日本透析医学会雑誌
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27 巻 , 3 号
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  • 下条 文武
    1994 年 27 巻 3 号 p. 157-163
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 紀田 康雄, 瀧 秀樹, 中川 浩子, 江端 一彦, 真城 巌, 吉川 隆一
    1994 年 27 巻 3 号 p. 165-169
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者の下肢末梢循環障害の頻度, 虚血の程度を評価するため, 65例の透析患者 (HD群) と35例の性, 年齢をマッチした健常対照者 (C群) に安静仰臥位で足背の経皮酸素分圧 (TCPO2, 単位mmHg) を測定し比較した. さらに透析患者でのTCPO2低下の危険因子を調べた.
    1) TCPO2はC群と比べHD群は有意に低値であった (p<0.0001). TCPO2が50mmHg以下の症例は, C群では2例 (6%) であったが, HD群では30例 (46%) と多かった. 2) TCPO2はC群, HD群ともに年齢とは有意な負の相関を認めた. またHD群では糖尿病合併透析患者は非合併例より有意にTCPO2は低かった (p<0.01). 3) HD群のうち糖尿病例では, TCPO2はRR間隔変動係数やヘモグロビン, 動脈血酸素含量と相関し, 末梢での動静脈シャントの形成や血液の酸素運搬能低下がTCPO2低下の危険因子と考えられた. 4) HD群のTCPO2は, Fontaine 2度以上の有症状例や末梢動脈の拍動欠損例では低値であったが, 下腿動脈石灰化の有無や上腕足関節血圧比とは相関しなかった.
    以上からTCPO2測定は簡単で定量的, 非侵襲的な透析患者の末梢循環障害の評価法として有用と考えられた.
  • Atsuhiro Yoshida, Kunio Morozumi, Asami Takeda, Katsushi Koyama, Tadas ...
    1994 年 27 巻 3 号 p. 171-174
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者に対して, カプトプリルなどのangiotensin converting enzyme (ACE) 阻害薬を使用することで, 高率に貧血が起こることが知られている.
    今回, ACE阻害薬のひとつであるエナラプリルを使用した血液透析患者の貧血の頻度, その成因についてretrospectiveに検討した.
    対象を高血圧を伴う慢性透析患者とし, エナラプリル1.25mgから7.5mgを毎日朝1回投与した. 18例のうち, 5%以上Ht値が低下した6例をA群, 貧血の進行しなかった12例をB群として検討した. 18例中腎臓摘出を行った症例, エリスロポエチンを経過中使用した症例はなかった.
    A群では, エナラプリルの使用後2-3か月でHtが低下しはじめ, この時期に一致して, 血漿エリスロポエチン濃度の低下を認めた. 溶血性貧血, 鉄欠乏性貧血などの存在は精査により否定した. 薬剤中止後2-6か月で, エリスロポエチン製剤投与などの治療を必要とせずに前値に回復した. B群では薬剤使用中の血漿エリスロポエチン濃度の低下を認めなかった. A, B両群間で, 年齢, 原疾患, エナラプリルの投与量, 血清中の薬剤濃度には有意差を認めなかった.
    血液透析患者のエナラプリル使用による貧血は33% (6例/18例) と高頻度に認められ, その主な原因はエリスロポエチン産生抑制と考えられた. 貧血の進行を認めた場合, 薬剤の中止が望ましい.
  • 久米井 和彦, 太尾 泰雄, 井上 和彦, 田島 義雄, 横瀬 誠治
    1994 年 27 巻 3 号 p. 175-180
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    各種high permeable membrane (HPM) ダイアライザーの糖尿病性腎症患者への適応について, 抗血栓性の観点から比較検討した. 評価ダイアライザーはPS-1.3 UW (PS), FB-130 U (CTA), EL-201-1200 C (EVAL), PAN-13 DX (PAN), TF-1100 PH (CE), BK-1.0 U (PMMA) とし, 対象糖尿病性腎症患者4名にそれぞれ1回ずつ使用して各指標について検討した. 血清中トロンビン-アンチトロンビンIII複合体 (TAT) の透析前後の変化は, 膜間での有意差は認められなかったが, PS, EVAL, PMMAでの透析前後比は比較的高値を示した. フィブリノペプタイドA (FPA) の透析前後の変化は, PMMAで他の膜に比べ高値であった. CE, PAN, CTAでは, 両指標とも比較的変化は少なく, これらの膜は凝固系への影響が比較的小さいと考えられた. 透析終了後の透析膜付着蛋白量に関して, PMMAは他の膜に比べ有意に高値を示し, CTAはPSを除く他の膜に比べ有意に低値を示しPAN, CE, EVALとの間で有意に低値を示した. 膜付着LDH量は, PMMAでCEを除く他の膜に比べ有意に高値を示した. 透析使用後の各種透析膜の内表面の走査電子顕微鏡写真観察の結果, PMMAおよびCEでは血球成分の付着が観察され, EVALでは若干のフィブリン様物質の付着が認められた. 以上, 抗血栓性に関する種々の指標を検討した結果, 今回検討した6種類のHPMダイアライザー間では, CTAとPANが比較的抗血栓性に優れていると考えられた.
  • 太田 信隆, 大橋 涼太, 有賀 誠司, 千葉 卓哉, 栗田 忠代士, 宇佐美 隆利
    1994 年 27 巻 3 号 p. 181-184
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    内シャント不完全閉塞4例, 完全閉塞15例の計19例を対象に, 血管形成術を行った. 手術はエアータニケットにより静脈を拡張させ, 狭窄部の中枢側静脈を切開. 同部より血管内を洗浄, 血栓を摘出した. 閉塞部にバルーンダイレーターを支えとして0.025inchラジフォーカスカテーテルを通過させ, バルーン径5mm, バルーン長2cmの血管形成用オルバートバルーンカテーテルを挿入, 10気圧1分間の拡張を2-3回行った. 操作中ヘパリン3,000単位, およびargatroban 10mgの投与を行った.
    12例で血栓の排出がみられ, 初期成功率は19例中18例94.7%. 術後開存率は7日目で84.2%, 30日目で73.7%, 90日目で73.7%であった. 完全閉塞例のみでの初期成功率は92.9%, 7日目85.7%, 1か月, 6か月とも71.4%であった. 本法によると考えられる術後合併症はみられなかった. 本法は完全閉塞を含む内シャント血流不全に有用な治療法と考えられた.
  • 中村 伸也, 山田 勝己, 加藤 克己, 富田 明夫, 丹羽 滋郎, 三井 忠夫, 小池 明彦, 成瀬 隆吉, 恒川 晋
    1994 年 27 巻 3 号 p. 185-189
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    2° HPTを有する透析患者7名にPTXを施行し, DEXA法を用いて, 腰椎 (L2-L4), 大腿骨近位端 (頸部, 大転子部, 転子間部, ワードの三角) および橈骨 (橈骨遠位端より1/3近位端) のBMDを測定し, 測定部位の骨組成やMD法の結果を考慮に入れながら, PTX後のBMDの経時的な変動と部位による改善状態の相異に検討を加えた. L2-4平均BMDは術前BMDに対して3か月後8.4%の増加 (p<0.05), 6か月後10.9%上昇した (p<0.01). 大腿骨近位端右側では3か月後各部位とも有意な上昇はなく, 6か月後頸部以外の部位で上昇を認めた (p<0.05). 左側では3か月後ワードの三角で16.7% (p<0.01), 転子間部で9.1%と上昇した (p<0.05). 6か月後頸部で18.1%の上昇をみた (p<0.01) が, 他の部位では増加幅の鈍化傾向を認めた. 一方橈骨では術後の改善はみられなかった. MD法の主たる指標はPTX前後で変動がなかったが, 中節骨, 末節骨における骨膜下吸収像は不確実なものを含めると6例で認められ, 1例で改善, 4例で改善傾向を認めた. BMDの有意な改善は腰椎で, 次に大腿骨近位端で明らかであった. また大腿骨では左右間で, また測定部位により改善率が異なっていた. これらの理由として測定各部位に占める海面骨と皮質骨の構成比率などのほか加齢, VD3, PTHの同化作用などが関与するものと想定された.
  • 長坂 肇, 宮崎 哲夫, 内藤 秀宗
    1994 年 27 巻 3 号 p. 191-195
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    第1報では, 臨床使用において異常を認めた2症例のカテーテルについて物理的強度や電顕像を検討した. 今回は, 未使用のカテーテルを用いて強度試験を行い, さらに実験的に薬剤に暴露し, その物性変化を比較検討した. 1. バクスター社, クイントン社, アキュレート社, クリエートメディック社の4社のシリコーンカテーテルを使用し, 経年試験と物理的強度試験 (内径, 外径, 伸び, 硬度, 引張り強度) を行った. 2. 浸漬試験: カテーテルを温度60℃の薬品に浸したものにおいて同様の測定を行った. 使用した薬剤は, 70%エタノール, 10%ポピドンヨードゲル (イソジンゲル), 10%ポピドンヨード液 (イソジン液) である.
    結果: カテーテルは, 各社によりさまざまな強度, 耐久性があった. 経年試験では, 内径, 外径, 伸びには各社間に大きな変化はなかった. 横方向の引張ではラジオペークライン部のシリコン肉厚が薄いため各社とも強度の低下がみられた. 浸漬試験では, 横方向の引張強度において, エタノールにてバクスターが大きく低下した. イソジン液では各社とも著明な低下を示した. 経年試験と同じく, ラジオペークライン部のシリコン肉厚が強度に影響を及ぼしたものと思われる. 縦方向の引張強度においてはイソジン液で, クイントンが著しい低下を示した. ラジオペークライン部に関係なく強度の低下がみられたことが重要な点と思われた. 各社のカテーテルにおいて, 性能, 耐久性の差違があった. 経年試験, 浸漬試験によっても一定の傾向はみられなかった. カテーテルのラジオペークライン部の構造上のことから強度低下がみられ, 薬剤暴露により変化は増大した. 今回の結果から, 消毒剤の違いにより硬度および強度に大きな差がみられたので今後の消毒法, あるいはカテーテルの構造に検討すべき点があると考えた.
  • 山縣 邦弘, 石津 隆, 大場 正二, 成田 光陽, 飯塚 正, 小林 正貴, 小山 哲夫
    1994 年 27 巻 3 号 p. 197-202
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    長期血液透析患者25名 (透析歴: 平均14.3年〈9.1-19.9年〉, 男12名, 女13名, 平均年齢55.4歳) においてTリンパ球活性化の指標である可溶性interleukin 2 receptor (S-IL2R), 可溶性CD8分子 (S-CD8) を測定し, 透析前後の変動, 透析膜間での差, 各種臨床検査データと比較検討した.
    健常者に比し, S-CD8, S-IL2Rともに長期血液透析患者では有意に高値であった (S-CD8: 健常者156.5±52.7U/ml, 透析患者441.8±223.8U/ml, p<0.01; S-IL2R: 健常者598.6±263.1U/ml, 透析患者1,580.0±502.3U/ml, p<0.01). S-CD8, S-IL2Rともに透析後に有意な上昇を認めた (S-CD8: 透析前495.2±258.4, 透析後553.1±239.2, p<0.05; S-IL2R: 透析前1,580.0±502.3, 透析後2,157.5±692.3, p<0.01). 透析前のS-IL2Rは使用透析膜による差はなく, S-CD8はいわゆるhigh performance membrane (HPM) 使用患者では420.4±178.8U/l, 従来膜 (Low flux cupuruphane膜) 使用患者では238.0±122.7U/mlで, HPM使用患者で有意 (p<0.05) にS-CD8が高値を示していた. HCV感染の有無, 副甲状腺ホルモン, β2-microglobulinとS-IL2R, S-CD8には有意な相関はなかった. S-CD8 (分子量27KD) の透析による除去が可能なHPM使用患者において有意にS-CD8が高値を示したことから, 長期透析患者においてCD8リンパ球の活性化には, HPM使用によるエンドトキシン流入や他の因子の関与が示唆された.
  • 野口 享秀, 田中 孜, 上野 勝己, 瀬川 知則, 横山 仁美, 青山 琢磨, 服部 有博, 金 俊哉, 国島 明久, 森 矩尉
    1994 年 27 巻 3 号 p. 203-208
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者のLp(a) リポタンパク (Lp(a)) は高値であることが知られており, Lp(a) のプラスミノーゲンとの構造的相同性から, 血液凝固・線溶系に対する影響が示唆されている. しかし透析患者における凝固・線溶系とLp(a) との関連性についての報告はほとんどみられない.
    我々は人間ドック受診コントロール群 (C群, n=40), 慢性糸球体腎炎による透析導入患者 (A1群, n=25), 糖尿病性腎症による透析導入患者 (A2群, n=15), さらに血液透析歴10年以上の維持透析患者 (B群, n=21) のそれぞれにおける血清Lp(a) および凝固・線溶系因子を測定し, その関連性について検討を加えた.
    C群に比較してLp(a) はA1群 (p<0.05), A2群 (p<0.01) ともに有意に高値であった. また凝固・線溶系因子ではA1, A2, B群にてα2-plasmin inhibitor plasmin complex (PIC), フィブリノーゲンは高値を示したが, プラスミノーゲン, Protein C(PC) は低値であった.
    透析導入群 (A1+A2, n=40) にてLp(a) とPICは有意な正相関 (r=0.50, p<0.01) を認め, またtissue plasminogen activator (t-PA) とは有意な負の相関 (r=-0.42, p<0.01) を示した. しかしC群, B群ともにLp(a) と各凝固・線溶系因子とは相関を認めなかった.
    血液透析導入期の高Lp(a) 血症は凝固系因子へほとんど影響しないが, 線溶系因子には抑制的に作用しているものと推察される.
  • 坂口 俊文, 打田 和宏, 児玉 敏宏, 上田 俊郎, 小畑 拡嗣, 根木 茂雄, 坂口 恵子, 松尾 恒久, 嶋 渡, 長谷川 裕人, 宇 ...
    1994 年 27 巻 3 号 p. 209-213
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    年齢階層毎に無作為に抽出した透析患者88名に対し, 抗Helicobacter pylori (H. pylori) IgG, IgA, IgM抗体の測定を行った. 20-30歳代, 40歳代, 50歳代, 60歳代, 70歳以上の各年齢階層において, IgG陽性者はそれぞれ15.4%, 60%, 45%, 31.6%, 50%であり, IgG, IgA, IgMのいずれか一種以上が陽性の者はそれぞれ46.2%, 70%, 60%, 47.4%, 50%であった. 抗体陽性者のうちIgG抗体陰性で, IgA, IgMのいずれかもしくは両方が陽性の者は24%を占めIgA, IgM抗体測定の必要性が示唆された.
    今回使用した抗体価測定キットは感度, 特異度ともに優れており, 抗体陽性はほぼ現在の感染と考えてよい. 従っていずれの年齢階層においても半数あるいはそれ以上の感染者が認められたことになる. H. pyloriは胃・十二指腸粘膜病変や胃癌の危険因子として注目を集めつつあるが, 透析患者にみられたこの感染率は, 透析患者においても, H. pyloriがそれら疾患の要因である可能性を示唆する.
  • 則行 敏生, 中村 雄二, 宮田 義浩
    1994 年 27 巻 3 号 p. 215-219
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    鎖骨下静脈閉塞は, 患側上肢の腫脹, 疼痛などを起こし, 透析患者では患側での内シャントの使用が困難となる. 透析患者にとって, 深刻な合併症である.
    透析患者の内シャント作成側の鎖骨下静脈閉塞に対し, 手術を行い, 症状の軽快を認め, 内シャントの継続使用が可能となった2症例を経験したので, 報告する.
    対象は, 男性透析患者2例であり, ともに血管造影で右鎖骨下静脈閉塞症と診断された. 症例1は, 人工血管を用いた右鎖骨下静脈-右内頸静脈バイパス術を施行し, 症例2は右鎖骨切断下, 右鎖骨下静脈-右外頸静脈バイパス術 (側々吻合) を施行した.
    結果は, 2症例とも, 術後患側上肢の腫脹は改善し, 内シャントの使用が可能となった.
    結論と考察: blood accessの保持を考慮し, 手術を行い, それぞれの術式においても, 症状の軽快, およびblood accessの継続使用が可能であった.
    鎖骨を切断することにより, 良好な視野が得られ, 人工血管を用いることなしに鎖骨下静脈と外頸静脈の側々吻合が可能となった.
    鎖骨を切断することによる問題点として, 鎖骨切断部局所の腫脹による圧迫, また鎖骨の固定不良による圧迫を起こす可能性もあると考えられ, 今後も検討が必要である.
  • 守田 吉孝, 広畑 衛, 石津 勉, 陶山 文三, 長宅 芳男, 愼野 博史
    1994 年 27 巻 3 号 p. 221-225
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    CAPD患者の結核性腹膜炎に対し, カテーテル抜去をせずに治療に成功した1例を経験した. 症例は43歳女性. 平成4年6月よりCAPDを開始したが, 同年9月4日より高熱が出現した. CAPD排液白血球数49/mm3, 一般細菌培養陰性, 結核菌塗抹陰性であった. 抗生剤の投与にても解熱せず, 排液白血球数は, 1,000/mm3以上に上昇した. ツ反強陽性, 胸部CTにて縦隔の多発性リンパ節の腫脹を認め, 結核感染を疑い9月15日よりINH, RFPを投与したところ, 翌日より解熱し排液白血球数も次第に正常化した. 10月になり, 9月16日に施行したCAPD排液培養で結核菌が証明されたため結核性腹膜炎と確診した. CAPD患者の難治性腹膜炎に対して, 結核感染を念頭におき抗結核剤の診断的投与を早期から行うことがCAPDの継続上重要であると考えられた.
  • 金田 幸司, 三好 信幸, 井上 健, 織部 安裕, 犀川 哲典
    1994 年 27 巻 3 号 p. 227-231
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    非糖尿病維持透析患者に抗不整脈薬cibenzoline (Voughan Williams分類によるIa群) を投与して低血糖昏睡をきたしたので報告する. 症例は63歳, 男性, 慢性腎炎による腎不全で透析歴9年. 平成4年11月より心室性期外収縮, 発作性心房細動に対してcibenzoline 150mg/日の投与を開始し, 平成5年1月より100mg/日に減量していた. 特に自覚症状もなく経過していたが同年3月25日血液透析日の夕食後より口渇, 全身倦怠感が出現. 3月26日早朝より脱力感, めまい感を訴えた後, 午後1:00以降記憶がなくなり, 午後6:00昏睡状態で当院に緊急入院した. 血糖値40mg/dl以下の著明な低血糖がみられ低血糖昏睡と診断した. 糖質補液にて昏睡は改善したが, 同時に測定したcibenzolineの血中濃度は973ng/mlと著明な高値であった. 肝機能, 下垂体・内分泌機能は正常であった. Cibenzolineによる低血糖昏睡を疑い同剤を中止したところ, その後は空腹時血糖が80mg/dl前後となり, 低血糖発作の再発はみられなかった. 本剤は同じIa群のdisopyramideに比し副作用も少ないとされ, 心室性不整脈治療によく使用されており, 低血糖の報告も少ない. しかし, 透析患者に使用する場合はその血中濃度の急激な上昇による低血糖発作の発現に十分注意する必要があると考えられた.
  • 柴田 哲雄, 岡部 英司, 住江 昭啓, 石井 孝典, 友 雅司, 安森 亮吉, 那須 勝, 野村 芳雄
    1994 年 27 巻 3 号 p. 233-236
    発行日: 1994/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    ステロイド抵抗性のネフローゼ症候群の経過中に急性腎不全を合併し, 血液透析により回復, その後LDL (low density lipoprotein) アフェレーシスを実施したところネフローゼ症候群が寛解したIgA腎症の1例を経験した. 症例は45歳, 男性. 高度の低蛋白血症, 蛋白尿のため当科入院後ステロイド療法を行ったが無効で, 乏尿, 高窒素血症, FENaの上昇のため, 血液透析を19回行った後離脱し得た. 腎生検光顕は軽度増殖性の腎炎で, 蛍光抗体法でIgAの沈着を認めた. 以後も持続するネフローゼ症候群に対してLDLアフェレーシスを3か月間, 計12回実施したところ, 不完全寛解II型まで改善した. ネフローゼ症候群を呈したIgA腎症の急性腎不全合併例は極めて稀である. また, ネフローゼ症候群に対するLDLアフェレーシスは現在巣状糸球体硬化症 (FGS) を中心に試みられており, 本症例は極めて示唆に富むと思われた.
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