日本透析医学会雑誌
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38 巻, 10 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 第50回日本透析医学会教育講演より
    川端 研治
    2005 年 38 巻 10 号 p. 1621-1627
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 塩田 潤, 伊藤 浩二, 中村 雄二, 高橋 加代子, 原田 久, 富田 英明, 片江 正治, 増田 美央, 村嵜 範康, 島本 透子, 藤 ...
    2005 年 38 巻 10 号 p. 1629-1633
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    保存期腎不全患者において大動脈弓部石灰化面積と血管石灰化関連因子であるオステオプロテゲリン (OPG) 血清濃度の相関および血清OPGと腎性骨症関連因子の相関を検討した. 対象は糖尿病14名を含むビタミンD未投与のCKD患者48名で血清Crは4.8±3.9mg/dLであった. 血液検査でSUN, Cr, 補正Ca, Pi, calcitriol, intact-PTH, BAPおよびOPG (BIOMEDICA社製, EIAキット) を測定した. 血清補正Ca, Pi, calcitriol, intact-PTH, BAPの平均値はそれぞれ8.8mg/dL, 4.4mg/dL, 24.8pg/mL, 160pg/mL, 34.0U/Lであった. 血清OPGは大動脈弓部石灰化面積と正相関した (p=0.0326). 一方, 血清OPGを目的変数とした変数選択-重回帰分析にて血清calcitriolおよび年齢が独立した説明変数として採択され (p<0.0001), 血清calcitriolは血清OPGと負相関した (p<0.0001). 以上より, 保存期腎不全患者ではcalcitriolの低下が血管石灰化に関与する可能性が示唆された.
  • 安藤 哲郎, 赤松 眞, 川瀬 友則, 阿岸 鉄三
    2005 年 38 巻 10 号 p. 1635-1641
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年透析用ブラッドアクセスの閉塞に対して経皮的な血栓除去が施行されるようになり, 良好な成績が得られてきている. Thrombuster IITM (Kaneka社, 以下スロンバスターII) は, シングルルーメンのシンプルな構造で, シリンジの陰圧により血栓を経皮的に吸引するデバイスである. 今回われわれは急性血栓性閉塞をきたしたブラッドアクセスに対しスロンバスターIIを用いて経皮的血栓除去術を施行した. 全例 (16症例20閉塞) における初期成功率は85.0%であった. 人工血管 (11症例14閉塞) では85.7%, 内シャント (5症例6閉塞) では83.3%であった. 出血量は1例を除き100mL以下であった. スロンバスターIIを用いた血栓除去術は有効であり, 透析患者の血栓除去に対して有用であると考えられた.
  • 西村 博昭, 内田 洋介, 中目 康彦
    2005 年 38 巻 10 号 p. 1643-1647
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    選択的腎動脈塞栓術にて治療した血液透析患者の後腹膜腔出血の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 症例は59歳男性. 1993年4月14日慢性糸球体腎炎による慢性腎不全のため血液透析導入となった. 1995年6月大動脈弁閉鎖不全症のため大動脈弁置換術施行され, ワーファリン (1mg) 2.5錠内服中であった. その後経過は順調であったが, 2003年7月20日朝突然の右側腹部痛出現し, 近医を受診した. CT検査にて後天性多嚢胞化萎縮腎よりの後腹膜腔出血と診断された. 同日当院に転院となり, 大動脈弁置換術後にて長期のワーファリン休薬を避けるため治療は選択的腎動脈塞栓術を選択した. 術後メシル酸ナファモスタットを使用して安定した血液透析が施行できていたが, 第13病日右側腹部痛再発と血圧低下をきたした. 再び行った腎動脈造影の結果, 原因は初回腎動脈塞栓術時に塞栓されていなかった腎動脈本幹分枝支配領域における後天性多嚢胞化萎縮腎よりの後腹膜腔出血と診断し, 同血管部位で選択的腎動脈塞栓術を施行した. 術後, 良好に経過し, 第31病日後に退院し, 現在も維持透析継続中である. 透析患者に発症した多嚢胞化萎縮腎よりの後腹膜腔出血に対して塞栓術を施行し, 詳細が明らかな本邦報告例は自験例を含め10例で, 2度にわたる腎動脈塞栓術施行報告は自験例のみであった.
  • 草場 哲郎, 丹田 修司, 亀山 久子, 玉垣 圭一, 沖垣 光彦, 八田 告, 弓場 達也, 須崎 陽子, 中田 徹男, 松原 弘明, 佐 ...
    2005 年 38 巻 10 号 p. 1649-1653
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は35歳, 女性. 過去に総合感冒薬の多量服用歴あり. 平成16年11月25日の早朝0時に自殺企図にて徐放性テオフィリン製剤200mg錠を140錠 (28,000mg) 内服し, 5時間後に動悸, 全身倦怠感を生じ救急搬入された. 来院時, 脈拍180回/分, 血圧80/50mmHg, 意識は混濁していた. 血液検査では白血球数の増加, 高度の低カリウム血症, 呼吸性アルカローシス, 高血糖を認めた. 胃洗浄および活性炭50gの投与後も病状の改善なく, 内服9時間後に判明した来院時のテオフィリン血中濃度は169.2μg/mLであった. 血液吸着を3時間施行し, 血中濃度は124.1μg/mLまで低下したが依然中毒域であり, 血液透析を4時間追加し, 同時に強制利尿を図ったところ, 血中濃度は29.2μg/mLと改善した. 翌日には5.4μg/mLとさらに改善し, 意識レベルも回復した. また内服12時間後の採血にて筋原性酵素の上昇を認め, 横紋筋融解症を併発したと考えられた. 血性CPKは内服後24時間で108,470IU/Lと最高値となった後は徐々に低下した. 十分な利尿により急性腎不全を発症することなく改善し, 第15病日に独歩退院した. 徐放性テオフィリン製剤による急性中毒の際は, 血液吸着に加え, 血液透析と強制利尿の併用療法も有効と考えられた.
  • 上田 崇, 長嶋 隆夫, 佐藤 暢, 小山 正樹, 岡田 晃一, 伊藤 吉三, 岩元 則幸
    2005 年 38 巻 10 号 p. 1655-1659
    発行日: 2005/10/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は71歳, 女性. 2004年7月26日直腸癌に対して当院外科で直腸癌手術 (Miles手術) を施行された. 術後当院外科外来通院中, 腎機能低下, CRPの上昇を認め入院となった. 当科紹介受診となり, 精査の結果MPO-ANCA関連糸球体腎炎の診断でステロイドパルス治療を開始した. 腎機能の改善を認めステロイド内服とし, 軽快退院となった. 外来再診時, 特に症状を認めなかったが, 血液検査でLDH, CRPの上昇を認めたため, 精査加療目的で入院となった. 胸部単純X線で両肺にびまん性にスリガラス状陰影を認め, 気管支肺胞洗浄の結果ニューモシスティスカリニ肺炎であった. ST合剤の投与を21日間行い, 呼吸状態も安定しLDH, CRPともに低下し軽快退院となった.
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