昭和医学会雑誌
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53 巻 , 6 号
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  • 金森 直明
    1993 年 53 巻 6 号 p. 529-536
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    血液透析 (HD) 患者の凝固, 線溶系の異常及び内皮細胞の障害に対する体外循環用抗凝固薬の影響を明らかにする目的で以下の検討を行なった.安定期HD患者13例を対象に, 抗凝固薬を無作為に従来のヘパリン (OH) あるいは低分子ヘパリン (LH) 使用群に分け, 8ヵ月間HDを行ない, 凝固, 線溶, 血管内皮細胞機能の指標変化を検討した.試験期間中の薬剤投与量は体外循環路内の残血, 凝血を防止し得る最低投与量とし, 結果として1治療当たりOHでは95±19U/kg, LHでは38±71U/kgと投与量はLHで有意の低値であった.HD開始1時間後の血漿中抗Xa活性はLH群で, OH群に比し高く, 終了時は両群間で差はなかった.APTTの延長はHD開始1時間後ではLH群で軽度の傾向にあり, 終了時はOH群に比しその延長は有意に軽度で, LH群ではHD前値に復していた.AT-III抗原量, 活性は試験開始時健常対照群と有意差はなく, OH, LH両群とも試験期間中変化はみられなかった.凝固系セリンプロテアーゼと結合したtotalのAT-IIIを表すmodified AT-IIIは, 凝固亢進を反映する新しいマーカーとして注目されているが, 試験開始時には両群とも健常対照群に比し有意の高値を示した.試験開始後の経過ではLH群で2カ月後より低下, 正常化したのに対し, OH群では有意な変動はなく, 4カ月以降LH群でOH群に比し有意の低値を維持した.線溶亢進状態を反映して試験開始時, 高値だったPICは, OH群では有意な変動はみられなかった.LH群では1, 4, 5カ月で開始時に比し有意に低下, 両群の変化率の比較でもLHで低下率は有意に大きかった.第VIII因子活性, 第VIII因子様抗原量, vW因子活性, TATは試験開始時, いずれも健常対照群に比し高値であったが, これらの因子には試験期間中, 両群とも有意な変動はなく, 両群間にも有意差は認められなかった.血管内皮マーカーであるトロンボモジュリン, エンドセリンは試験開始時両群とも健常対照群に比し高値だったが, 試験期間中, 両者とも有意な変動はみられず, 変化率にも両群間で差は認められなかった.以上より, LHの使用により, HD患者の凝固亢進状態の一部が改善し, その結果として線溶亢進も一部是正される可能性が示され, 透析用凝固薬として長年使用されてきたOHの凝固線溶系に及ぼす病因的意義の一端が解明された.
  • 桜井 茂樹
    1993 年 53 巻 6 号 p. 537-546
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    16歳男性の脛骨に発症した骨肉腫および50歳男性の大腿骨に発症した軟骨肉腫より細胞を分離して, それぞれをSASY-4およびSASY-1とした.これらの培養細胞株の性状を解析し, すでに樹立されている4種類のヒト骨肉腫細胞株 (Saos-2, Mg63, HOS, YR-2) およびヒト線維肉腫細胞 (HT1080) の性状と比較検討した.各細胞株の倍加時間は, SASY-1が84時間で一番長く, 次いでSASY-4が54時間で, 他の細胞株では33から16時間であった.各細胞株のアルカリフォスファターゼ (ALP) 活性を組織化学的および免疫組織化学的に検討したところ, Saos-2, YR-2, SASY-4ではALP強陽性細胞が多数認められ, SASY-1では少数の陽性細胞がみられた.しかし, Mg63, HOS, HT1080では陽性細胞はほとんど認められなかった.酵素化学的測定でもALP活性は, Saos-2, YR-2で非常に高く, 次いでSASY-4, SASY-1の順で, Mg63, HOSの活性は非常に弱くHT1080と同程度であった.各細胞株の上皮小体ホルモン (PTH) 応答性を検討したところ, YR-2とSaos-2ではPTH添加で細胞内cAMPの産生が著明に上昇し, SASY-1とSASY-4では軽度に上昇したが, 他の細胞株ではPTHを添加しても有意にcAMPの産生が促進されなかった.すべての細胞株が免疫組織化学的にI型コラーゲンを産生しており, 軟骨肉腫由来のSASY-1だけがII型コラーゲンも産生していた.通常の培養条件ではすべての細胞株がオステオカルシンを産生しなかったが, 1, 25 (OH) 2D3を添加するとMg63だけがオステオカルシンを産生した.以上の結果よりヒト骨肉腫細胞は細胞株により骨芽細胞の表現形質の発現状態が異なることが明らかとなった.今後, 種々の骨芽細胞の表現形質の発現状態と骨肉腫の予後や各種抗癌剤に対する応答性の相関を検討することが重要と考えられた.また, 軟骨肉腫由来の細胞を骨肉腫由来細胞と区別するにはII型コラーゲンの産生能が簡便な識別マーカーと考えられた.
  • 山田 智広, 猫田 泰敏, 川口 毅, 長山 雅俊, 藤田 良範, 片桐 敬
    1993 年 53 巻 6 号 p. 547-555
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究は, 再梗塞例を対象として, 前回梗塞から再梗塞までの期間に着目し, その長短に関連する要因を明らかにすることにより, 心筋梗塞における再梗塞発症に対する予防に資することを目的とした.対象は, 昭和56年1月から平成3年12.月までに昭和大学病院第三内科に再梗塞を発症して入院した, (1) 男性であること, (2) 前回梗塞から再梗塞までの期間が判明していること, の条件を満たす78例とした.これらの症例の前回梗塞から再梗塞までの期間の分布は, 平均67.0カ月, 標準偏差59.7カ月であり, 24カ月以内は23例, 25カ月以降60カ月以内は25例, 61カ月以降は30例であった.調査項目は, 性, 生年月日, 前回梗塞の年月日, 前回梗塞時の入院施設, 前回梗塞後の通院施設, 再梗塞の年月口, 仕事の有無, 血清総コレステロール値, 血清中性脂肪値, 肥満度, 高血圧の有無, 糖尿病の有無, 喫煙の有無, 高尿酸血症の有無および家族歴の有無である.解析方法として, 前記調査項目と前回梗塞から再梗塞までの期間との関連性は, CATDAP-02を用いて検討した.その結果, 前回梗塞から再梗塞までの期間に関連する要因は, 肥満度および血清総コレステロール値であった.肥満度は, +10%から+15%, 特に+13%において強い関連が認められ, 従来の基準である+20%では関連は弱かった.血清総コレステロール値は, 180mg/dlから200mg/dl, 特に180mg/dlにおいて強関連が認められ, 従来の基準である220mg/dlでは関連は認められなかった.なお, 血清中性脂肪値は, 80mg/dlにおいて関連が認められたが, 臨床的にかなり低い値であること, ならびに, 前後の値で連続的な関連は認められなかったことより, 今回確定するには至らなかった.これについてはさらに検討が必要であると考える.また, 喫煙, 家族歴, 糖尿病, 高血圧, 前回梗塞時年齢, 仕事および高尿酸血症には有意な関連は認められなかった.本研究の結果は, 再梗塞を発症した症例について, 前回梗塞から再梗塞までの期間に関連する要因を検討したものではあるが, 今後, 心筋梗塞患者に対しては, 肥満度および血清総コレステロール値を, 従来の基準より低い値で管理する必要性を示唆するものと考えられる.
  • 成田 和広, 山田 眞, 関口 茂明, 松尾 義明, 成澤 隆, 数馬 博, 饗場 正宏, 村上 厚文, 田中 弘之, 舟波 誠, 井上 恒 ...
    1993 年 53 巻 6 号 p. 556-559
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は71歳の男性.完全房室ブロックによるペースメーカー装着患者であり, 電池消耗のためのジェネレーター交換手術後8年を経過してからジェネレーターポケット部の腫脹が出現した.腫脹は徐々に増強するため感染が疑われ, また電池寿命も残り1年以内と予想されたためジェネレーター交換目的にて入院となった.手術所見ではジェネレーター周囲の結合組織は著しく肥厚していたが急性炎症所見は認められなかった.しかしながらペースメーカーポケット内部には黄褐色透明の浸出液および黄白色のゲル状物質が少量存在しており, 培養により弱毒菌であるStaphylococ cus epidermidisが検出された.術後15カ月を経過した現在まで感染の再燃は認められていない.ペースメーカー治療において, 新規植込みあるいはジェネレーター交換などの外科手術後数年を経てから感染が顕性化することは稀とされるが, 本症例のように長期経過後の患者に対しても, 感染をも含めた合併症についての観察が重要であると考えられた.
  • 本間 良夫
    1993 年 53 巻 6 号 p. 563-567
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 政樹
    1993 年 53 巻 6 号 p. 567-582
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 武田 健
    1993 年 53 巻 6 号 p. 582-588
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 日野 研一郎
    1993 年 53 巻 6 号 p. 588-598
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1993 年 53 巻 6 号 p. 598-601
    発行日: 1993/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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