日本透析医学会雑誌
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31 巻 , 11 号
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  • 中林 宣男
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1365-1372
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 堀江 正宣, 長谷川 正広, 土屋 博, 伊藤 慎一, 山羽 正義, 篠田 孝, 加藤 〓郎, 中村 豊, 河村 毅, 西田 泰幸, 林 秀 ...
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1373-1378
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    一般に透析療法でcarnitine (β hydroxy-γ-trimethylamino butyric acid) は低下するといわれている. 透析量の異なる2病院間 (A病院: Kt/V; 1.67, n=13, B病院: Kt/V; 2.24, n=24) で, 血中carnitine濃度を測定し, 1回の透析でのcarnitineの除去量およびCarni-Rihen 500 “KM”™ (L-carnitineTM) 補充 (L-carnitine 1,000-500mg/日) による血中carnitine levelと脂質代謝への影響を検討した. A病院のtotal carnitine (TC) は43.5μmol/l, B病院のTCは37.0μmol/lで, acyl carnitineとfree carnitine比 (AC/FC ratio) はA病院で0.7から0.6に, B病院は1.0から0.6とわずかな改善を示した. また, HD後のTCは約70-90%が除去されていた. 1週間の排液中のTCは847.0±68.4mg, FC 570.0±48.8mg, AC 351.0±25.9mgであった.
    A病院でのL-carnitineTMの補充による脂質代謝の検討では, 500mg/日の投与ではacyl moietiesの増加によりかえってTG, VLDL, LDL, HDLは増加しアポ蛋白には変化を認めなかった. また, L-carnitineTMの補充によりMDA-LDLは有意に低下したがOX-LDLの改善には有意差を認めず, L-carnitineTMの抗酸化作用は弱く, 投与量によってはむしろ脂質代謝に悪影響を及ぼすことが示唆された. B病院での排液中の濃度とAC/FC ratioの改善度より, LcarnitlneTMの適正補充量は隔日投与で1日500mg程度が望ましいと考えられたが, 今回の検討ではL-carnitineTMの抗酸化作用は弱いものと考えられた.
  • 石井 泰憲, 金子 昌司, 立川 隆光, 友部 光朗, 梶原 隆広, 鈴木 高穂, 千葉 琢哉, 古屋 徹, 中川 徹, 遠藤 文康, 鈴木 ...
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1379-1381
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者の腎細胞癌に対するインターフェロンの投与方法について, IFN-α500万単位と250万単位を筋肉内投与した際の血中濃度を透析患者5名と非透析患者2名で比較検討した. 血中濃度の経時的変化は, 4-8時間で最高血中濃度に達し, 非透析患者と大差はなかった. 24時間後では, 透析患者5例中4例に血中濃度の蓄積傾向を認め, 500万単位投与群では, 7日目の平均血中濃度は89.3IU/mlと上昇し, 最高血中濃度が302IU/mlにまで上昇した症例もあった. 透析患者の血中-時間曲線下面積 (AUC) は, いずれも高値を示した. IFN投与時の副作用としては, 全例にGOTの上昇を認め2例投与中止となった. 透析患者の投与法としては, 非透析患者に比較して, 一律に投与するのではなく, 蓄積傾向なども考慮して副作用を抑え, 個々に工夫すべきものと考えられた.
  • 三木 隆治, 上田 慎子, 杉澤 あつ子, 小林 孟史, 小関 修
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1383-1386
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    要介護透析患者は年々増加の一途を辿り, 福祉施設への入所および通院保障が緊急の課題となっている. 一方高齢社会を反映し, 病院・老人保健施設・特別養護老人ホーム等を一体とする「医療・福祉複合体」施設が増加しているが, これらの施設における透析患者の実態は不明である. 今回我々は, 透析施設を併設している福祉施設42施設に対して, 透析患者の受け入れに関するアンケート調査を行った.
    回答は23施設 (回答率55%) から寄せられ, 現在要介護透析患者を受け入れている施設は8施設 (35%), 過去も含め受け入れた経験のある施設が11施設 (48%) であった. 将来の要介護透析患者の受け入れについては, 計画のある施設が7施設, 条件が整えば受け入れる施設が9施設であり, 両者を併せると約7割の施設が受け入れ可能であった. 受け入れないと答えた7施設の主な理由は, 診療報酬上の制限と患者ケア上の不安であった.
    「医療・福祉複合体」施設における要介護透析患者受け入れ状況はおおむね良好である事実が判明したが, 導入予定の介護保険との給付区分も含めた診療報酬上の整備と, 職員教育や通院手段の確保を含む施設間ネットワークの構築が必要と思われた.
  • 川本 進也, 東 吉志, 佐藤 順一, 岩永 伸也, 石井 健夫, 増岡 秀一, 渡辺 修一, 木村 靖夫, 小林 正之, 川口 良人, 細 ...
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1387-1391
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    今回, 我々はCrow-Fukase症候群 (CFS) の難治性胸腹水, 浮腫に対し腹水濾過濃縮再静注療法が奏功した1例を経験したので報告する.
    症例: 71歳男性. 主訴: 胸腹水, 浮腫, 腎機能障害. 現病歴: 1989年に色素沈着, 浮腫, 女性化乳房, 多発性神経炎を認めCrow-Fukase症候群と診断. 96年10月より下肢の浮腫, 胸腹水の増加による呼吸困難, 腹部膨満感, 腎機能障害の進行を認め12月車椅子で入院. 入院時現症: 全身に茶褐色の色素沈着, 皮膚硬化, 浮腫, 女性化乳房, 左下肺で呼吸音減弱, 腹部膨満, 四肢の深部腱反射消失, 振動覚低下を認めた. 検査所見では貧血, 低蛋白血症, 腎機能低下, 内分泌異常を認めた. 画像上胸腹水, 心嚢水を認めたがM蛋白は認めず, 血液, 尿の免疫電気泳動でも異常は認めず骨髄は軽度の低形成のみで形質細胞の増生は認めず. 入院後経過: 薬物療法では胸腹水は難治性であり, 対症的に腹水を穿刺排液した. 低蛋白血症の進行のため, 腹水濾過濃縮再静注療法を併用した. 外来通院可能とするためテンコフカテーテル挿入し, CAPDシステムを使用し簡単に腹水採取でき, それを濾過濃縮再静注することで腹水コントロール可能となり退院. 同療法開始後次第に胸水, 心嚢水もコントロールされ約10日間隔で車椅子で外来通院中. 本治療法は対症療法ではあるものの安全にしかも容易に行えることから今後このような症例に式みられる-治療法であると考えられた.
  • Yoshihiro Motomiya, Hajimu Yamada, Kiyotaka Sugihara, Tomonori Uchimur ...
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1393-1398
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    エリスロポエチン (EPO) 依存性の血圧上昇の機序は未だ明らかではない. 本研究で我々は, 主たる血管作動性物質であるET-1, NOxの関与を検討した.
    11人の維持血液透析患者についてr-HuEPO治療開始後3か月間のET-1, NOx濃度を経時的かつ同時に測定した. さらに本病態発症に影響すると考えられる血管内皮細胞障害のマーカーとしてthrombomodulin (TM), tissue factor (TF) を測定した.
    r-HuEPOを週当たり3,000単位投与3か月後の平均血圧 (MAP) 5mmHg以上の上昇がみられた5例とMAP上昇のみられなかった6例の2群に分けて検討した. 血漿ET-1濃度およびNOx濃度は有意な経時的変動を示さず, また, 2群間でも有意差は示さなかった. ET-1/NOxモル比はMAP非上昇群では低下を示したが有意差は得られなかった (p=0.116). またΔET-1/ΔNOxモル比ではΔMAPと有意な正の相関は得られなかった (r=0.314, p=0.076). さらに, TM, TFは全患者において基準値より高値を示していたが, r-HuEPO投与後の経時的変動, MAPとの関連性は認めなかった.
    今回の検討では, r-HuEPO投与後血圧変動へのET-1, NOxの関与は確認できなかったが両物質の重要性は広く認識されておりさらに多症例での検討を加えたい.
  • 永吉 純一, 山田 一, 大山 信雄, 丸山 良夫, 吉田 克法, 平尾 佳彦, 本宮 善恢
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1399-1404
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持血液透析患者50例の大動脈石灰化係数 (ACI) を1991年から1995年までの4年間測定し, その経時的変化とCa・Pi代謝関連因子, ankle pressure index (API) および心電図上のST-T変化との関係を比較検討した.
    その結果, 1) ACIは1991年平均10.3±12.4, 1993年平均15.8±15.2, 1995年平均24.8±19.8と漸次有意に上昇した (p<0.0001). 2) 対象症例50例を血中HS-PTH濃度によってHypo.: 20ng/ml未満, Normo.: 20以上40ng/ml未満, Hyper.: 40ng/ml以上の3群に分け, 3群間でΔACI ('93-'95) を比較した. Hypo. (25例), Normo. (9例), Hyper. (16例) 各群のACI ('93) に有意差は認めず, ΔACI ('93-'95) は, それぞれ4.9±3.7, 2.5±2.1, 2.9±2.1で, Hypo. 群が他の2群に比較して有意に高い値を示した (p<0.05). 3) 対象症例50例中, 1995年にAPIを測定し得た29例のAPIは平均0.96±0.09で, ΔACI ('91-'95) と有意な負の相関 (r=-0.456 (p<0.05)) を認めた. 4) 対象症例50例中, 4年間の観察期間中に定期的に心電図を施行し得た45例を, 新たな心電図上のST-T変化を認めた群13例と認めなかった群32例に分けた. ΔACI ('91-'95) は3.9±2.3, 2.9±2.7と, 有意ではないが, 前者の方が高い値を示した.
    以上より透析患者の動脈硬化をACIを用いて定量化し, その経時的変化とCa・Pi代謝関連因子を比較検討することによって, 副甲状腺機能低下症は動脈硬化の進展と関連ある可能性が示唆された.
  • 根木 茂雄, 岡本 昌典, 長谷川 裕人, 大橋 誠治, 小畑 拡嗣, 児玉 敏宏, 阿部 富彌, 竹中 成之, 原 猛, 西岡 新吾
    1998 年 31 巻 11 号 p. 1405-1409
    発行日: 1998/11/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は48歳男性. 著明な肝障害 (GOT 31,560U/l, GPT 9,330U/l), 腎障害 (BUN 70mg/dl, Cr 6.0mg/dl) 指摘され, 和歌山県立医科大学紹介, 入院. 入院後の検査にてPT 11%と著明に低下しており, また, ウィルスマーカーと併せてA型劇症肝炎と診断. 入院当日より3日連続血漿交換 (PE) 施行, また, 急性腎不全合併に対しては血液透析 (HD), 血液濾過透析 (HDF) を施行した. PE施行によりPTは改善し, 肝機能は正常に戻り, 急性腎不全についてもHDより離脱することができた.
    A型肝炎は予後良好な疾患で保存的療法にて大部分は改善するが, 劇症化する症例もあり, その場合PEを含めた積極的な治療が必要と考えられた.
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