日本透析医学会雑誌
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35 巻 , 3 号
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  • 山下 明泰
    2002 年 35 巻 3 号 p. 161-163
    発行日: 2002/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 望月 隆弘, 高橋 元洋, 阿部 理恵, 大石 哲也, 志賀 直樹, 金子 正志, 石塚 英司, 國武 剛
    2002 年 35 巻 3 号 p. 165-170
    発行日: 2002/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    腹膜透析 (PD) 患者におけるカルニチン動態と栄養指標との関連について検討した. PD患者51名 (男性28名, 女性23名) を対象として, カルニチン分画を血清, 尿, PD排液で測定した. 透析量 (クレアチニンクリアランス (W-Ccr), KT/V), 腹膜平衡試験 (PET) および栄養指標として身体構成成分計測 (生体インピーダンス法), 標準化蛋白異化率 (nPCR) を計測しカルニチン濃度との関連を検討した.
    血中総カルニチン (37.9±8.3μmd/L), 遊離カルニチン濃度 (FC: 24.9±5.6μmol/L) は減少していたが, 血中アシルカルニチン濃度 (AC: 13.0±3.7μmol/L) は正常範囲内であった. 尿のAC/FC比は, 透析液に比して5倍高かった (2.10±1.13vs0.42±0.09). 腹膜のFC clearanceはAC clearanceに比し有意に高く (5.3±1.3L/day vs4.3±1.5L/day, p<0.001), 腹膜からのFC喪失量は, 透析液量と直線的な相関関係にあった. また残腎機能は血中AC濃度, AC/FC比と負の相関があった. しかし血中カルニチン濃度とKT/V, PETには相関関係はなかった.
    血中カルニチン濃度は, 身体構成成分 (体重, LBM, BMI) および血清クレアチニン, アルブミンと正の相関があり, カルニチン総排泄量 (尿+PD排液) はプレアルブミン, アルブミン, nPCRと正相関があった.
    残腎機能は尿中へのAC排泄の重要な役割を果たしており, 透析液量は腹膜からのFC喪失に影響していた. またカルニチンの血中濃度および総排泄量は, PD患者での種々の栄養指標と関連していた.
    PD患者において, 良好なカルニチン動態および栄養状態を保ち, その悪化を防ぐためには残腎機能を保持しながら, カルニチン欠乏が示唆される例では経口的なカルニチン補充が必要である.
  • 渡辺 浩志, 岡田 佳子, 森 雅弘, 前田 貴司, 丹治 英裕, 伊吹 尚久, 辰川 自光, 谷口 良彦, 丸林 誠二, 浅原 利正
    2002 年 35 巻 3 号 p. 171-175
    発行日: 2002/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析歴15年以上の22名を長期透析患者とし, これと年齢, 性, 原疾患を合致させた透析歴2年以上10年未満で無尿の透析患者50名を一般透析患者として, 栄養状態および臨床指標, 透析条件を比較した. また長期透析患者の実際の食事内容を日本腎臓学会の「血液透析患者の食事療法に関するガイドライン」と比較検討した. 一般透析患者との比較では, Kt/V for ureaは一般透析患者1.39±0.25に対し長期透析患者1.63±0.22, またKt/V for β2-microglobulinは一般透析患者0.86±0.44に対し長期透析患者で1.21±0.41で, いずれも長期透析患者で大きかった (p<0.001). 蛋白異化率 (nPCR) は一般透析患者0.99±0.17g/kg/日に対し, 長期透析患者で1.10±0.16g/kg/日と高かった (p<0.05). ガイドラインとの比較では, 長期透析患者の摂取エネルギー量は34.4 (95%信頼区間32.0-36.9) kcal/標準体重kg/日と多めな印象であったが, body mass index (BMI) は平均20.0 (19.1-20.9) とガイドラインでの標準22より少なかった (p<0.001). 実際の栄養摂取の内訳をガイドラインと比較すると, 蛋白質は1.32 (1.24-1.40)g/標準体重kg/日と多く (p<0.01), カリウムは1.73 (1.57-1.90)g/日と多く (p<0.01), りンは925 (840-1010)mg/日と多く (p<0.001), カルシウムは449 (373-525)mg/日と少なく (p<0.001) 摂取していた. すなわち, 長期透析患者は比較的透析量の多い血液透析を行う一方で, 炭酸カルシウムを服用してリンを抑えながら, ガイドラインより少ないカルシウムとより多くの蛋白質を摂取していた.
  • 林 晃一, 松田 洋人, 本多 正典, 神田 武志, 本間 康一郎, 熊谷 裕生, 猿田 享男
    2002 年 35 巻 3 号 p. 177-183
    発行日: 2002/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    末期慢性腎不全では出血傾向が出現し, その機序として腎不全に伴う体内蓄積物の関与が示唆されている. 一方, 大多数の例で降圧薬が処方されているが, その関与を検討した報告はない. 本研究は, 内シャント作成目的で入院した末期慢性腎不全患者135例に対し, 出血時間と降圧薬との関連を検討した. 降圧薬服用者では90.4% (28例) に出血時間の延長がみられたが, 非服用群 (n=13) では全例出血時間は正常であった. 出血時間とBUN, 血清クレアチニンならびに拡張期血圧とは軽度の正相関がみられ (各々, 0.19, 0.19, 0.26), 血小板数とは負の相関がみられた (-0.16). カルシウム拮抗薬服用群 (n=111) では, 23.4% (26例) に出血時間の延長がみられたのに対し, 非服用群では8.3% (2例) に観察されたのみであった. 一方, α遮断薬ではこのような影響は認めなかった. αβ遮断薬に関しても, 出血時間の延長は服薬群 (27.7%) が非服薬群 (19.7%) よりやや多かったが, カルシウム拮抗薬の併用がαβ遮断薬服用群 (100%) で非服用群 (82.6%) より多かった. さらに, カルシウム拮抗薬服用群のうち, 出血時間の延長している9例に対し, 7-10日間服薬を中止し再度出血時間を測定したところ, 著明な改善がみられた (11.4±1.0から5.9±1.0分). 一方, 服薬を継続し同間隔で測定した群では出血時間の変化はみられなかった (12.2±1.1から10.3±1.3分, n=7). 一方, カルシウム拮抗薬服薬群において, 出血時間の延長と臨床的出血傾向とは関連性を認めなかった. 以上の結果より, 透析導入期末期慢性腎不全では, 出血時間の延長がみられ, その機序として降圧薬とりわけカルシウム拮抗薬の関与が考えられた. しかしながら, この異常が臨床的出血傾向を助長する可能性は確認されなかった.
  • 藤森 明, 内藤 秀宗, 依藤 正彦, 吾妻 眞幸, 宮崎 哲夫
    2002 年 35 巻 3 号 p. 185-189
    発行日: 2002/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    マキサカルシトール静注治療とカルシトリオール経口パルス治療の効果を比較するため, 二次性副甲状腺機能亢進症を合併する血液透析患者35名を対象に, 12週間のプロスペクティブな検討を行った. マキサカルシトール治療群20名では, 副甲状腺ホルモンーインタクト (i-PTH) 500pg/mL以上の症例は10μgを週3回透析後に静注し, i-PTHが500pg/mL未満の症例には5μgを週3回透析後に静注した. 経口パルス治療群15名に対しては, カルシトリオール2μgを週2回内服投与した. その後投与量はi-PTH, Caの値により調節した. その結果, i-PTH抑制作用には両群間に全く差がみられず, Caの上昇も同等であった. 両群ともにP上昇を認める症例があったが, 統計学的に有意な変動ではなかった. 一方, マキサカルシトール治療群では, 経口パルス群より速やかにI型コラーゲンC末端テロペプチド, 骨型アルカリフォスファターゼの低下が認められ, マキサカルシトールが骨組織に直接作用して骨代謝を改善させる効果が示唆された.
  • 山見 暁, 堀川 哲彦, 高尾 克彦, 守尾 友宏, 青木 康之, 新井 貴士, 守尾 一昭, 桑田 昇治, 松崎 健三, 中村 孝司
    2002 年 35 巻 3 号 p. 191-195
    発行日: 2002/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, 透析アミロイドーシスに対する治療法の一つとして血液吸着療法によるβ2MG除去法が推奨されている. 今回われわれはβ2MG吸着カラム (鐘淵化学社製リクセル) の使用により繰り返し貧血の増悪を認め, その機序として溶血が示唆された症例を経験した. 製造メーカーの集計では調査症例数183例のうち13例 (7.1%) に貧血が認められており, 副作用としての貧血は注目すべき問題と考えられる. しかし貧血のみならずリクセル使用に伴う副作用についての検討はまだ十分ではないと思われる. 今回のわれわれの検討では合計3期にわたるリクセルの使用により, いずれも貧血の増悪とそれに伴ってハプトグロビンの低下, 網状赤血球数の増加を認めたことから溶血性貧血の合併が強く示唆された. これまでの報告では貧血の原因として葉酸, ビタミンB12, カルニチンの欠乏などの関与が示唆されているが本症例ではこれらの血中濃度には変動が認められなかった. 溶血の原因として, 直接クームス試験陰性所見から自己免疫的機序は否定的であり, リクセルの素材と患者赤血球の間における機械的摩擦や, サイトカインの影響等が考えられるが依然不明な点が多く今後の検討課題である.
  • 大竹 伸明, 中田 誠司, 松尾 康滋, 矢嶋 久徳, 武井 智幸, 真下 正道, 猿木 和久, 一ノ瀬 義雄, 広川 信, 羽鳥 基明, ...
    2002 年 35 巻 3 号 p. 197-202
    発行日: 2002/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者を発端者とする家族性前立腺癌の一家系を経験した. 症例は75歳男性. 慢性関節リウマチによる続発性アミロイドーシスが原因と思われる腎機能障害のため, 平成4年2月より週3回の血液透析を受けている. 平成12年7月の定期採血で血清前立腺特異抗原 (PSA) の高値を認め, 前立腺生検を施行. 前立腺高分化腺癌と診断され, staging後LH-RH作動薬による内分泌療法を開始した. 家族歴の聴取から患者の異父兄と実弟が前立腺癌であることが判明した. 透析患者を発端者とする家族性前立腺癌家系としては, 検索し得た限り本邦2例目であり, 透析患者が発端者で, 一家系に3名の前立腺癌患者のいる家系としては本邦初報告である.
    これまで透析患者における前立腺癌は一般の患者に比べ罹患率が低いと考えられてきたが, 実際にPSAを用いてスクリーニングを施行してみると, 透析患者における前立腺癌発見率は正常人のPSA単独前立腺癌検診における癌発見率より高率であるということが判明した. 従って透析患者であっても正常人と同様, PSAによる前立腺癌スクリーニングは重要であるし, 危険因子の一つである家族歴については詳細に調査することが望ましい.
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