昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
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66 巻, 6 号
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  • 塩沢 英輔, 矢持 淑子, 瀧本 雅文, 太田 秀一
    2006 年66 巻6 号 p. 389-391
    発行日: 2006/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 新介, 佐藤 まり子, 水間 正澄
    2006 年66 巻6 号 p. 392-397
    発行日: 2006/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    脳卒中患者の摂食・嚥下リハビリテーションの予後予測 (off-tubeの可否) を, 嚥下造影検査 (videofluorography: VF) 所見と日常生活動作 (activities of daily living, ADL) から検討した.脳卒中患者で誤嚥を疑われた患者延べ34名.VFを日本摂食・嚥下リハビリテーション学会「嚥下造影の標準的手順」を参照して行い, (1) 誤嚥もしくは喉頭侵入の有無, (2) 声帯を越えたか, (3) 不顕性であったか (ムセの有無) , (4) VF結果に基づいた嚥下グレードを評価した.他にADLを評価し, これらと退院時のoff-tubeの可否との関係を検討した.退院時にoff-tube可能だったのは19/34例 (55.9%) .VFでは25/34例 (73.5%) で誤嚥もしくは喉頭侵入を認めたが, 11/25例 (44%) は最終的にoff-tube可能であった.退院時のADL良好群では14/15例 (93.3%) とほぼoff-tube可能であったが, ADL不良群では14/19例 (73.7%) でoff-tube不可能であった.誤嚥もしくは喉頭侵入を認めたものでは13/16例 (81.3%) , 声帯を越えたものでは10/12例 (83.3%) , 不顕性では11/13例 (84.6%) でoff-tube不可能であった.嚥下グレード4以下では更に高率に12/12例 (100%) でoff-tube不可能であった.脳卒中における摂食・嚥下障害患者がoff-tube可能となるか否かの判定には, ADLの予後予測とVF所見が有用である可能性が示唆された.
  • 田山 宏典
    2006 年66 巻6 号 p. 398-403
    発行日: 2006/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    長期腹膜透析 (CAPD) 施行時の腹膜生検組織所見上, 腹膜の肥厚, 線維化, 血管数の増加が認められ, 腹膜透過性が充進し, 腹膜機能不全に至る可能性がある.腹膜機能不全と腹膜血管数の関係を考慮した時, 腹膜は血管新生促進又は, 抑制CXCケモカインの影響を受けると想定される.今回, 炎症性サイトカインであるTNF-α又はIFN-γによる刺激にて, 培養ヒト腹膜線維芽細胞 (HPFbs) から産生され, 血管新生促進機能があるELR (+) CXCケモカインとしてGRO-α, IL-8又は, 抑制機能があるELR (-) CXCケモカインとしてMIG, IP-10をELISA法で測定し, 解析した.TNF-α単独刺激では, ELR (+) CXCケモカインを時間, 容量依存性に産生を促進したが, ELRモチーフ (-) ケモカインの産生に関して影響せず, IFN-γの併用刺激時のみ, IFN-γ単独刺激時と比較して, ELRモチーフ (-) ケモカインの産生を, 時間, INF-γ濃度依存性に増大した.IFN-γは, 濃度依存性に, ELRモチーフ (-) ケモカインの産生を促進し, TNF-α刺激時に促進されたELRモチーフ (+) ケモカインの産生を抑制した.腹腔内炎症時.INF-γ, TNF-αを中心とした炎症性サイトカイン刺激にて, HPFbsから産生されるCXCケモカインのELRバランスが変化し, 血管新生を介し, 腹膜に影響を与える可能性があると考えられた.
  • 大塚 康二朗, 有川 公三, 斉藤 啓太, 冨塚 陽介
    2006 年66 巻6 号 p. 404-407
    発行日: 2006/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は6歳, 女児.平成16年3月5日咀嚼時の左上眼瞼異常運動を主訴に来院した.Marcus Gunn症候群の診断にて, 家族希望により3月23日に全身麻酔下にて挙筋切除, 大腿筋膜による吊り上げ術を施行した.初回術後に眼瞼下垂が再発したため, 全身麻酔下に2回の吊り上げ調整を施行した.現在Marcus Gunn徴候は消失しているが外来経過観察中である.Marcus Gunn症候群のように術後, 局所麻酔下に修正を行う必要がある場合, 手術時期を考慮しなければならない.また, 術後長期の経過観察が必要となるため患者自身との関係はもちろんのこと, 患者家族との信頼関係を築くことが重要である.
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