日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
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ISSN-L : 1340-3451
50 巻 , 12 号
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日本透析医学会学術委員会「Dialysis therapy, 2016 year in review」より
委員会報告
症例報告
  • 野垣 文昭, 高 桂華, 鈴木 訓之, 天野 泉
    2017 年 50 巻 12 号 p. 783-788
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/28
    ジャーナル フリー

    わが国では, 腹膜透析カテーテル留置法は主に小開腹術で行われており, 経皮的な留置法は一般的ではない. 今回われわれはSMAP法を併用した経皮的腹膜透析カテーテル留置術を2名の患者において行い, 良好な結果を得たので報告する. 超音波ガイド下にveress針またはカニューラ針を穿刺し腹膜を貫通. 透視下にガイドワイヤーを骨盤底に進め, ピールアウェイシースを腹腔内に挿入し, 腹膜透析カテーテルをシースより留置した. 内部カフは腹直筋上の皮下脂肪内に位置させ, カテーテル埋め込み術を行った. それぞれ半年後と3か月後に出口部作成し腹膜透析を開始したが液漏れを認めなかった. 経皮的腹膜透析カテーテル留置術は局所麻酔下で可能な低侵襲な留置法であり, さらにSMAP法を併用すると液漏れ対策に有効である.

  • 清澄 理恵, 平井 太郎, 後藤 巨木, 香取 秀幸, 小俣 正子
    2017 年 50 巻 12 号 p. 789-793
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/28
    ジャーナル フリー

    症例は54歳男性, 糖尿病歴35年, 透析歴5年. 歩行障害, 動作緩慢, 構音障害などのパーキンソニズム, 意識障害を急性に発症した. 頭部MRIで両側大脳基底核に血管原性浮腫を呈する病変を認めた. 臨床経過と画像所見より, 糖尿病性尿毒症症候群 (diabetic uremic syndrome) と診断し, およそ2週間のリハビリテーションを行い症状の改善と画像所見の改善が得られた. 本疾患は報告症例が少なく, 病因や治療法など不明な点が多い疾患である. MRI所見を中心に糖尿病性尿毒症症候群の発症機序に関して血糖コントロール不良や血液脳関門の破綻が関連している可能性を含め, 若干の文献的考察を加え, 検討した.

  • 高畑 尚, 脇野 修, 徳山 博文, 林 晃一, 林 松彦, 落合 大吾, 佐藤 卓, 中村 加奈子, 仙波 宏史, 田中 守, 伊藤 裕
    2017 年 50 巻 12 号 p. 795-800
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/28
    ジャーナル フリー

    症例は33歳女性. 妊娠29週に尿蛋白2+, 血圧高値を指摘され, 内服治療を開始するもコントロール不良, 胎児発育不全を指摘され, 30週で入院となった. 同日中に血圧は急速に上昇し, 頭痛, 右上腹部痛, 嘔吐, 視覚障害を認めた. 肝逸脱酵素上昇, 血小板減少, 溶血性貧血を認め, HELLP症候群と診断し, 緊急帝王切開となった. 術同日より意識障害を認め, 頭部MRIで可逆性後頭葉白質脳症 (PRES) を疑う画像変化を認めた. 肝機能障害は出産後悪化するもすぐに改善, 血小板減少や溶血性貧血も徐々に回復したが, 出産後乏尿・腎障害を認め遷延した. 血液透析を導入, 新鮮凍結血漿の投与を行った. その後, 緩徐に改善し, 術後13日目を最後に透析を離脱した. HELLP症候群は妊娠中に発症する血栓性微小血管障害症 (TMA) であり, 典型的には腎障害の遷延は稀で, 妊娠の終了により速やかに改善する. 本症例は出産後, 腎障害のみ重症化, 遷延し, 稀な経過をたどった.

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