD8比は非照射群では2.7±7.3%減少であったが, 照射群では11.7±3.6%減少した。γ線照射は血液製剤の免疫能を低下させる能力を有することが示された.p<0.05
  • 吉川 裕康, 坂本 正俊, 藤井 伸勝, 後藤 隆太, 太田 道也, 池内 隆夫, 松本 恵一, 甲斐 祥生
    1997 年 57 巻 4 号 p. 385-395
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    横浜総合病院泌尿器科における総合病院開設から7年間 (1989年~1995年) の外来患者・入院患者・手術の統計的観察を行った.外来新患患者の統計は7210名 (男性: 4506名, 女性: 2704名) .疾患別内訳では尿路性器感染症 (47.2%) の頻度がもっとも高く, 次いで尿路結石 (18.2%) , 尿路性器腫瘍 (7.6%) の順であった.疾患頻度では急性膀胱炎 (1280名) , 尿管結石 (1226名) がもっとも多かった.入院患者の統計は749名 (男性: 588名, 女性: 161名) .疾患別内訳では尿路性器腫瘍 (29.2%) の頻度がもっとも高く, 次いで尿路結石 (28.4%) , 尿路性器感染症 (14.7%) の順であった.疾患頻度では尿管結石 (199例) , 前立腺肥大症 (105例) がもっとも多かった.総手術件数は503件で, 頻度の高い術式は環状切除術, 背面切開術, 経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) , 精巣固定術, 経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-Bt) の順であった.
  • 唐 培, 長島 潤, 大音 清香, 高崎 幸雄, 水口 文, 田島 里佳, 依田 光正, 神宮 俊哉, 真野 英寿, 笠井 史人, 水間 正 ...
    1997 年 57 巻 4 号 p. 396-401
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    装具療法は手のリハビリテーションの一手段として重要視されている.当科では, 慢性関節リウマチ, 脳血管障害, 脊髄損傷, 関節症, 末梢神経損傷, 骨折と腱機能障害などによる手の変形と機能障害及び能力障害を改善するために, 装具や自助具を作製している.慢性関節リウマチの手の尺側偏位に尺側偏位矯正装具, swan-neck変形, ボタン穴変形に指三点固定装具, C6頸髄損傷に手関節駆動式把持装具, 母指の機能の維持のために長, 短対立装具, 良肢位を保持するために安静用夜間装具などを使用している.慢性関節リウマチなどのADL障害に対して点眼自助具, リーチャーなども作製している.手の装具は痛みの軽減, 変形と拘縮の予防と矯正, 機能の代償, ADLの改善などに有効である.
  • ―Seldinger法による脳血管撮影における問題点―
    広田 暢夫, 松本 清, 恩田 英明, 沖野 光彦
    1997 年 57 巻 4 号 p. 402-405
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    右大動脈弓を伴った脳動脈瘤の2症例に対し, Seldinger法による脳血管撮影にて動脈瘤を確認し, clipping術を行い得たので報告する.症例1は, 69歳女性で頭痛と意識障害で発症し, CT上くも膜下出血を認め, 血管撮影を施行したところ右側大動脈弓, 右側下行大動脈, 腕頭動脈の欠損, 左総頸動脈及び左鎖骨下動脈の起始異常を認めた.症例2は53歳女性で, 頭痛を主訴に来院した.MRAにて脳動脈瘤を認めたため, 脳血管撮影を施行したところ症例1と同様の異常所見を認めた.本血管奇形を有する症例のSeldinger法による脳血管撮影時には, 大動脈撮影を行い, 血管分岐の特徴を把握することが重要と考えられた.
  • 山内 恵子, 久住 武, 村田 博明, 冨樫 香, 森 義明, 金子 達, 藤元 流八郎, 加藤 崇之, 市川 博雄, 武内 透, 河村 満 ...
    1997 年 57 巻 4 号 p. 406-408
    発行日: 1997/08/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
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