昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
61 巻, 2 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 森 義明
    2001 年61 巻2 号 p. 123
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 笠井 史人
    2001 年61 巻2 号 p. 124-127
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 宮川 哲夫
    2001 年61 巻2 号 p. 128-131
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―下肢切断と義足について―
    神宮 俊哉
    2001 年61 巻2 号 p. 132-136
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 亀山 成子
    2001 年61 巻2 号 p. 137-140
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 川手 信行
    2001 年61 巻2 号 p. 141-145
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―当院のリハビリテーション看護の現況と課題―
    大音 清香
    2001 年61 巻2 号 p. 146-149
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 矢内原 巧
    2001 年61 巻2 号 p. 150-162
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 西村 有希, 倉田 知光, 安原 一
    2001 年61 巻2 号 p. 163-170
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―正常歩行と異常歩行の比較検討を中心として―
    高田 治実
    2001 年61 巻2 号 p. 171-178
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 大腿義足においてnormal gait (以下NG) がabnormal gait (以下ANG) と比較して, エネルギー消費および疲労が最も少ない歩行ではないことを検証する目的で行った.尚, 検証は3つの研究を通して行った.研究1は, 模擬大腿義足のNG, lateral bending gait (以下LBG) , vaulting gait (以下VG) を室内で行い, NGが最も楽でエネルギー消費の少ない歩行ではないことを検証する目的で行った.対象は, 健常者6例 (全員男性, 年齢33.2±6.9歳) であり, 模擬大腿義足で室内歩行を200m行い (3km/h) , 呼気ガス分析装置で酸素消費量 (以下VO2) , 分時換気量 (以下VE) および心拍数 (以下HR) を計測し, 疲労度を確認した.結果は, LBGが最も楽でエネルギー消費の少ない傾向を示した.しかし, Dunnett法による検定 (危険率5%) では, NGと他の歩行間に有意な差はなかった.研究2は, 大腿義足歩行のNG, LBG, VG, abduction gait (以下ABDG) をトレッドミルで行い, 研究1と同じ内容を検証する目的で行った.対象は, 外傷による大腿切断者9例 (全員男性, 年齢53.4±11.2歳) であり, 前記4種類の歩行をトレッドミルで行い, 研究1と同じ内容を確認した.結果は, VO2, VEおよびHRにおいて, NGよりLBGおよびABDGがエネルギー消費の少ない傾向を示した.しかし, Dunnett法による検定 (危険率5%) では, VO2, VEおよびHRは, NGと他の歩行間に有意差がなかった.疲労度は, LBGとABDGがNGより少なかった.研究3は, アンケート調査をもとに, 大腿切断者にとって疲労が少ない歩行を確認する目的で行った.対象は, 歩行訓練を経験した大腿切断者85例 (男性67例, 女性18例, 年齢56.7±15.5歳) であり, 通常歩行を確認し, アンケート調査を行った.結果は, 疲労度の少ない歩行をANGと答えた者が, 約9割であった.この中には, 通常歩行ではNGだが, 疲労の少ない歩行ではANGと答えた者が約1割含まれていた.また, 70歳以上では, ANGを疲労の少ない歩行と全員が答えていた.中でも, LBGとABDGの複合歩行が半数であった.本研究により, 多くの大腿切断者にとって, NGはエネルギー消費および疲労が最も少ない歩行ではないことが証明されたため, 義足の歩行訓練は, NGとANGを状況に応じて選択できるよう, 数種類の歩行を同時に訓練することが望ましいと考える.又, 70歳以上ではNGに固執せず, 安定性と疲労の少ない歩行に重点をおくことも必要と考える.
  • ―アムリノンとニトロプルシドの比較―
    本多 信雅, 小堀 正雄
    2001 年61 巻2 号 p. 179-186
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    全身麻酔下の雑種成犬20頭に, 血液希釈式自己血輸血を行い, アムリノン (A群) およびニトロプルシド (SNP: S群) の2群に分け, 低血圧状態にしたときの呼吸循環諸量, 腹部臓器血流量を検討した.麻酔はイソフルラン1MAC, 亜酸化窒素60%で維持した.対象を開腹し, 臓器血流の測定は肝臓 (LBF) , 腎臓皮質 (RCBF) , 腎臓髄質 (RMBF) , 膵臓 (PBF) に針型電極を挿入し, 水素ガスクリアランス法を用いた.血液希釈状態の作成は20ml/kgの脱血を行い, 同量のHydroxyethyl starch液 (6%in saline, MW=200kDa) を輸液し, 等量血液希釈とした.次に, アムリノンあるいはSNPのいずれかの投与を開始し, 平均動脈圧 (mAP) が対照値の85%になるように調節し, 各種諸量を測定した (HP-1) .さらに, 70%までmAPを低下させた状態で同様の測定を行った (HP-2) .その結果, HP-1では両群とも対照に比べ心係数 (CI) , 左室内圧最大変化率 (LV dp/dt max) は有意に上昇した.一方HP-2では対照に比べ両群ともCIは有意に上昇した.しかしLV dp/dt maxはA群で有意な上昇が認められたが, S群では有意な変化はなかった.RCBF, RMBFはHP-1で対照に比べ両群ともで有意に増加した.しかしHP-2では, RMBFは対照にくらべて有意に増加したが, RCBFでは有意な変化はなかった.一方LBF, PBFは対照に比べHP-1, HP-2いずれも有意な変化は認められなかった.以上の結果より, アムリノンは臓器血流をSNPと同等に維持し, 心収縮力ではSNPを上回っており, 血液希釈状態での低血圧麻酔薬として有用である可能性が示唆された.
  • ―精神機能と活動性との関係―
    藤本 和幸
    2001 年61 巻2 号 p. 187-196
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    高齢者の談話を年齢, 精神機能及び活動性との関係より検討した.対象は定期的に日常診療している65歳以上の患者218例.談話内容を明確にするため, 我々独自に作成した談話分類を利用した.分類内容は空間的談話と時間的談話に分け, 前者は自己から家族, 友人, 社会と空間的の区分分類であり, 後者は子供の頃から現在, さらに将来に至る人生の時間的区分分類である.精神機能評価として長谷川式簡易痴呆スケール, 活動性としてはADL評価のBarthel Index, さらに, 買い物等を含めた手段的ADLのIADLをさらに精神機能と活動性の両者をあわせたN式老年者用精神状態尺度を用いた.その結果, 年齢には相関関係はみられなかったが, 精神機能および活動性とも相関係数が0.7以上であった.従って談話内容が過去のものばかりになったり, 自己の話題ばかりになるのは精神機能や活動性の低下によるものと考えられた.空間的および時間的談話の相関係数は0.75であったことより, 高齢者の談話, 精神機能と活動性の3者はお互い密接な関係があると言える.我々リハビリテーション従事者にとって患者の談話内容を知ることは精神機能や活動性を知る上で重要であるばかりでなく, QOLの評価にも役立つと考える.
  • 伊藤 衛
    2001 年61 巻2 号 p. 197-207
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 長期間継続してトレーニングを行っている高齢者 (LG) の体力と血清脂質に対するトレーニング中断の影響を調べた.トレーニング経験のない高齢者に短期間 (12週) のトレーニングを受けさせたグループを対照群 (SG) としてLGと比較した.体力と血清脂質の測定は, 実験開始前 (pre) , 実験開始後12週後 (post1) , 16週後 (post2) , 24週後 (post3) に行った.その結果, post1においてSGではpreに比べて体力, LCAT, CPKの増加, 体脂肪率, TGの減少を示し, 身体機能の向上が認められた.LGではSGのpreならびにpost1よりも体力, Vo2max, LCAT, CPK値が高く, 体脂肪率が低値を示した.4週間のトレーニング中断による影響を検討したpost2においては, 両群にVo2max, 柔軟性, 敏捷性, LCAT, CPKの減少を認め, Vo2maxの減少率はSGよりLGで大きかった.また, HDLCの減少傾向が両群にみられ, LGではTGの増加を認めた.トレーニングの再開, および非再開の影響をpost3において調べた.トレーニングを再開しなかったSGの3名の値は, preと同水準に戻っていた.トレーニングを再開したLGおよびSG3名の各種測定結果はpost2と比較して改善傾向を示した.特にLGではSGを上回るHDLCの増加とTGの減少を認めた.以上の結果から, SGにおける短期間のトレーニングは体力向上や血清脂質改善に有用であり, LGではSGを上回る身体機能の改善作用を示すことが示唆された.これらのトレーニング効果はSGだけではなくLGにおいても比較的短期間で消失することが認められた.さらに, トレーニング再開による効果の回復はSGよりもLGにおいてより強く認められたことから, 長期間の継続トレーニングの重要性が明らかとなった.
  • 石黒 友康
    2001 年61 巻2 号 p. 208-213
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    糖尿病性神経障害 (DN) の早期診断・治療目的に, 他覚的検査のいかなる項目が早期発見に適し, 臨床的に簡便かについて検討した.2型糖尿病患者81例を対象とした.他覚的検査としてアキレス腱反射 (ATR) , 正中神経伝導速度 (MNCV) , 振動覚 (Vib) .起立性低血圧 (OHT) , 安静時心拍変動係数 (CVR-R) , 深呼吸時心拍変動 (E/IR) の検査を行った.DNの診断は他覚的検査で, 3項目以上の異常を呈した場合をDNと判定した.本調査でDNは81例中19例に認められた.そこでDN (+) 群19例で各他覚検査の感度, 特異度を検討するとATRの感度84.2%, CVR-R78.9%と検出力はこの2項目で優れていた.そこで検出力に優れたATR, CVR-R, の2項目でDNと診断した際の感度, 特異度を求めると, ATRの特異度は24.1%だが, 感度は100%と高値であった.したがって設備が十分でない診療所や実地医家でDNのスクリーニングを行う際, 下肢末梢神経障害, 中枢神経疾患を除外したうえで, なおアキレス腱反射異常があれば, 偽陽性率は高いがDN診断に有用と結論できる.
  • 益満 博
    2001 年61 巻2 号 p. 214-221
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    大腸sm癌と診断した245病変の深達度診断と治療方法について術前と術後の深達度診断を比較し, 治療法選択が適切であったか否かを検討した.内視鏡的治療を行った病変は245病変中114病変 (46.5%) , 最初から外科的手術を行った病変は131病変 (53.5%) , 内視鏡的治療後に追加腸切除を行った症例は47病変 (19.2%) であった.内視鏡下の深達度診断によって決定した治療方針が, 治療後に正しかったと判断された症例は245症例中198症例 (80.8%) であった.一方, 追加的腸切除を行った47症例については, その深達度診断と治療方法が一致しなかった原因をsm癌の形態的特徴という観点から検討した.その結果, 治療前に深達度診断を誤り追加的腸切除を行った早期癌は, 内視鏡による治療が行い易い隆起型sm癌であり, over surgeryとみなされる症例を含め深達度亜分類がsm1とsm2の浸潤の浅い病変を鑑別することが困難であったためであるという結論を得た.深達度がsm3に達する病変は, 全例的確な術前診断と治療の選択がされていた.リンパ管と静脈への脈管侵襲の有無は, 内視鏡による形態学的診断では区別できなかった.
  • 田島 里佳
    2001 年61 巻2 号 p. 222-232
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    日常生活上の動作は, 閉鎖運動連鎖 (closed kinetic chain) の中での運動が多いが, その中でも椅子からの立ち上がり動作は, 仰臥位から歩行に至る一連の基本動作の中で重要な役割を果たしている.閉鎖運動においては, メカノレセプターを介した足底部からの情報が重要な働きを担っているが, この情報を知る手段の一つとして, 足底圧力の測定が挙げられる.本研究の目的は, この足底圧力の変化に注目し, 椅子からの立ち上がり動作を, 膝関節の角度を変化させて行ったとき足底圧中心点 (center of pressure: 以下COP) がどのように変化するかを観察し, 一連の動作とCOPとの関係を検討することである.平衡機能や下肢関節機能に障害を有しない健常成人10例 (男性6例, 女性4例) , 平均年齢27.0±3.4歳を対象とし, 股関節屈曲90度で膝関節屈曲角度を80度, 90度, 100度と変化させ椅子から起立させた時のCOPを, ニッタ株式会社製足底圧分布測定システムF-SCANを用いて測定した.測定されたCOPをもとに, その動きと軌跡の要素について観察, 統計的分析及び検定を行った.COPは動作開始とともにまず後方 (背側) に移動し, その後折り返して比較的急速に前方 (腹側) に向かい, 徐々に静止する一定のパターンを示した.この動きのパターンを前後, 左右の動揺成分に分けて観察すると, 前後成分が主に動揺し左右成分にはほとんど動揺が認められなかった.また, 膝関節屈曲角度との関係については, COP折り返し点位置は, 開始肢位の膝関節屈曲角度と相関し, 屈曲角度が小さいほど後方に位置していた.COPの前後動揺成分最大移動距離には有意な左右差が認められ, また左足のみ, 膝関節屈曲角度との相関関係を認めた.左右動揺成分最大移動距離は膝関節屈曲角度が変化しても, その値に有意な変化は認められなかった.以上の結果から椅子からの立ち上がり動作におけるCOPの動きは, 動作の各相における諸筋の筋活動を反映し, その動揺の前後成分は動作の遂行に必要な足関節, 膝関節のdynamicな働き (運動性) を, 左右成分はstaticな働き (固定性) を示していると考えられた.またCOPの観察を通して, 椅子からの立ち上がり動作自体を評価でき, 一定したCOPの動きと軌跡パターンは, 動作の安定遂行の指標になり得ると考えられた.
  • 神宮 俊哉
    2001 年61 巻2 号 p. 233-241
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ベッドとふとんからの起き上がり動作を科学的に解明することにより, 患者の能力に適した動作指導と環境整備が可能になると考え, 本研究を行った.実験を1~3まで行った.実験1は, 起き上がり動作の分類を行うためビデオカメラで, ベッドとふとんからの動作 (仰臥位から立位まで) を記録した.それらを四肢と体幹の動きに注目して分類した.対象は, 25~85歳 (平均53.5歳) , 男性20名女性23名である.実験2は, 実験1により分類された動作を表面筋電図で検討した.検討した筋は, 腹直筋, 大殿筋, 大腿四頭筋, ハムストリングス, 傍脊柱筋, 上腕二頭筋, 上腕三頭筋である.それらを双極誘導し, マルチテレメーターシステムWEB-5000 (日本光電製) を用い増幅し, 得られた筋電波形をMacLab8Sにて解析した.対象は健常男子6名 (平均28.5歳) である.実験3は, 実験1により分類された動作の体幹関節可動域を3SPACE-WIN (POLHEMUS社製) を使用し計測した.計測は, 3端子を第一胸椎, 第五腰椎, 仙椎上に固定した.屈曲角度は, 第一胸椎と第五腰椎を結んだ直線と第五腰椎と仙椎を結んだ直線がなす角を計測した.体幹回旋角度は, 第一胸椎の回旋角度を計測した.対象は健常男子6名 (平均29.8歳) である.実験1よりベッドから上体を起こすまでを3種類, 立ち上がるまでを3種類に分類した.床からの動作も上体を起こすまでを3種類, 立ち上がるまでを3種類に分類した.それぞれの動作で年齢により多くなる動作と少なくなる動作がみられた.実験2では, 年齢により特徴的な動作に関して解析した.また, ベッドからの動作と床からの動作で同様と考えられる動作もあり, 計5動作について記録した.動作により, 動作時間と筋収縮の順序に差がみられた.実験3では, 実験2と同様に5動作に対して計測した.屈曲角度は, ベッドからの動作では有意な差が見られず, 床からの動作でも同様であった.回旋角度は, ベッドからの動作間で有意な差が見られ, 床からの動作でも同様に有意差が見られた.動作時間は年齢による敏捷性の変化に関与していると考えられる.動作により使用される筋には差がないが, その持続時間に差があり, 動作の効率性がよい方法があると考えられた.体幹可動域は, 屈曲角度で25~35度, 回旋角度で25~40度が必要であると考えられた.加齢により動作の個人差があり安楽な動作を推奨すべきではない場合もある.
  • 北川 寛直
    2001 年61 巻2 号 p. 242-250
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    片麻痺歩行における麻痺側上肢肢位の特徴及び, それに基づく新たな分類を試みた.当科外来に通院している錐体路障害をきたす片麻痺患者95名を対象とした.方法としてビデオカメラ1台を用いて歩行を正面及び側面から撮影した.麻痺側肩関節内旋角度 (以下, 肩角度) , 肘関節屈曲角度 (以下, 肘角度) 及び手関節掌屈角度 (以下, 手角度) を観察点とした.歩行時の上肢の状態にて3型に分類した (以下, 上肢分類) .その3型とは, (1) arm swingを伴う上肢をしなやかに振る釣り竿型 (Rodtype, 以下R型) , (2) 上肢の振りは乏しく, ぎこちなさと重量感を感じさせる肘関節伸展傾向の棍棒型 (Pole type, 以下P型) , (3) 上肢の振りは乏しく, 肘関節屈曲傾向の鉤型 (Hook type, 以下H型) とした.片麻痺の機能評価としてBrunnstrom stage (以下Br.stage) を用いた.片麻痺歩行時の上肢の角度は, 肩角度と肘角度と手角度がそれぞれ正の相関を示した.肩角度は上肢・手指・下肢Br.stageと負の相関関係を示したが, 相関関係の強さから, 上肢Br.stageに依るところが多いと思われる.肘角度は上肢・手指・下肢Br.stageと負の相関関係を示したが, 相関関係の強さからはいえないが, やはり上肢Br.stageの影響が強いと考える.手角度は上肢・手指・下肢Br.stageと負の相関関係を示したが, 相関関係の強さから手指Br.stageとの関連が示唆される.R型は24名 (25.3%) , P型22名 (23.2%) , H型49名 (51.5%) という内訳となり, arln swingが可能なR型は約25%を占め, 残り約75%は十分なarm swingができないP型及びH型であった.上肢分類とBr.stageの関係では, 上肢, 手指及び下肢Br.stageともにR型に機能の高い症例が集まり, P型がその次, H型に機能の低い症例が集まる傾向にあった.しかしこの上肢分類は, 必ずしも機能的評価と一致しない点もあった.片麻痺歩行において, 麻痺が強く上・下肢機能が低い患者には, 上肢の振りは乏しく肘関節屈曲傾向であるH型がみうけられる.そして上・下肢機能が高くなるにつれ, 肘関節伸展傾向のP型, 上肢をしなやかに振るR型になっていく印象がある.歩行訓練の評価として以上の分類を結びつけたい.
  • 宮本 彰俊, 竹渕 一宏, 嶋田 顕, 山本 亘, 佐藤 温, 松川 正明, 栗原 稔, 清水 浩二, 熊谷 一秀, 笠井 史人, 依田 光 ...
    2001 年61 巻2 号 p. 251-253
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top