昭和医学会雑誌
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55 巻 , 6 号
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  • 西村 紳二郎, 牧野 義彰
    1995 年 55 巻 6 号 p. 565-573
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ラクトフェリン (Lf) の精製法の中には, β-ラクトグロブリン (βLg) との親和性を利用した方法がある.LfとβLgが共に乳汁中に多く存在していることを考慮して乳汁中の両者の動態を検討した.ヒト初乳をTSK G3000カラムを使用してHPLCによりゲルクロマトグラフィを行った.各分画についてELISAによりLfの測定を行ったところLf (80kDa, 分画-A) の分画部分以外に非常に大きな分子: 量の分画域 (800kDa, 分画-B) にも多量のLfが存在していることが観察された.両Lf含有分画についてSepharose 6B-抗ヒトLf: IgG結合カラムによるアフィニティクロマトグラフィを行いLfの精製を行った.この試料について12.5%SDS-PAGEを行ったところ分画-Aから得たものにはLfに相当するもののみであったが, 分画-BにはLf以外にウシβLgと移動度の同じタンパク (18kDa) が多く検出された.この結果から乳汁中のLfにはLf単独で存在しているもの以外に18kDaのタンパクが数多く結合しているLfがあることが示唆された.また, この分画-BについてβLgを使ったLf精製法でLfとβLgの結合が切れるとされる0.3M NaCl処理, さらに塩濃度の濃い1.0M NaClで処理しても分画-Bの高分子のタンパクは低分子化しなかった.つまり乳汁中の分画-BのLfとβLgは非常に強く結合していると考えられる.精製したウシβLgとウシまたはヒトLfの親和性について電気泳動並びにゲルクロマトグラフィによる検討を行った.ウシβLgはヒトLfを使用したアフィニティクロマトグラフィとイオン交換クロマトグラフィを使った2つの方法で精製した.これらのβLgをヒト並びにウシLfと反応させた後, 電気泳動による検討の結果βLgにもLfに親和性のあるものと親和性がないものとがあることが観察された.同じ試料についてゲルクロマトグラフィを行ったところ乳汁中に出現した分画-Bの位置にピークの存在が確認されたが, 乳汁中の場合ほど多量ではなかった.したがって人工的に反応させたLfとβLgでは, 乳汁中に比べその結合力は強いものではないことが示唆された.
  • 塩谷 英司, 大沢 延行, 本望 潤, 川崎 恵吉, 松浦 康文, 中村 正則, 宮岡 英世, 阪本 桂造, 藤巻 悦夫
    1995 年 55 巻 6 号 p. 574-581
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    外来: 過去10年間に当科を訪れた登録新患者総数は75, 639名であった.一年間の平均新患者は7, 563.9名/年で平成元年以降は, この平均を上回っている.これは, 近隣大病院の一時閉鎖によるものと推察される.新患者の性別では男女ほぼ等しいが, 30歳までは男性受診者が多く, 40歳台以上では性比が逆転し, 女性受診者が多くなるという傾向が見られた.新患者を疾患別にみると, 外傷が47.0%で最も多く, 次いで脊椎性疾患が21.1%, と炎症性疾患が8.4%であった.入院: 入院患者総数は10年間に5, 943名で1年間の平均入院患者数は594.3名であった.疾患別では10年間連続して外傷が第1位で2, 689例45.2%であった.その内訳は骨折が最も多く毎年過半数を占めていた.また骨折部位別では, 大腿骨, 上腕骨, 足の順で大腿骨では70歳以上の女性が多かった.第2位の脊椎性疾患は全体の15.9%で, その約半数は腰椎椎間板ヘルニアであり, 次いで腰部脊柱管狭窄症の順であった.
  • 沖永 貴志
    1995 年 55 巻 6 号 p. 582-592
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    急性圧迫神経障害の病態を解明する目的で, 家兎の坐骨神経に血管クリップを2本用いて二重圧迫試験を行い, microangiography施行後の透明標本および病理組織標本を作製した.無処置の正常群と比較してその神経内血管形態の変化を経時的に観察し検討した.正常の神経束に分布する神経束内血管系において, epineurial vesse1 (以下epi-NV) の主なものはラセンを描きながら縦走し, 神経周膜内血管に分岐し4~6本観察された.しかし, endoneurial vesse1 (以下endo-NV) は, 5~6本造影されたのみであった.急性圧迫障害後のendo-NVは, 圧迫間部では, 圧迫時間に関わらず正常に比較して増加しており, 20本前後観察された.これに対し, epi-NVの本管では, 途絶や狭小化が認められ, 神経上膜深部における細小血管レベルでの増生が観察され, 4週間後も同様の所見が引き続き観察された.同部の病理組織学的所見において, 圧迫後2週間例, 4週間例ともに, 圧迫時間が長期におよぶにつれ細小血管を伴う線維性組織の侵入像が認められ, 神経周膜は肥厚し, 脂肪細胞の減少が観察された.以上のことから神経上膜内に重度の障害が認められるような状況下においても, epi-NVに比較してendo-NVは抵抗性を有していることが推察された.一方, 圧迫間部の神経線維においては, 2週間例では圧迫時間が長時間におよぶに従い大径有髄神経線維の数は減少し, 障害の程度は高度となった.4週間例では2週間例に比較してさらに有髄神経線維の数は減少していた.
  • 幕内 幹男, 長崎 秀彰, 中野 浩, 高 用茂, 真田 裕, 池田 忠明
    1995 年 55 巻 6 号 p. 593-606
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    頸胸部食道切除後の高位食道および咽頭再建術に対応するための挙上胃管作製に関して, 1. Viabilityを温存した胃管延長, 2.食道胃管端側吻合にともなう胃管先端部血流量低下の回避, 3.簡便な作製手技の確立を目的に実験的・臨床的検討を行った.胃管作製は自動縫合器 (GIA (R) ) を小彎側離断部の縫合に用い, 中間部で最も細く3cm, 先端部で5cm幅の大彎側細径胃管とした.胃管の挙上性およびviabilityの検討は, 雑種成犬 (n=12) と食道切除患者 (n=7) を対象に, 全胃管から大彎側細径胃管を作製し, その延長率および両群の胃管長径 (幽門輪からの距離) と血流量 (レーザードップラー法) を比較した.さらに実験犬において大彎側細径胃管の自動縫合部に漿膜筋層縫合を付加した群 (n=6) では胃管長径の短縮率を算出した.次に, 実験犬を対象に, 自動縫合創 (stapleによる外翻縫合) の安全性を検討するために同部の創傷治癒過程を組織学的に観察し (n=20) , 漿膜筋層縫合付加前 (n=15) 後 (n=16) の耐圧性 (air infiltration) を比較した.その結果, 実験犬では, 胃管長径は細径胃管26.8±3.4cm, 全胃管19.9±1.7cm (P<0.01) , 延長率は34.5±9.6%であった.臨床例では, 長径はそれぞれ38.2±3.2と26.4±1.9cm (P<0.01) , 延長率は39.6±5.1%であった.漿膜筋層縫合付加後の短縮率は7.7±0.8%であった.血流量は, 実験犬において, 細径胃管先端部 (25cm) は3.69±0.48voltで, 全胃管先端部 (20cm) の2.58±0.32voltより高値 (P<0.01) であった.臨床例では, 細径胃管の先端部付近 (35cm) は3.66±0.23voltであり, 全胃管先端部付近 (25cm) の3.64±0.01voltと差を認めなかった.また, 細径胃管において胸骨後経路挙上後の先端部血流量は前値より21.2±8.9%低下した.縫合創の治癒過程は, 5日目では接着された粘膜が脱落し, 粘膜下層に血管新生と肉芽組織が増生した.7日目では粘膜下と筋層が層々縫合の形態に近づき, 粘膜下層では線維化と血管連結が認められた.14日目では線維化が高度となり, 粘膜は上皮化した.耐圧値は, 7日目で自動縫合単独120.0±26.6mmHg, 漿膜筋層縫合付加176.1±29.8mmHgと差 (P<0.01) を認めたが, 14日目では231.4±24.1, 247.8±16.8mmHgと差がなかった.以上より, 大彎側細径胃管は胃管延長とviability温存に優れ, 高位食道再建に適応し得ると考えられた.自動縫合創の癒合は組織学的には14日目には完成したが, 術後早期には胃管内の充分な減圧が必要と考えられた.
  • 大門 路子
    1995 年 55 巻 6 号 p. 607-611
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ビタミンAを過剰に投与して口蓋裂を誘発したラット胎仔において, 生存胎仔数, 口蓋裂発現率などを含め, 身体, 頭蓋・上顎に対し種々の計測を行い雌雄差を検定した.確定妊娠9~11日目に筋注用ビタミンA剤を10, 000 I.U./100g腹腔内に投与し, 妊娠21日目に母獣をペントバルビタール麻酔下に開腹して子宮を切開し, 胎仔を摘出した.胎仔の雌雄を判定・分別したのち, 頭臀長, 頭部前後径を計測した.さらに胎仔の死亡を確認したのちに下顎・舌を除去して, 口蓋横径・披裂最大横径を計測した.対照群として未処理の妊娠ラット5匹を同様に確定妊娠21日目に開腹, 胎仔を摘出して計測を行った.結果として, 妊娠ラットにビタミンAを過剰に投与した場合, 生存胎仔は雌に多く, 口蓋裂の発現率も雌でやや大きかったが, 有意差は認められなかった.また, ラット胎仔の体格, 頭蓋・上顎の成長に雌雄差はなかったが, 対照群との比較においてビタミンAは身体, 頭蓋, 上顎の前方への成長に対し抑制的に作用した.ビタミンA過剰投与により口蓋裂を誘発したラット胎仔において, 口蓋の披裂幅に雌雄差を認め, 披裂横径は雌で有意に大きかった.
  • 池田 東美明, 武田 昭平, 小沢 芳樹, 福井 規之, 外丸 輝明
    1995 年 55 巻 6 号 p. 612-617
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    雑種成犬を用い, ハロタン (ハロタン群) とイソフルラン (イソフルラン群) の各1MACの定常状態から吸入濃度を増加させ, 平均動脈圧60mmHgの低血圧麻酔を施行し, 糖代謝に及ぼす影響を比較検討した.血糖値は, 両群で低血圧中, 低血圧終了後有意な変化を示さなかった.乳酸値は, ハロタン群では低血圧中, 低血圧終了後有意の増加を示したが, イソフルラン群では有意な変化を示さなかった.動脈血血液ガス分析では, pHはハロタン群では低血圧終了後有意に低下したが, イソフルラン群では変動しなかった.PaCO2は両群とも低血圧中有意に低下した.PaCO2は両群とも大きな変化はなかった.BEはハロタン群では低血圧中, 低血圧終了後有意に低下したが, イソフルラン群では変動しなかった.以上の結果から, イソフルラン深麻酔による低血圧麻酔の糖代謝への影響は, ハロタンと比較し, 乳酸, 動脈血血液ガスへの影響が軽度で, 低血圧中でも良好な末梢循環の保持が示唆された.
  • 門倉 光隆, 山本 滋, 野中 誠, 谷尾 昇, 片岡 大輔, 井上 恒一, 高場 利博
    1995 年 55 巻 6 号 p. 618-622
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, 胸腔鏡下手術が普及し, 呼吸器外科手術における主役の座を奪おうとする勢いである本術式は, Video-Assisted Thoracic Surgery (VATS) と呼ばれ, 3-CCDカメラなど視聴覚機器の進歩や, 内視鏡下手術に適した自動縫合器, ならびにその周辺機器の開発によって確立されている.今回, 当科におけるVATS施行の現状とともに, 今後も積極的な応用が期待し得る疾患を中心に検討した.本術式では, これまでの標準的な開胸法を行なわずに, 肺切除や縦隔腫瘍摘出, 胸膜病変の診断治療をはじめ, 心タンポナーデに対する心膜開窓術など心大血管病変や, さらに食道疾患にも応用可能であり, 病態に応じて適応範囲も広く得られ, 今後の発展が期待される.
  • 川内 章裕, 沢田 晃暢, 橋本 行弘, 横川 京児, 久保田 和義, 加藤 貴史, 新井 一成, 草野 満夫, 長倉 穂積, 九島 健二, ...
    1995 年 55 巻 6 号 p. 623-629
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡下副腎手術をWolf社製手術用直腸鏡 (大口径内視鏡) を用いた経後腹膜経路にて, 高血圧を合併する左副腎腫瘍 (皮質腺腫) の3例に行った.対象例は53~59歳, 男性1例, 女性2例で, 腫瘤径はともに2cm大であった.術中出血量は128~313m1, 手術時間2~4時間と従来の手技に比較して問題はなかった.本法は手術創が5cmと小さく術後疼痛も軽度であり, 手術侵襲は開放手術に比べて小さく安全であり, 症例を選べば他の手技に優先するものと考えられた.さらに, 術中超音波検査は本法で比較的困難である腫瘤の同定に有用であった.
  • 岡 壽士, 八木 秀文, 金 潤吉, 笹屋 昌示, 松本 扶喜子, 葛目 正央, 白 英, 仲吉 昭夫, 熊田 馨
    1995 年 55 巻 6 号 p. 630-635
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    S状結腸および直腸癌に対するリンパ節の郭清をD3で行うなら, 下腸間膜動脈 (以下IMA) をその根部で切断することが基本とされ, それに伴い, 末梢の左結腸動脈およびS状結腸動脈も切断されることになる.しかし, 現状では, そうした血管の処置を行いつつ, 腸管の再建の際, 口側腸管の切除端は, 辺縁動脈を残した左結腸動脈あるいはS状結腸領域で行われている.したがってIMA領域の確実な郭清が行えるならば, これを根部で結紮せずに温存することのほうが残存腸管の血行の面から望ましいと考えられる.IMA領域の郭清を確実に行うには, S状および下行結腸間膜の大動脈付着部からIMA根部の約1.5センチ上方の腸間膜に穴をあけ, 左結腸動脈の分岐部と辺縁動脈の中間に向かって腸間膜を切離する.これによってIMA領域の郭清範囲が識別される.IMAの根部から左結腸およびS状結腸への分岐部に向かって, IMAの頂部で血管周囲組織を遊離させるとIMA領域のリンパ節が一固まりで採れ, 完璧な郭清が行える.われわれは本論文で, 下腸間膜動脈および左結腸動脈を温存する, 直腸癌に対するの主幹動脈の郭清手技について述べる.
  • 吉川 裕康, 池内 隆夫, 太田 道也, 高西 竜太, 松本 恵一, 甲斐 祥生
    1995 年 55 巻 6 号 p. 636-638
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は41歳男性.3年前より陰茎亀頭部に腫瘤を認め次第に増大してきたため, 当科受診亀頭部背面の環状溝に小豆大の表面平滑な暗赤紫色の腫瘤を認め, 陰茎血管腫と診断.本人の手術希望が強く, 腫瘤切除術を施行.病理組織は静脈性血管腫であった.陰茎に発生する血管系腫瘍は非常にまれな疾患で, 自験例は本邦報告例の32例目, 静脈性血管腫としては2例目に相当した.本症の治療に関してはほとんどの症例で切除術が施行され, 最近では凍結療法・レーザー焼灼なども報告されている.しかしながら, 血管肉腫の報告も本邦で4例あり, 組織診断以外に悪性腫瘍を完全に否定する方法がないことを考えると, 生検を兼ねた腫瘍切除が最も有効な治療法と思われる.
  • 村上 厚文, 舟波 誠, 饗場 正宏, 山田 眞, 高場 利博, 李 雅弘
    1995 年 55 巻 6 号 p. 639-644
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    DeBakey IIIb型急性大動脈解離は保存的に経過を観察する場合が多く, 手術適応症例は限られている.今回腎虚血の所見を呈したため緊急手術を施行したが, 術後も腹部内臓虚血のために死亡した症例を経験したので病理解剖所見を加えて報告する.症例は49歳の男性で, DeBakey IIIb型急性大動脈解離例の経過観察中, 腎梗塞の所見を呈した.左鎖骨下動脈直下にエントリーを有し, 巨大仮性腔は左腸骨動脈領域まで達し, 腹部大動脈主要分枝の血流は狭小化した真腔からの血流で保たれ, リエントリーは右腸骨動脈起始部付近に存在すると考えられた.左大腿動脈穿刺でバルーンカテーテルによる真腔, 仮性腔問に開窓術を試みたが改善は無く, 発症後10日目に, エントリー閉鎖を目的とした緊急手術を施行した.V-Aバイパス下にknitted Dacron Graft 26mmによる下行大動脈人工血管置換術を施行した.しかし, 術後も腹部内臓虚血が進行し, 第15病日に敗血症から多臓器不全で死亡した.主な病理解剖所見は, 腸管の80%以上は, 壊死に陥り, 数ヵ所の小腸穿孔が認められ, グラフト末梢吻合部内径が小指頭大であった.仮性腔内の術後血栓形成はグラフト末梢部から腹腔動脈周辺まで形成され分枝血管の圧迫が推定されたが, 主要分枝の開口部はいずれも大きく動脈硬化性変化は認められなかった.これらから以下の知見を得た. (1) 狭小化真腔, 巨大仮性腔比や内臓虚血などの簡単で正確な診断方法の検討が必要である. (2) 本症例では, グラフト末梢部の狭窄による血圧低下と仮性腔の拡大による血流低下が腹部内臓器虚血の原因と考えられた. (3) 腹部主要分枝が真腔から出ている場合, 術式としては真腔の拡大をはかることが重要であるが, 積極的に腹部分枝再建を考慮すべきである. (4) エントリー閉鎖のみを行った場合, 術後も可及的に真腔と仮性腔 (偽腔) の比率を検索し, 仮性腔が拡大傾向に有る場合は拡大手術も考慮すべきである.
  • 村上 厚文, 饗場 正宏, 花房 雄治, 成澤 隆, 松尾 義昭, 山田 眞, 高場 利博, 李 雅弘
    1995 年 55 巻 6 号 p. 645-650
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    抗真菌薬fluconazoleの単独使用で完治し得たと考えられた弁置換術後真菌性心内膜炎 (Candida prosthetic valve endocarditis, 以下PVE) の稀な1例を経験した.症例は56歳の男性で, 7年前に26mm SJM弁による僧帽弁置換術を施行されていた.平成4年4月, 回盲部腫瘤のため回盲部切除術を受けた.術後広域抗生物質の多剤併用療法を施行したところ血液培養からCandida tropicalisが陽性となり, また心エコー検査にて, 人工弁弁輪に比較的大きな疣贅が認められたため真菌性のPVEと診断された。ただちに手術目的にて当院に救急車搬送されたが, 来院時遊離が原因と考えられる疣贅の縮小化をきたし, 梗塞症状, 不整脈さらに弁機能不全なども認められなかったため, fluconazole 200mg/dayの抗菌療法を開始した.この結果約2週間でCandidaは陰性化しとくに合併症もなく軽快した.塞栓症を併発すること無く疣贅が遊離縮小化したことが結果的に化学療法の効果を相乗的に高め, 保存的治癒可能な状態となったと考えられたが, 今後も血中Candida抗原やD-arabinitolなどの経時的測定により長期的経過観察が重要と考えられた.
  • 丸山 征郎
    1995 年 55 巻 6 号 p. 652-657
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 足立 満
    1995 年 55 巻 6 号 p. 658-661
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 有田 昌彦
    1995 年 55 巻 6 号 p. 661-664
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 飯島 正文
    1995 年 55 巻 6 号 p. 664-670
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 55 巻 6 号 p. 670-676
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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