昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
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62 巻, 1 号
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  • 洲崎 春海
    2002 年 62 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 朝比奈 紀彦
    2002 年 62 巻 1 号 p. 2-6
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 小林 一女
    2002 年 62 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 水谷 哲弥
    2002 年 62 巻 1 号 p. 11-13
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 瀬戸 浩之
    2002 年 62 巻 1 号 p. 14-15
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―実験的中耳炎に対するロキシスロマイシンの効果―
    嶋根 俊和
    2002 年 62 巻 1 号 p. 16-19
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 山本 寿美子
    2002 年 62 巻 1 号 p. 20-23
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 谷岡 大輔, 松本 清, 後藤 潤, 江連 博光
    2002 年 62 巻 1 号 p. 24-27
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    この研究はヒト延髄の内側毛帯に異なる太さの有髄神経線維があることを初めて明らかにした報告である.この神経束は後索内側毛帯系の深部知覚伝導路であり, これまでは方法論的な制約のために神経線維の軸索を収縮しない状態で染め出すことは不可能であり, また鍍銀法で銀粒子が付着する軸索はこれまで収縮がきわめて高度で太さの検討はできないこともあって, ヒトでの神経線維系の検討は行われていなかった.われわれはヒト6例の延髄上部のクロム酸二次固定ニトロセルロース包埋の横断切片を作成してMasson-Goldner染色後藤変法で染色した標本で内側毛帯の構成神経線維を比較検討した.内側毛帯には軸索の太さが少なくとも太さの異なる2種類以上の神経線維があることを確認した.本研究で採用したLuxol fast blue-silver-PAS-hematoxylin法 (平野鍍銀法の後藤変法) でも同等の評価が可能であった.これらの線維径の異なる線維の結合と機能の違いについてはまだ分かっていない.
  • 田所 賢也, 国村 利明, 石川 祐輔, 諸星 利男, 松川 正明
    2002 年 62 巻 1 号 p. 28-35
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    膵管内乳頭腫瘍 (IPMT) は大量の粘液 (ムチン) を産生し, hyperplasia-adenomacarcinoma sequenceが示唆される腫瘍である.産生された粘液 (ムチン) は, 浸潤・転移・血管新生などの腫瘍の持つ悪性度や生物学的性格を左右していると考えられ, 一方で腫瘍の増殖・浸潤能等が変化するにつれ粘液の性状も変化していく可能性もある.そこでIPMT28症例を対象として選び, WHO分類に準じてI~IV群に, またコントロールとして通常型膵管癌 (浸潤癌) 10例をV群に分類し病理形態学的に検索した.増殖能を検索するためPCNA, Ki-67, さらに癌抑制遺伝子p53, 癌遺伝子bcl-2に対する一次抗体を用いた免疫染色をLSAB法に準じて行った.I~IV群およびV群のMitotic Index (MI) の平均とPCNA-LI (Labeling Index) は1群からIV群へと進むにつれ高値を示し, V群ではいずれもI~IV群と比較して高値を示した.Ki-67-LIについてはI群, II群では陽性細胞は極めてわずかであったが, ほぼ同様の傾向を示した.IPMTにおいて増殖能の指標であるMI, PCNAおよびKi-67-LIはその数値が増加すると共に悪性度も高くなる関係を示した.粘液産生能についてはAB (alcian blue) pH2.5-PAS二重染色や, 膜結合型のMUCIムチン, 分泌型のMUC2ムチンなどの特異抗体を用いた免疫組織化学的検索を行った.I群とII群の全ての症例は中性糖タンパク質が主体の粘液を大量に産生していた.また, MUC-2陽性症例が多く, MUC-1はすべての症例で陰性であった.III群では粘液産生は乏しく, 腫瘍細胞内に粘液産生をわずかに認める症例が75%を占めていた.これらのすべての症例はMUC-2に対して陰性, MUC-1に対して陽性を示した.IV群では, 全ての症例で豊富な粘液産生を認め, これらの主体は酸性ムコ多糖で, すべてがMUC-1に対して陽性を示した.以上よりIPMTは, 増殖能の低いすなわち悪性度の低いI・II群の段階では中性糖タンパクが主体の粘液を大量に産生するが, より増殖能が増加したIII群になると粘液産生能は低下してくる.さらに増殖能が高いIV群なると粘液産生能は再び増加し酸性ムコ多糖が主体となる.また, III・IV群でMuc-1陽性細胞が出現するが, この段階で腫瘍細胞は浸潤能を獲得し, 悪性度も高くなると考えられた.
  • 遠藤 孝裕, 佐々木 晶子, 神保 洋之, 池田 幸穂, 松本 清, 立川 哲彦
    2002 年 62 巻 1 号 p. 36-42
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    外傷性脳損傷における, 神経細胞の壊死や変性は二次的にアストロサイトの腫脹や血管内皮細胞の障害を引き起こし, 血液脳関門の破綻による脳浮腫が発生することが考えられる.しかしながら, この脳浮腫の発生過程には細胞の退行性変化ばかりでなく, 細胞・組織修復機構の進展も考えられる.そこで本研究は脳損傷後の中枢組織の細胞・組織修復機構において, neuron-filial interactionが重要であると考え, 細胞接着因子として細胞間の情報伝達を担っているERMファミリーに関して, ラット脳凍結損傷モデルを用いてその発現を検索した.方法は, 250gのWistar系雄ラットの頭部を固定し, 脳凍結損傷モデルを作成し, 術後1日, 4日, 7日, 10日, 14日 (すべてn=3) 後に断頭し, 凍結切片を作り, 免疫染色を行った.その結果, Ezrinは外傷後4日例より外傷により壊死した周辺組織部位および海馬で発現がみられた.またRadixinは外傷後7日例より外傷側海馬に発現を認めた.また, Moesinはコントロールにおいていずれの細胞にも発現を認めなかったが, 外傷後4日例より外傷により壊死した周辺組織部位および海馬で発現がみられた.さらにERMファミリーとGFAP, およびMoesinとPCNAの二重染色では発現部位に一致した細胞が認められた.以上のことから, 外傷部位および海馬においては, 神経細胞で生じた変性がアストロサイトへ情報伝達される過程において, 細胞間接着因子の裏打ちタンパク質群であるERMファミリーの発現が関与しており, それらは細胞修復過程にも影響している可能性が示唆された.
  • 杉崎 慶三, 巌本 三寿, 石田 良, 玉置 聡, 中村 健太郎, 竹田 稔
    2002 年 62 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    TH1, TH2サイトカインであるインターフェロン (IFN) -γとインターロイキン (IL) -4の抗原提示細胞への影響を我々が樹立したヒト樹状細胞様細胞株ELD-1細胞を用いて観察した.ELD-1細胞はT細胞との混合培養でタイプ1T細胞を活性化するが, その活性はICAM-1 (CD54) , IL-12, HLA抗原依存的で, IL-4による前処理で抑制, IFN-γによる前処理で増強した.ELD-1細胞のIL-12の発現をFACS解析したところ, IL-12はIL-4, IFN-γ, T細胞処理後にいずれも増加したが, IFN-γ前処理後T細胞添加において相乗的増強効果, IL-4前処理後T細胞添加では抑制的に働いた.ICAM-1とHLA-DRはIFN-γ処理により共に増強したが, それに対してIL-4の処理によって, HLA-DRの抑制およびT細胞添加による反応の抑制が観察された.これらの結果から, ELD-1細胞とT細胞の間にはIFN-γを介した相互依存的なTH1反応を含むタイプ1T細胞活性化のポジティブループが存在することが示唆され, またIL-4はそれを阻害することが考えられた.
  • 趙 明川, 池田 幸穂, 神保 洋之, 福田 直, 杉山 耕一, 石原 一義, 松本 清
    2002 年 62 巻 1 号 p. 50-56
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    [目的] 脳血管障害の病態に活性酸素・フリーラジカルの関与が指摘されている.最近, 酸化的DNA障害のマーカーとして, 8-OHdG (8-hydroxy-2'-deoxyguanosine) と酸化的細胞膜障害のマーカーとして, 8-iPGF (8-iso-prostaglandin F) の尿中測定が可能となってきた.今回, くも膜下出血患者尿中における両ストレスマーカーの同時測定を施行し, 両者の相関性及び経時的変動について検討した. [方法] くも膜下出血で発症した患者7例を対象とした.留置ドレーン内の尿, 約5ml採取後, 冷凍庫に保存した.入院時より2週間にわたり連日採尿し, ELISA Kitで測定した.また, 同時に体重および一日尿量を記載した. [結果] 1.8.OHdG値と8-iPGF値は有意に相関する変動を示した (p<0.001) .2.8-OHdG生成速度と8-iPGF生成速度は有意に相関する変動を示した (p<0.001) .3.8-OHdGと8-iPGF尿中濃度および生成速度は第2あるいは3, 6日目に上昇する傾向を示した. [結論] くも膜下出血発症の脳動脈瘤患者において生じる活性酸素・フリーラジカルは生体構成成分である, DNAと細胞膜に対して同様な酸化ストレス障害の状況を引き起こす可能性が尿中新規酸化ストレスマーカーの測定から示唆された.特に, 8-iPGFの変動は脳動脈瘤患者における脳血管攣縮に引き続く脳虚血病態に関与する可能性が示唆された.
  • 田口 和三, 木村 聡
    2002 年 62 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    オボムコイドは分子量28, 000の卵白に含まれる耐熱性蛋白である.オボムコイド特異的IgEの抗体価測定は, 加熱鶏卵摂取の可否判定に有用とされるが, その陽性率に関する具体的な統計は少ない.そこで我々は検査室に集まる検体を用いて陽性率や関連抗原との相関について検討した.対象には食物アレルギーのアレルゲン検査として, 各診療科より2001年1月から10月に検査センターに検査依頼のあった1778例を用いた.オボムコイド特異的IgE抗体陽性例は724例 (40.7%) であった.年齢別変動では2歳で陽性率がもっとも高く (46.0%) , 以降加齢とともに低下した.また, 健常人50例では, クラス1の抗体価1例であったのみで, クラス2以上の陽性率は0%であった.他の食餌性アレルゲンとの関係では, 卵白で最も高い相関性が認められ (r=0.869) , 以下卵黄 (r=0.861) , ミルク (r=0.574) の順であり, 抗原性の近いアレルゲンで相関性が高かった.また, 卵白とオボムコイドを同時に測定した症例では, 卵白が陽性でオボムコイドが陰性の症例は899例中236例 (26.3%) に認められた.これに対し, オボムコイド陽性, 卵白陰性の検体は687例中24例 (3.5%) にすぎなかった.この結果より, 卵白アレルギーの患者の約4分の1で加熱鶏卵ならば摂取が可能であることが推定された.
    以上のことから, 卵白, オボムコイドの陽性率には差がみとめられ, アレルギー患者食事指導を行う上で特異的IgE抗体の測定は有効な一指標となり得る可能性が示唆された.
  • 今井 恒志郎, 富田 一誠, 武井 貢彦, 宮岡 英世
    2002 年 62 巻 1 号 p. 63-65
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は33歳女性.誘因なく左膝の関節痛, 腫脹が出現.外来にてピアルロン酸ナトリウム製剤の関節内注入を一度受け, 症状軽快していたがその後, 膝痛再発, 増強し再受診となった.著明な腫脹, 膝蓋跳動を認めるが, 熱感, 発赤は認めず.血液データでは, 白血球2970/μl, CRP2+, 血沈25mm/h, RF (-) , 尿酸値3.3mg/dlで, 関節液は黄色, 軽度混濁であった.結晶分析でピロリン酸カルシウム (+) , 一般細菌培養陰性, 結核菌培養陰性, X線検査は石灰化など異常所見は認められなかった.偽痛風を疑い関節穿刺, 洗浄, ステロイド剤の関節内注入を数回施行していたが, 繰り返す関節水腫と疼痛に対して関節鏡を施行し, 病理組織にて結核性膝関節炎の診断に至った.
  • 福内 正義, 中西 俊郎, 白土 貴史, 佐々木 和明, 宮岡 英世
    2002 年 62 巻 1 号 p. 66-71
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    脊髄硬膜外血腫は比較的稀な疾患とされてきたが, 今回我々は抗凝固剤投与中に発症した急性脊髄硬膜外血腫症を経験した.症例1は67歳女性で, 脳梗塞にてアスピリン, 塩酸チクロピジン内服中であった.起床後腰痛が出現し, その後急激な両下肢麻痺が進行し歩行不能となった.初診時にはL2髄節以下の完全両下肢麻痺を認め, MRIにてTh11から12にかけて脊髄硬膜外血腫を認めた.凝固能改善の目的で新鮮血小板輸血を併用して, 椎弓切除にて血腫除去を行った.術後麻痺の改善は認められなかった.症例2は68歳女性で, 心房細動にてワーファリンを内服していた.急激な背部痛の後, 左上下肢麻痺出現し歩行困難となった.初診時, 左C5髄節以下の完全麻痺を認め, いわゆるBrown-Sequard症候群の所見であった.MRIにてC2からTh2にかけて硬膜外血腫を認め, ワーファリンの拮抗薬であるビタミンKを併用し凝固能改善を行った後, 椎弓形成術と血腫除去術を行った.術後, 左上下肢の筋力はMMT: 2まで改善し歩行器歩行が可能となった.今回の2例が使用していた薬剤は広く使用されている薬剤である.これらによる脊髄硬膜外血腫の発生頻度は低く直接発症の原因とは考えにくい.軽微な外傷を起因とした特発性脊髄硬膜外出血の病態に凝固能低下が重なり, 血腫の増大をきたしたものと考える.抗凝固剤使用中に発生した急性脊髄硬膜外血腫の症例では自然治癒を期待できないために, 凝固能の改善を行いながら早期の手術療法が有効であると考えた.
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