日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
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50 巻 , 4 号
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原著
  • 堀田 千晴, 平木 幸治, 若宮 亜希子, 井澤 和大, 渡辺 敏, 金城 永幸, 櫻田 勉, 柴垣 有吾, 木村 健二郎
    2017 年 50 巻 4 号 p. 241-245
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    【目的】保存期 (ND), 腹膜透析 (PD), 血液透析 (HD) など異なる治療段階が混在する末期腎不全 (ESKD) 患者を対象に, その治療法別の身体機能の差異を明らかにする. 【方法】対象は外来通院中のESKD患者93例 (平均年齢66.1歳, 男性55例) である. 対象者は治療法別にND群 (36例), PD群 (26例), HD群 (31例) の3群に選別した. 患者背景および身体機能指標 (膝伸展筋力, 握力, 片脚立位時間, 歩行速度) を横断的に調査し, 各指標を3群間で比較した. 【結果】ND群, PD群, HD群の順に, 膝伸展筋力は0.51±0.10, 0.46±0.11, 0.43±0.12kgf/kg, 片脚立位時間は40.7±21.0, 47.8±18.1, 27.8±22.6秒, 歩行速度は1.85±0.28, 1.81±0.37, 1.57±0.34m/sであり, 3群間に主効果を認めた. さらにHD群は他の群と比し, これら指標が有意に低値を示した (p<0.05). 一方握力は, 3群間に有意差を認めなかった (p=0.62). 【結語】ESKD患者では, HD患者において身体機能が有意に低下していた.

  • 永作 大輔, 高橋 竜平
    2017 年 50 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    骨粗鬆症 (YAM<70%) を合併する当院外来透析患者に対してデノスマブ治療を行った. 対象患者は平均年齢70.8±13.7歳, 38名 (男性13名, 女性25名) であった. デノスマブ投与12か月後でBMDは4.63±7.07ポイントと有意な上昇を認めた. 骨代謝マーカーのTRACP-5b, total P1NPはデノスマブ投与後より12か月間有意な低下を認めた. 補正Ca値は投与2~3週後まで急速に低下したが, ビタミンD製剤などの投薬により改善した. デノスマブ初回投与時と2回目投与時の補正Ca値, iP値, i-PTHの変化量を比較したところ, いずれも2回目投与時で有意に低下していた. そのため低Ca血症に対する処置回数も約半分に減少していた. またi-PTH, TRACP-5b, total P1NPは補正Ca値低下と相関を認めた. 骨粗鬆症を合併する透析患者に対して, デノスマブ治療は骨密度改善に有用であった.

症例報告
  • 福永 慎, 馬場 明子, 戸倉 健, 山田 和弘, 佐藤 祐二, 藤元 昭一
    2017 年 50 巻 4 号 p. 255-260
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    症例1は43歳女性. 原疾患は糖尿病. 透析歴9年. 右足壊疽のため, 当院へ入院した. この時, 下腹部に多発する有痛性の硬結を認め, 徐々に潰瘍化していった. 皮膚生検にて, 動脈の中膜および内膜に輪状の石灰沈着を認め, カルシフィラキシスと診断した. カルシウム (Ca) ・リン (P) の調整, 局所処置, 抗生剤の投与を継続したが軽快せず, 敗血症を合併し, 死亡した. 症例2は42歳女性. 原疾患は糖尿病. 透析歴2年. 左足趾の難治性潰瘍に対する加療目的で, 当院へ入院した. 局所手術時の病理検査で, カルシフィラキシスと診断. ワルファリンの内服中止, Ca・Pの調整, 局所処置の継続により, その後の経過は順調であった. カルシフィラキシスは, 中小血管の石灰沈着による末梢循環不全をもたらす病態で, 比較的頻度は少なく, 認知度は低い. 血液透析患者の難治性の皮膚潰瘍をみた際には, 常にカルシフィラキシスの存在を念頭に置く必要がある.

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