日本透析医学会雑誌
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31 巻 , 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 丹羽 利充, 宮崎 高志
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1423-1429
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 滝沢 英毅, 浦 信行, 米倉 修二, 吉田 茂夫, 渡井 幾男, 島本 和明
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1431-1435
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    動脈硬化評価法として頻用される大動脈石灰化係数と頸動脈硬化度を比較し, 透析患者における動脈硬化進展因子の解析とこれら評価法の有用性について検討した. 対象は透析導入前よりの動脈硬化進展を考慮し, 糖尿病性腎症および腎硬化症を除く維持透析患者41例 (男性21例, 女性20例, 年齢53±1歳, 透析期間14±1年). 頸動脈エコーにより評価した頸動脈硬化度 (0°-4°) と腹部大動脈CTから算出した大動脈石灰化係数を測定し, 動脈硬化に影響すると考えられる諸因子 (性別, 年齢, 透析期間, 血圧, 喫煙, 血清脂質, Ca・Pi代謝) との関連を重回帰分析で検討した. 頸動脈硬化度と大動脈石灰化係数は正に相関した (ρ=0.484, p<0.01) が, 重回帰分析 (R2値0.665, p<0.0001) では, 男性, 年齢, 収縮期血圧値および透析期間が独立した頸動脈硬化度の説明因子として示された. 一方, 大動脈石灰化係数は重回帰分析で採択される説明変数はなかった. 以上より, 頸動脈硬化度は血圧値と密接に関連し, 臨床的により有用な動脈硬化評価法であると考えられた. さらに, 透析療法の継続あるいは腎不全状態の長期化が, 動脈硬化を進展させ得ることを意味すると考えられた.
  • 米田 尚生, 堀江 正宣, 河村 毅, 西田 泰幸, 小林 覚, 篠田 孝, 伊藤 慎一, 土屋 博, 山羽 正義, 林 秀治
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1437-1442
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    CAPD施行中の慢性腎不全患者にCPFXを経口投与し, その血清中および腹膜透析液中の薬物動態を検討し, 理想的投与法をシミュレートした.
    CAPD施行中の患者3例に対し, CPFX 200mg単回投与後, 6時間毎にバッグ交換を施行し, 0-48hrまでの血清中および24hrまでの透析液中濃度をHPLCにて測定した. 測定値からone compartment modelで解析したCPFX 200mgの1日2回, 1日3回投与による血清中および透析液中濃度の推移をシミュレートした.
    CPFX 200mg単回投与における血清中のCmaxは1.87±0.12μg/ml, Tmaxは1.31±0.47時間, AUC0-∞は18.46±1.83μg・hr/ml, T1/2は6.24±0.52時間であった. 一方, 排液中のCPFX濃度は0-6時間にピークがみられた. また6時間毎の血清中のAUCと透析液中CPFX濃度の相関係数はr=0.877と相関した. CPFX 200mgの12時間毎投与および8時間毎投与のシミュレーションでは, 3日目には定常状態になり, 血清中濃度と透析液中濃度は12時間毎投与の場合は0.75から2.54と0.40から0.96μg/ml, 8時間毎投与の場合は1.45から3.17と0.94から1.15μg/mlであった. またCPFX 200mg 1日2回3日間投与における薬物動態はほぼシミュレートした濃度と一致した. またCAPD腹膜炎の主な起炎菌に対するCPFXのMIC90はほとんど0.78μg/ml以下である.
    CAPD患者においては, CPFXの1回200mg 1日2回ないし3回投与で, 十分な血清中および透析液中濃度が得られ, 内服薬として腹膜炎の治療に期待が持てると考えられた.
  • 塚本 功, 岡田 浩一, 山下 芳久, 大浜 和也, 菅原 壮一, 中元 秀友, 横手 祐二, 尾本 良三, 鈴木 洋通
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1443-1448
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    当院において開心術を施行した維持透析患者13症例において, 新しい周術期血液浄化法プロトコールの成績を検討した. 術前は3日間連続の血液透析, 術中は人工心肺装置に接続した血液透析, そして術後は状態が安定する術後3-4日目まで持続的血液濾過透析を施行した後, 通常の血液透析を再開した. 術前, 術中透析によって術直後のデータが安定し, 術後透析の開始を8-12時間程度遅らせることが可能であった. また術後の持続的血液濾過透析により, 血行動態への影響を最小限に抑えた透析が可能であった. 術前透析によるドライウェイトの減量, および術中, 術後透析による充分な除水により, 水過剰による術後合併症 (胸水, 心嚢液貯留等) は認められなかった. 以上のプロトコールに基づいた透析療法により, 維持透析患者の開心術の周術期死亡率を0%とし, 術中, 術後経過を非透析患者のそれに可及的に近付けることが可能であった.
  • 朝長 香, 飯高 喜久雄, 中村 信也, 守屋 俊介, 北條 みどり
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1449-1453
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    6歳から17歳までのCAPD患者12例 (男子8例, 女子4例) にdextran 70を用いて小児腹膜透析患者におけるexitoneal net fluid absorption rate (PNFAR) を測定し, 1年後に再度測定しその変動について検討した. 1回目のPNFARは, 平均160±48.3ml/4時間 (4.9±1.9ml/kg/4時間) で1年後の再検値は平均254±205ml/4時間 (7.2±5.9ml/kg/4時間) であった. 1回目と1年後の2回目のPNFARの間に有意差はみられなかった (p=0.20). しかし, 腎機能の残存していなかった6例においては1回目と2回目の測定値の差が平均19.6±11.6ml/4時間 (0.80±0.6ml/kg/4時間) と良好な相関がみられた (r=0.90, p=0.03). 一方腎機能の残存している症例においては変動が大きく再現性に乏しい結果が得られた.
  • 島田 久基, 宮川 芳一, 丸山 弘樹, 西 慎一, 岡島 英雄, 荒川 正昭
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1455-1459
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例: 28歳女性. 右水腎症, 左低形成腎のため22歳より血液透析. 27歳で妊娠し, 妊娠13週目より入院して妊娠の継続をはかった. 非透析日には一日700mlほどの自尿排泄があった. 入院後は, 慎重にドライウェイトを漸増させ, 透析回数の増加, 膜面積の大きいhigh performance membrane dialyserの使用, rHuEPOの積極的使用, 抗凝固薬の変更を行い妊娠の継続に努めた. また, 産科的にも子宮収縮抑制薬の使用, 子宮内感染の予防を行った. 妊娠中は羊水過多を認めず, 羊水穿刺は必要としなかった. 児の発育も正常であり, 妊娠37週5日に女児を出産した.
    透析患者の妊娠は, 正常人より頻度が低く, 流早産の頻度も高いが, 本例は自尿排泄があったこと, また妊娠早期より透析方法の変更, 充分な産科的管理ができたことが, 正常体重の児を正期産で出産できた要因と考えられた.
  • 雑賀 隆史, 真鍋 大輔, 陶山 文三, 秋山 賢次, 石津 勉, 廣畑 衛, 橋本 真由子, 高橋 則尋
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1461-1464
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持血液透析患者における尿路系悪性腫瘍の合併率は比較的高いとされる. 今回, 維持透析患者に合併した膀胱癌の1症例を経験したので文献的検討を加えて報告する.
    症例は68歳, 男性. 主訴は肉眼的血尿. 1990年2月慢性糸球体腎炎にて血液透析導入となり, その後4年間週3回の維持透析が施行されていた. 1994年1月より無症候性肉眼的血尿を繰り返すようになり, 同年7月, 膀胱鏡検査において多発性膀胱腫瘍 (T2N 0 M 0) の診断のもとに8月16日腰椎麻酔下に経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-Bt) を施行した. 腫瘍は境界不明瞭で, 内視鏡的完全切除は不可能であったため, 9月1日全身麻酔下に膀胱前立腺全摘除, 両側尿管皮膚瘻造設術を施行した. 手術時間は240分, 出血量は800mlであり, 輸血4単位を要した. 病理組織診断はTCC, G3>G2, pT2であった. 血液透析は術後2日目より開始し, 週3回にて施行した. 術後経過良好で術後22日目退院したが, 術後5か月目に他医において, 心不全のため死亡した.
  • 井上 勉, 岡田 浩一, 高平 修二, 中元 秀友, 菅原 壮一, 鈴木 洋通
    1998 年 31 巻 12 号 p. 1465-1469
    発行日: 1998/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    55歳, 男性. 主訴は早朝頭痛. 平成6年10月, 詳細不明のネフローゼ症候群を伴う慢性腎不全のため維持血液透析導入. 平成8年6月より早朝に激しい頭痛を訴えることがあった. また同時期に高血圧の進行を認め, 降圧剤の増量を要した. 頭痛出現時, 透析前に原因不明の代謝性アルカローシスおよび低換気所見を認めた. 平成9年7月頭痛の増悪をみたため原因精査のため入院した. 入院時, 心電図・呼吸モニターにおいて睡眠時無呼吸が頻回記録された. 入院後, 代謝性アルカローシスは次第に改善, 睡眠時無呼吸の減少に伴い頭痛の訴えが減少した. 家族の話より市販の制酸剤の過剰服用が明らかとなり, 同薬剤に含まれる重炭酸の過剰負荷が代謝性アルカローシスの原因と考えられた. その後代謝性アルカローシスは認められず, 頭痛のエピソードは直ちに消失したが, 血圧は約1か月の経過で徐々に低下した.
    本症例は重炭酸の過剰摂取と腎不全による重炭酸排泄障害によって代謝性アルカローシスとなり, 呼吸抑制・二酸化炭素貯留を招き, 早朝頭痛が生じたと考えられた. また, 睡眠時無呼吸は交感神経系の持続的亢進をきたし, 血圧上昇をもたらしたものと考えられた. 従来より慢性腎不全患者は, 睡眠時無呼吸症候群のハイリスクグループであり, その診断と適切な処置は重要である.
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